水素バスから電力供給 筑波大チーム 福祉避難所で実証実験

水素燃料電池バスから吸引器などへの電力供給を行った実証実験の様子=つくば市玉取

 水素バスから電力供給 筑波大チーム 福祉避難所で実証実験

水素燃料電池バスの性能について解説する筑波大の鈴木健嗣教授

災害発生時、避難所での感染症検査機能や発電機能を備えた水素燃料電池バスを開発した筑波大の研究チームは1月28日、福祉避難所での電力供給の実証実験を茨城県つくば市玉取の県立つくば特別支援学校で実施した。医療的ケア児に必要な吸引器などへの電力供給の流れを確認したほか、保護者らとの意見交換も行った。バスは最大で約9キロワットの電力が出力可能。水素燃料を利用しているため、静音性に優れ、排出ガスもないなど避難所での電力供給に適している。実験では、バスにコンセントをつなぎ、電気ポットや電子レンジ、吸引器などを同時使用するなどして、電力供給の状況や流れを確認した。参加した保護者らは、電力の供給継続時間やどのくらいの機器を同時につなげられるのかなどについて質問していた。車両開発を担当する同大の鈴木健嗣教授は「今後は通常の避難所での電力供給や建物への電力供給などについて検証していく」と展望を話した。

茨城新聞社