中村江里子、雨宮塔子のフランス生活に学ぶ、フードロスを削減する暮らしとレシピ。

杉山:レストランでの食べ残しについて、日本では食品衛生上の問題でドギーバッグとして持ち帰ることができる飲食店がとても少ないです。フランスでは、ある一定以上の席数があるところだとドギーバッグを出さないといけないという法律が2016年に出来たと聞きました。実際のところ、皆さんの生活には定着していますか?

雨宮:自分の容器を持ち歩いて、食べ切れなかった分を持って帰ることが「環境意識が高くてかっこいい」と、一時すごく盛り上がっていましたが、その動きはコロナで後退してしまっています。同様に、使い捨てではなく繰り返し使えるストローやナプキンを導入するレストランも増えていたのが、コロナ禍での衛生面から、また使い捨てに戻ってしまった感があります。

中村江里子、雨宮塔子のフランス生活に学ぶ、フードロスを削減する暮らしとレシピ。

杉山:レストランも持ち帰ることは推奨しているんですか?

雨宮:レストランにもよりますが、お客さんから言われたら断れないという法律なので、持って帰ることはできます。

V:日本だと自己責任で持って帰りたくてもレストラン側に「ダメです」と断られ、もどかしい思いをすることがあります。

賞味期限が近い食べ物の循環システム。

杉山:日本の賞味期限の問題が難しくて、例えば大手のデパートでは、賞味期限が3分の1になった時点で販売してはいけないという独自の厳しいルールがあるそうなんです。つまり賞味期限が30日間ある焼き菓子の場合、残り10日間になった時点で販売できなくなってしまいます。コロナ禍では、特に大量の焼き菓子が捨てられてしまうことになりました。そこでFOOD LOSS BANKでは、先日、堂島ロールで有名な株式会社Mon cherから賞味期限が3分の1以下のクッキーなどの焼き菓子を回収して、細かく砕き、ロスのフルーツもいれたパフェを作るという、子ども向けの食のアップサイクル料理教室を開くなど、この問題に取り組みました。