「もう床掃除を気にする必要はない」 家の間取りを覚える「ルンバi7+」発売 自動ゴミ収集機も
アイロボットジャパン合同会社は2月19日、ロボット掃除機「ルンバ」の新しいフラグシップモデル「ルンバi7+」を発表した。家の間取りを記憶して掃除効率を上げたほか、新しい「クリーンベース」(自動ごみ収集機)でゴミ捨てまで半自動化した。来日した米iRobotのコリン・アングルCEOは、「もう床掃除を気にする必要はない」と胸を張る。3月8日から12万9880円(税別)で販売する。
「ルンバi7+」と米iRobotのコリン・アングルCEO(左)、アイロボットジャパン合同会社の挽野元社長(右)クリーンベースは、ルンバの充電ステーションを兼ねている。ルンバがドッキングすると、本体下部からダスト容器内のごみを吸いだし、クリーンベース内の紙パックに溜め込む仕組み。1つの紙パックにダスト容器30杯分のごみが入るため、毎日ルンバを使っても1カ月程度はごみ捨ての必要がない計算になる。紙パックは引き出す際に自動的にふたが閉まる構造で、人はごみに触れる必要はない。
クリーンベースで充電中紙パックは、クリーンベースから引き上げる際、ふたが閉まる構造になっているルンバ自体も賢くなった。2015年発売の「ルンバ980」以降、カメラとSLAM(Simultaneous Localization And Mapping)によって室内のマッピングを行っているが、これまでは掃除のたびに地図を最初から作り直していた。家具の移動など不測の事態に対応できないため、あえて記憶しない仕様にしていたという。
ルンバの処理速度の進化対してルンバi7+では、マッピングの手法をルンバ900シリーズから継承しつつ、最大10の異なるフロアマップを記憶できるようになった。コリン・アングル氏は、「同じ家を数回掃除するとAI(人工知能)が80%程度の精度でどのような部屋があるか把握し、その後は部屋ごとに一筆書きの要領で効率良く掃除する。前回、ぶつかって動けなくなった場所などは避ける。掃除にかける時間とエネルギーを節約できる」と説明している。
マップの記憶を可能にした背景には、ルンバ自体の大幅なスペックアップがあった。ルンバ980のCPUは、処理能力が293MIPS(毎秒2億9300万回の命令を実行)に対し、ルンバi7+は9880MIPSと「約30倍早い」(コリン・アングル氏)。そこで動くソフトウェアも、コード数で360万行(ルンバ980)から1000万行超(ルンバi7+)と3倍近い。間取りを記憶して効率良く掃除しつつ、家具の移動など環境の変化にも柔軟に対応できるとしている。
間取りを覚えることで使い勝手も向上した。例えばスマートフォン用アプリ「iRobot HOME」(iOS/Android)を用い、部屋に「リビング」などの名前をつけると各部屋を指定して管理できる。
ルンバのマッピング機能。iRobotでは「Imprint スマートマッピング」と呼ぶ例えば人が集まるリビングは毎朝、寝室は週に1回といった具合に掃除をスケジューリング。またスマートスピーカー(Amazon Alexa、Googleアシスタント)を使って特定の部屋を掃除するように指示することもできる。コリン・アングル氏は、「ようやく『ルンバ、キッチンを掃除して』と言えるようになった」と話す。それはロボット掃除機の開発を始めた頃から夢見ていたことだという。
「ようやく『ルンバ、キッチンを掃除して』と言えるようになった」アイロボットジャパンでは、ルンバi7+の発売に先立ち、クリーンベースが付属しない「ルンバi7」を2月22日に発売する。価格は9万9880円(税別)。またエントリーモデルの「ルンバ643」は2万9880円に、「ルンバ960」は6万9800円に値下げした。ルンバ980は生産終了となる。
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