大は小をかねない!これが正しい「コーヒードリッパー」の選び方

「コーヒーを淹れることは、デートである」

日によって変化するし、うまくいく“正解”なんてない。そんなことを教えてくれたのが、大のコーヒー好きで、月に一度のカフェ「SACHIOPIA COFFEE」も開く芸人・コーヒールンバ平岡佐智男さん。

家でコーヒーを楽しみたいひとに向けて、コーヒーにまつわるアレコレをうかがう企画!

今回は「知ってると通なコーヒードリッパーの話」。

コーヒールンバ平岡佐智男さん1982年、香川生まれ。タリーズコーヒー3店舗で店長をつとめたことも。特技は後味にあまい余韻が残るおいしいコーヒーを淹れること、人をコーヒー豆に例えること。Instagram :hiraokaschio twitter : @sachiohiraoka ブログ

初心者もはじめやすいコーヒードリッパー。正しい選び方って?

「僕の結論としてはみんな好きなドリッパーを使えばOK! です。

味のちがいはもちろんありますが、“厳密にいえば”だし、まずはコーヒーへのテンションが上がることが大事ですね。

ただ、オススメするならば、僕はこの3種類がお気にいりです!」

「耐熱ガラスメーカー・HARIO(ハリオ)のV60ドリッパーは、世界中で使われてる名器なうえ、400円ほどとお安い!

プラスチック製で、他メーカーだとヒビ割れたりしますが、ハリオは丈夫。一生ものとして使えます。

さわやかでサッパリ飲めるコーヒーが得意なので、朝飲む派の人、浅煎りのコーヒーが好きな人にオススメです」

「カラー展開が少ないので、かわいくてテンションが上がるように、僕は外側に色を塗って使ってます!

イエロー、ブルー、透明の3つを持ってますが、色は自称プラモデル芸人の後輩、ヤブキサドヤの矢吹くんに塗ってもらいました(笑)」

「スパイラルリブといって、“空気の通り穴”である中のミゾがうずまきなんですが、中煎りや浅煎りのコーヒーに向いているカタチ。

抽出が早いと香りが立つんですが、これは自分で速度を調整しやすく、かなりスピーディにも抽出できるので、香りがいいコーヒーが好きな人に適してますよ。

ただ、スピーディゆえに豆のおいしさが出切らない可能性があって、ちょっと上級者むきかも?」

HARIO (ハリオ) V60 01透過 コーヒードリッパー クリア コーヒードリップ 1~2杯用VD-01T

¥275 詳細はこちら

「サブで使っている、コーヒー機器総合メーカー・Kalita(カリタ)のウェーブドリッパーは、安定した抽出ができるので、使ってるカフェも多いアイテム。

2,600円ほどと高めですが、失敗しないから初心者にも向いていますよ」

「まろやかで、豆の甘みを感じてホッとしたいときにピッタリ! 日本人の味覚には、カリタがとても合っているかもしれません。

3つ穴の台形で、豆の塊のなかを水がゆっくり通ってくイメージ」

大は小をかねない!これが正しい「コーヒードリッパー」の選び方

「ペーパーに雑味が溜まるので、雑味を排除でき、味わいが濃い印象になります」

カリタ ウェーブシリーズ ウェーブドリッパー155(1~2人用) #04021

¥1,945 詳細はこちら

「だいたい以上ふたつで淹れていますが、たまに使うのがコレス(cores)のゴールドフィルター。

ペーパーレスなので、おいしさの元である油分や旨味をダイレクトに引き出し、コーヒーの味をワイルドに抽出できます。

それに多分、金に触れると味がまろやかになりますね」

「値段は3,500円ほどとちょっとお高いのと、ペーパーフィルターは手入れがカンタンなのに対して、ペーパーレスはエコだけどひと手間かかるのはありますが……

深煎りの豆や、油分が多い豆はこれで楽しみたいですね」

コレス ドリッパー ゴールドフィルター コーヒー 1-10カップ用 C280

¥3,600 詳細はこちら

ペーパーフィルターはCD、金属フィルターはライブ

「ドリッパーは、穴の数や穴の大きさ、台形か円すい型か、ペーパーか金属か、などの種類があります。

例えば1つ穴で、穴が大きいと、お湯の落ちる量が多いからあっさり、苦味が少ない味に。苦味が好きな人は、穴が小さいものを選ぶ方がいいですね」

1つ穴をのぞいてみた……

「最近は、高品質なスペシャリティコーヒーが流通するようになって、フルーティな香りを生かしたいから『1つ穴のでかいやつっしょ!』て流行があったりもしますね……」

「また、コク深い味が好きならゆっくり抽出する台形、スッキリ味ならスピーディな円すい型。

ペーパーと金属については、例えるなら、ペーパーフィルターはCD=雑味がなく聴きやすい(飲みやすい)。

金属フィルターはライブ=客席のざわつきや、予想外のことも含めて楽しむ」

ドリッパーを買うときに、これだけは気をつけることは?

「ズバリ『大きさ』ですね。

いつもは1人でコーヒーを淹れるけど、なにかのときのために4人用を買っとこう、というのはあまりよくないです。

大きいと、少ない量を淹れるのが難しく、調整がしづらいんですね」

「大きいサイズは、大家族でコーヒーを飲む、かなりたっぷり飲む場合のみ。

『大は小を兼ねない』んです!」

「コーヒーライフが楽しくなるドリッパーを選んでくださいね!」

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Photographed by Yutaro Yamaguchi、一部Amazon

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武蔵野美術大学卒。大学では映像、前職では建築にたずさわりました。建築や街を見ること、食べること、舞台や映画を観ること…などが好きです。最近の興味は、二拠点居住と短歌。