きれい好きな日本人の家屋に最適……拭き掃除の強い味方iRobot「ブラーバ」

アイロボットの“床拭き専用”自動ロボット掃除機「Braava(ブラーバー)380j」が7月4日から国内展開される。日本総代理店のセールス・オンデマンドが新製品発表会を開催した。販売はオンラインチャンネルのアイロボットストアで取り扱われ、価格は35,640円。記者発表会にはセールス・オンデマンドから代表取締役社長の室崎肇氏(※)が登壇し、本製品の日本市場投入までの背景を語った。ブラーバの出自は米エボリューション・ロボティクス社の「Mint」シリーズという床拭き掃除ロボット。アイロボット社が2010年に同社を買収して以降、Mintに独自の改良を加えて誕生した製品がBraavaだ。米国では昨年8月から販売がスタートしている「Braava 380t」の日本モデルが本機「Braava 380j」。ローカライズされた主な点はバッテリーの仕様変更と、本体カラーが海外モデルのブラックからホワイトになった。本機の日本市場投入を決定した背景について、室崎氏はこう語る。「欧米ではフローリングやタイルなどハードフロアの住まいが多いが、昨今は日本でも増えてきている。新築の7割がフローリングという調査結果もある。加えて、欧米人よりも日本人の方がきれい好き。床の上も靴ではなく素足で歩くので、床をもっときれいに保ちたいというニーズは高いはずと考えた。別の調査では、日本のご家庭の6割超が1週間に1度は水拭きをすると回答している。意識調査の結果をみても、水拭きをする前は面倒だが、やった後には満足感が得られるという声が多い。だから、面倒な水拭きの手間を軽減できるブラーバが、人々の暮らしを豊かにするために貢献できると考えた。ぜんそくのご家族をお持ちの家庭でもお役に立てるだろう」室崎氏はブラーバの特徴となるポイントとして「床がよりきれいになる」ことと、それが「ボタンをひとつ押すだけ」で実現できる手軽さとして強調。今後の展開に向けて「iRobotのルンバはお掃除ロボットという新しい製品カテゴリーを開拓してきた。人に代わって自動で水拭きをするという製品カテゴリーもまた未知のもの。Braavaのある暮らしは“素足で過ごしたくなる毎日”になる。日本の皆様にはきっと必要なものとして支持をいただける製品になるだろう」と期待を込めて語った。製品の概要については、同社取締役の池田明広氏が説明を行った。はじめに池田氏は「ブラーバは床拭き専用のロボット掃除機なので、ルンバとは全くコンセプトが異なる製品」であることを強調した。実際、ブラーバには床に落ちているホコリや塵を“吸引”する機能は搭載されておらず、水拭き、またはから拭きで床面の皮脂よごれや食べこぼしの跡などを拭き掃除によって清掃することに特化しているロボットだ。使用できる床材はフローリング、タイル、クッションフロアとなり、畳やカーペットの部屋には対応していない。ブラーバの仕組みは本体裏側に脱着式のクリーニングパッドと呼ばれる布を装着してから、二つのタイヤで自走しながら床を拭いていくというもの。掃除方法は水拭きの「ウェットモード」と、から拭きの「ドライモード」の2つから選べ、それぞれ本体に付属する専用のマイクロファイバー製クロスを用途に合わせて装着する。モードの選択は本体天面のボタンを押すだけ。水拭き時には本体がモップ掛けをするように前後に細かく動きながら床を掃除していく。タンクに水を入れて、ウェット専用のクリーニングパッドをマジックテープで取り付ける。パッドの中央には水分が染み出てくる穴が設けられていて、タンクに水がある限り、クロスを常に濡らしながら水拭きができるようになっている。ウェットモード時の最大稼働面積は約20畳。から拭き時にはドライ専用のクリーニングパッドを取り付ける。ドライモードでは本体が直線的に動いて広い床面積をカバーしながら拭き掃除を行う。最大稼働面積は約56畳。から拭き時の掃除時間の目安は、約8畳の家具などが置かれていない部屋で1分間程度。なおクリーニングパッドはウェットのものと仕様が異なっており、取り付けるパーツの背面ゴムの切れ込みに装着するだけなので、市販の使い捨て“お掃除シート”が流用できる。なお、どちらのパッドも使用後に手洗いして再利用が可能。オプションとして交換用のパッドも販売される予定で、価格は3枚組/1800円前後になる見込み。ブラーバのユニークな機能である「NorthStar(ノーススター)ナビゲーションシステム」は、ブラーバによる拭き掃除をより高精度に行うためのもの。本体に付属する「NorthStarキューブ」を部屋の任意の場所に置いた後、キューブが天井に赤外線を照射して、その赤外線のポイントをブラーバ本体のセンサーで感知しながら、正確な位置情報を把握。部屋の形状や家具の配置などを記憶しながら、部屋の床全体を無駄なく拭き漏らしのないように掃除ができる。1台のキューブでカバーできる部屋の広さは約56畳。天井の高い吹き抜けの玄関ホールなどでは上手く動作しない場合もある。キューブもオプションとして別売される予定で、1台のブラーバに対して2台のキューブをペアリングして、最大112畳の空間をマッピングしながら本機で掃除ができる。ブラーバ本体は約3mmを超える高さの段差は乗り越えないため、ラグマットに乗り上げてしまうことはない。前面にはゴム製のバンパーを装着しているので、家具や壁にぶつかったときに傷を付けることなく走行できる。さらに落下防止センサーもついているので、玄関など段差のある場所でも心配なく使える。本体サイズは244W×79H×216Dmm。ベッドの下にも入り込みながら拭き掃除を行う。本体にはキャリングハンドルも設けられており、質量が約1.8kgと軽量なので持ち運びも簡単にできる。本体には約2,000mAhの充電池を内蔵。約4時間でフル充電。急速充電スタンド使用時は約2時間で充電が完了する。自動充電には非対応。ウェットモードでは約2.5時間、ドライモードでは約4時間の連続駆動時間を実現している。使用電気代は約1時間で0.5円のエコ設計。ブラーバのデザインについて池田氏は「B5版よりも少し大きい四角形は床拭きにベストな形状。直線的に動作して部屋をくまなく拭くためには一番効率的」としながら、ホコリのたまりやすい壁際やコーナーにも沿いながら清掃できるメリットを示す。記者会見ではブラーバーが拭き掃除をどのように「完了した」と判断するのかという質問が寄せられた。池田氏は「iRobotのルンバには自動充電用のホームベース機能があるが、ブラーバには自動充電機能そのものがないので、掃除を始めるために動き出した場所に戻ってくるようにプログラムされている。パッドがどれくらいのヨゴレを吸着したかを判断するセンサーなどもないので、ある程度部屋を回って隈なく掃除ができたと判断できれば、掃除を終えてスタートポイントに戻る」と説明を加えた。販売方法については当初はアイロボットストアで限定的に取り扱われるが、室崎氏は「今後もユーザーの反響をみながら、量販店での展開などパートナー様と協議して拡大していきたい」と意欲を示した。※「崎」の字は、正しくは旁の上が「立」

きれい好きな日本人の家屋に最適……拭き掃除の強い味方iRobot「ブラーバ」