トヨタ、LINEの「Clova」アプリやオンキヨーの「AI スマートオートモーティブ」をSDL対応車載機でデモ

SDLは、元々はフォードが開発してきた「AppLink」がベースになっている。このAppLinkを発展させ、トヨタなどほかの自動車メーカーも合流して作られた標準の規格がSDLということになる。AppLinkというフォードのブランドを採用すると、ほかの自動車メーカーは使用できないため、SDLという名前が作られ、それが採用されることになった。

トヨタ、LINEの「Clova」アプリやオンキヨーの「AI スマートオートモーティブ」をSDL対応車載機でデモ

ただし、自動車メーカーはSDLの規格に基づいたサービスであっても、SDLと呼ぶ必要はない。フォードはSDLに準拠したサービスをAppLinkというブランド名で呼称するし、ほかのメーカーも実際にサービスインする時にはやはり自社のブランド名を付けることになる。つまり、マーケティングや製品化は各々が行なうが、規格として仕様は統一しようというのがSDLの取り組みになる。

SDLの仕組み

このSDLでは、車載情報システムとスマートデバイス(スマホやタブレット)がやりとりするプロトコル、さらにはスマートデバイスの回線を経由してクラウドにあるSDLのサービス用のサーバーとやりとりをするプロトコルが規定されている。これにより、アプリケーションがSDLに対応してさえいれば、OSはAndroidであろうが、iOSであろうが、なんであろうが利用することができるという、OSの仕様から独立していることが大きな特徴となる。

また、車両側のリモコンを利用した操作のプロトコルなども規定されているので、例えば、車両側のハンドルについている「音声認識」のボタンを押すことで、SDLに対応した音声認識のソフトウェアで音声による検索が利用できるようになる。また、車載情報システムのタッチパネルのどこが押されたのかをアプリとやりとりすることも規定されているため、車載情報システムのディスプレイを利用してスマホのアプリを操作することが可能になる(ただし、そのアプリはSDLに対応している必要がある)。

同じような仕組みとして、Appleの「CarPlay」、Googleの「Android Auto」などの規格があり、実際に車載情報システムの中にはCarPlayやAndroid Autoに対応しているものも増えてきている。それらとSDLの違いは、CarPlayにせよAndroid Autoにせよ、AppleやGoogleが車載側の仕様を決めてしまっているため、自動車メーカーが自由に機能を追加したりできないのに対して、SDLでは自動車メーカー側で機能を追加することができる。例えば、リモコンの使い方などはその最たる例で、CarPlayからSiriで検索する際に、ハンドルにある音声認識のボタンを利用してできないなどの制限を解消することが可能になる。