Nvidiaらの研究者がAIを使った写真のノイズ除去に成功、医療現場などでの活用に期待
Nvidia、MIT、アールト大学の研究者たちは人工知能を用いて、写真のノイズの除去に取り組んでいる。チームはImageNetデータベース上の5万枚の画像を使って写真の再構成のためのAIシステムのトレーニングを実施し、ノイズなしの画像を見たことがなかったにも関わらず、システムは画像からノイズと取り除くことに成功した。
Noise2Noiseと名付けられたAIシステムは、深層学習を用いてつくられ、ImageNetデータベースの5万枚の画像から知能を引き出す。画像はどれでもきれいで、高画質、ノイズのないものだったが、ランダムなノイズを追加された。コンピュータが生成した画像やMRIスキャンもNoise2Noiseのトレーニングに使われた。
ノイズ除去、ノイズ修正の手法は長年あったものの、深層学習を活用した手法が注目を集めるようになったのはここ最近のことだ。
ノイズは、光量が低い中で撮られた写真上では灰色の雪のように見えることがあり、医療画像、コンピュータ生成画像、宇宙の画像でも見られる。デジタルカメラの画像も、光量が足りなかったり、ズームを使って撮影されたものにはよくノイズが含まれている。
Noise2Noiseをノイズのみでトレーニングすることで、研究者たちは暗い中で撮影する天体写真やMRI、脳スキャンなどノイズ量の多いことで知られる画像でもこの手法が使えるようになることを期待している。
IXIデータセットの中の人体の50箇所の5000枚近い画像が、Noise2NoiseのMRIインテリジェンスのトレーニングに使用された。人工ノイズのないオリジナル画像よりもさらに少しぼけた状態に見えたものが使われたが、鮮明さを復活させることができたようだ。
Nvidiaの研究者 Jacob Munkberg氏は、VentureBeatからの電話取材で次のようにコメントしている。
「これは、私たちが公開されているMRIデータベースを使ってトレーニングしてきたコンセプトが実証されたということです。将来のどこかの段階で現場でも適用することができるかもしれません」
この研究結果は、今週スウェーデンのストックホルムで開催される International Conference on Machine Learningで発表される予定だ。
【via VentureBeat】 @VentureBeat【原文】
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