日産、「ノート」一部改良で燃費37.2km/Lの「e-POWER」追加
日産自動車は11月2日、コンパクト5ドアハッチバック車「ノート」の一部改良を実施。内外装のデザインを一新したほか、新パワートレーン「e-POWER」の搭載車をラインアップに追加して発売した。価格は139万3200円~224万4240円。
グレード | エンジン | 変速機 | 駆動方式 | 価格 |
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S | 直列3気筒DOHC 1.2リッター | CVT | 2WD(FF) | 1,393,200円 |
X | 1,495,800円 | |||
MEDALIST X | 1,627,560円 | |||
X DIG-S | 直列3気筒DOHC 1.2リッター直噴スーパーチャージャー | 1,738,800円 | ||
MEDALIST | 1,985,040円 | |||
X FOUR | 直列3気筒DOHC 1.2リッター | 4WD | 1,711,800円 | |
X FOUR スマートセーフティエディション | 1,827,360円 | |||
MEDALIST X FOUR | 1,843,560円 | |||
MEDALIST X FOUR スマートセーフティエディション | 1,929,960円 | |||
e-POWER S | 直列3気筒DOHC 1.2リッター+EM57モーター | ― | 2WD(FF) | 1,772,280円 |
e-POWER X | 1,959,120円 | |||
e-POWER MEDALIST | 2,244,240円 |
新しいノートでは、外観に日産の新世代デザインランゲージ「エモーショナル ジオメトリー」を導入。フロントマスクでは現在の統一デザインとなっている「Vモーショングリル」を採用し、フロントバンパー下側はエッジを効かせたシャープな造型に変更。ヘッドライト内にはLEDランプを使った「ブーメランランプシグネチャー」を配してVモーショングリルに広がりや躍動感を与えている。リアコンビネーションランプにもブーメランランプシグネチャーの特徴的な発光パターンが用いられ、フロント側と共通性を持たせたウイング形状のリアバンパーによってスポーティテイストを強調している。
内装では下側をフラットにした新形状のD型3本スポークステアリングを全車で採用。MEDALISTモデルにはアイボリー&ブラウンの合皮シートなどを備える「プレミアムホワイトインテリア」をオプション設定し、ほかにもブラウン系の色調で合わせたダークコーディネーション仕様を用意するなど、洗練された車内空間を演出している。
このほか、ボディカラーにはe-POWER専用となる「プレミアムコロナオレンジ」をはじめ、「ギャラクシーゴールド」「オリーブグリーン」「ガーネットレッド」「ソリッドホワイト」の新色5色を用意し、全13色のワイドバリエーションとしている。
新色の「ギャラクシーゴールド」新色の「オリーブグリーン」新色の「ガーネットレッド」新色の「ソリッドホワイト」「スーパーブラック」「ダークメタルグレー」「ブリリアントシルバー」「シャイニングブルー」「ソニックブルー」「ナデシコピンク」「インペリアルアンバー」「ブリリアントホワイトパール」ノート e-POWERのインテリアメーカーオプションの「プレミアムホワイトインテリア」のシート表皮MEDALISTのシート表皮Xのシート表皮Sのシート表皮ノート e-POWERの走行イメージノート e-POWERではほかのハイブリッドカーのようにモーター走行だけに限定する「EVモード」などは用意されず、走行状況や効率などを車両が判断してエンジンの作動が制御される新たに開発されたパワートレーンであるe-POWERは、SやXなどに搭載されている自然給気仕様のHR12DEエンジンを発電専用に搭載。これに減速機と発電機を組み合わせて発電を行ない、EV(電気自動車)である「リーフ」の開発で培われた「e-パワートレーン」のインバーターとモーターを流用して前輪を駆動する。このパワートレーンはエンジンルーム内に収められ、駆動用の高電圧リチウムイオンバッテリーはフロントシート下に配置するレイアウトを採用することで、通常のガソリンエンジンモデルから大きな変更なく新パワートレーンの搭載を可能とした。
駆動と回生発電を行なう「EM57」モーターは、リーフ同様に最高出力80kW(109PS)/3008-10000rpm、最大トルク254Nm(25.9kgm)/0-3008rpmを発生。スーパーチャージャーを備える1.2リッターエンジンの「HR12DDR」(98PS/142Nm)を100Nm以上上まわる“2.0リッターターボエンジン車に匹敵する”という最大トルクで軽快な発進加速を手に入れているほか、発進時にはエンジンを始動させずバッテリーに蓄えた電力だけで走り出し、速度が高まってロードノイズなどにエンジン音が紛れる状態になってからエンジンを作動させるといったセッティングを実施。合わせてe-POWER搭載車はボディの前後で遮音対策を徹底して、エンジン音やロードノイズが侵入しにくい構造にしているほか、e-POWER MEDALISTではボディ側面にも遮音対策を実施。これらによってキャビンの静かさを向上させ、快適な室内空間を演出している。
e-POWER搭載車のJC08モード燃費は、最も車重が軽いe-POWER S(1170kg)が37.2km/L、そのほかのe-POWER X(1210kg)とe-POWER MEDALIST(1220kg)は34.0km/Lとなる。なお、既存のガソリンエンジンモデルについては18.2km/L~26.2km/LといったJC08モード燃費はこれまでと変わらず、数値に表われない点でのブラッシュアップは行なわれているとのことながら、発生する最高出力や最大トルクなども変化なしとなっている。
「リーフ」と同じパワートレーンを採用しつつ、リーフより200kg以上軽いボディとの組み合わせで軽快な加速性能を実現リアハッチにe-POWERの専用バッヂを装着グレード | e-POWER S | MEDALIST | X FOUR |
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全長×全幅×全高[mm] | 4100×1695×1520 | 4100×1695×1525 | 4100×1695×1535 |
ホイールベース[mm] | 2600 | ||
前後トレッド[mm] | 1480/1485 | ||
最低地上高[mm] | 130 | 150 | 155 |
室内長×室内幅×室内高[mm] | 2065×1390×1255 | ||
パワートレーン | 直列3気筒DOHC 1.2リッター+「EM57」 | 直列3気筒DOHC 1.2リッター直噴スーパーチャージャー | 直列3気筒DOHC 1.2リッター |
トランスミッション | ― | CVT | |
駆動方式 | 2WD(FF) | 4WD | |
JC08モード燃費[km/L] | 37.2 | 26.2 | 18.2 |
定員[名] | 5 | ||
重量[kg] | 1170 | 1090 | 1110 |
ステアリング形式 | ラック&ピニオン | ||
前/後サスペンション | 独立懸架ストラット式/トーションビーム式 | ||
主ブレーキ形式 | ベンチレーテッドディスク/リーディングトレーリング | ||
タイヤ | 185/65 R15 88S | 185/65 R15 88S | 185/70 R14 88S |
また、e-POWER搭載車ではシフトモードにリーフと同じDレンジとBレンジを設定するほか、ボタン操作でドライブモードを「ノーマル」「S」「ECO」の3種類から選べる「e-POWER Drive」を用意。通常走行用となる「ノーマル」+Dレンジでは力強い加速とガソリン車同等のアクセルOFF時のブレーキ、「ノーマル」+BレンジではアクセルOFF時のブレーキがやや強く作動し、「S」「ECO」のドライブモードはDレンジのみとの組み合わせとなってアクセルOFF時のブレーキが強く作動。「S」ではより力強い加速となり、「ECO」では燃費を重視した緩やかな加速になる。
これに加え、e-POWER搭載車は減速時の回生発電を停車寸前まで行なうほか、アクセルペダルの操作スピードを検知して、ゆっくりとペダルを戻したときは普通に減速、すばやくペダルを戻したときは強めに減速を行なうセッティングとして、ペダルを踏み換えずにアクセル操作だけで自在に加減速を操れるワンペダル走行の運転感覚を実現している。
ドライブモード | シフトレンジ | 加速 | アクセルOFF時の減速 |
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ノーマル | D | 力強い | ガソリン車同等 |
ノーマル | B | 力強い | やや強い |
S | D | より力強い | 強い |
ECO | D | 緩やかな加速 | 強い |
先進装備では、「インテリジェントエマージェンシーブレーキ」「LDW(車線逸脱警報)」「踏み間違い衝突防止アシスト」をe-POWER S以外のグレードに標準装備。「インテリジェントアラウンドビューモニター(MOD機能付き)」とインテリジェントアラウンドビューモニターも表示できる「スマート・ルームミラー」を一部のグレードにセットオプション設定している。
e-POWER搭載車の専用メーターパネル新たにオプション設定されることになった「スマート・ルームミラー」には、「インテリジェントアラウンドビューモニター(MOD機能付き)」の映像も表示可能