【ナビレビュー】音楽ストリーミングが加わった「サイバーナビ AVIC-VH0999S」

2015年モデルの目玉となるのが「ミュージッククルーズチャンネル(MCC)」だ。これは「着うた」などの音楽配信を手がける「レコチョク」との協業により実現した音楽ストリーミング機能で、130万曲以上の楽曲をBluetooth接続したスマートフォン(&専用アプリ)を介して楽しめるもの。

カロッツェリアのナビにはもともとHDDに音楽を録音して楽しめる「ミュージックサーバー」が搭載されているけれど、音楽CDなりデータなりを持っていることが前提になる。要は手持ちの音楽を車内で楽しむ機能なワケだ。一方、MCCは「ヒッツ」や「特選アーティスト」といったチャンネルを選ぶことで、ラインアップされた曲を聞くことができる。チャンネル数は約50種類用意されており、一定期間で更新。さらに各チャンネルは約30曲で構成されるため、新曲はもちろん、今まで聞いたことがなかったジャンルやアーティストの曲に出会うことができるワケだ。また、パイオニア独自の楽曲解析技術により、配信されるすべての楽曲の「ジャンル」「テンポ」「時間帯」「気持ち」などによってレコメンドチャンネルを自動生成。選んだレコメンドチャンネルに合わせて選曲してくれる機能も用意されている。

【ナビレビュー】音楽ストリーミングが加わった「サイバーナビ AVIC-VH0999S」

この機能を使うためには、まずスマホ(Android/iPhone)に対応アプリ「ミュージッククルーズチャンネル」をインストールしておくことが必要。次にBluetooth接続を確立させる。ここまでやっておけば、あとは「AVメニュー」にある「MCC」アイコンをタッチするだけで、アプリが自動的に起動して使えるようになる。このあたりは“専用”ならではのお手軽さだ。128kbit AACデータによるストリーミングってことで音質が気になるところだけれど、走行している車内で聞くには十分と思える音質だ。

それに、街中やTVなどの媒体で音楽に触れる機会が少なくなっている現状もあって、聞いたことのない曲をたくさん聴くことができるのは新鮮な感じ。前述したように1つのチャンネルには約30曲が入っていて、キャッチーな曲が混ざっていると何気に覚えていて、2回目に耳にしてチャンネルがひとまわりしたのに気づいたりする。2時間程度は掛かっているはずなのに、新鮮さもあってか意外と短く感じられてしまう。また、データは3曲分ほどスマホ内にキャッシュされるため、トンネル内で通信が途切れたりしても安心だ。実際、テスト中もずっと流しっぱなしにしていたけれど、曲が途切れてしまうことはなかった。

MCCはレコチョクの「replay」というサービスを利用しており、年額3000円(税別)が必要となる。しかし、サイバーナビには1年間の使用権が付いているため、その期間は無料で利用できるのが嬉しい。もう1つコストが発生する要因となるのがスマホのデータ通信。データ量は10時間で0.8GB〜1.1GB程度とのことで、ヘビーに使うなら定額プランに加入しておくのが必須となる。

と、運用には若干のコストが必要にはなるものの、ボーカルをキャンセルする機能に加え、スマホやリアモニター(オプション)に歌詞を表示する機能を用意。カラオケが楽しめるなんてプラスアルファ的な要素も持っている。あらかじめ音楽CDなどを用意しておく必要もないので、帰省のような旅行で長時間ドライブするときに強い味方になってくれそうだ。