写真で見る マツダ「CX-5」(2021年商品改良)

新世代商品群のトップバッターとして「SKYACTIV」技術がフルに投入され誕生したマツダ「CX-5」。現行の2代目モデルは2016年に発表された後、数度にわたる商品改良で着実な進化を遂げてきた。今回の商品改良ではこれまでとは異なるアウトドアテイストを採り入れたモデルを筆頭に、より細分化したユーザーニーズをキャッチアップするべく特別仕様車が追加投入された。発売は12月上旬が予定されている。

ミドルサイズのクロスオーバーSUVとなるCX-5は2012年にデビュー。現行モデルとなる2代目が2016年に発表されると、着実に販売台数を伸ばし全世界で累計300万台を達成、2020年には同社のグローバル販売台数において約29%を占める基幹車種に成長した。同社ではモデルチェンジを待つことなく商品改良により最新技術を投入しており、2018年には車両の挙動を制御する独自技術「GVC(G-ベクタリング コントロール)」、2020年には4 WD車に「オフロード・トラクション・アシスト」を投入するなど、熟成とパフォーマンスアップが図られてきた。

今回の商品改良は最新の“魂動デザイン”を採り入れてフロントまわりを中心に手が加えられたほか、ダイナミクス性能の進化やパッケージング、安全性能にまで及ぶ大がかりなモノとなった。

写真で見る マツダ「CX-5」(2021年商品改良)

外観で大きく変わったのはフロントまわり。グリルをメッシュ状から立体的なピースを組み合わせた形状とすることで奥行き感を強調。同時にヘッドライトとそれを結ぶシグネチャーウイングと、バンパー部のロアグリルの開口部形状を変更。よりワイドなイメージを強め、安定感のあるフォルムとしている。ヘッドライトとテールランプはともに横長の楕円が並ぶデザインとすることで、これまでとはまったく印象が異なる表情を作り上げた。同時にヘッドライトは機能を向上。ハイビーム時に自動で照射範囲を制御する「アダプティブ・LED・ヘッドライト(ALH)」は、個別に点灯・消灯させるLEDを従来の12分割から20分割へと細分化することで対象物の視認性を向上。車速やステアリング角度に応じてハイビーム配光を変化させる機能も内蔵している。

パワートレーンはガソリンエンジンが直列4気筒2.0リッターと2.5リッターの2タイプ。どちらも自然吸気となり、2.5リッターターボエンジンモデルは消滅。スペックは順に最高出力115kW(156PS)/6000rpm、最大トルク199Nm(20.3kgfm)/4000rpm、最高出力140kW(190PS)/6000rpm、最大トルク252Nm(25.7kgfm)/4000rpm。ディーゼルエンジンは従来通り直列4気筒2.2リッターターボで、最高出力147kW(200PS)/4000rpm、最大トルク450Nm(45.9kgfm)/2000rpmとなる。

ダイナミクス面では車両構造技術「SKYACTIV-VEHICLE ARCHITECTURE」の考え方を採用。車体フレームに減衰構造を採用したほか、シート形状を見直すとともに車体とシートフレーム取り付け剛性を強化、さらにスプリング&ダンパー特性の見直しなどにより、乗り心地や快適性を高めるとともに上質感を向上させている。

そのほか、荷室まわりではフロアボードを前後に2分割し、さらに高さを2段設定可能とすることで使い勝手を向上。また、パワーリフトゲートはパンパー下部に足を差し入れることで開閉可能なハンズフリー機能が追加されている。

グレードはガソリンエンジン車が「20S Proactive」「25S L Package」、ディーゼルエンジン車が「XD Proactive」「XD L Package」の4タイプ。特別仕様車として継続販売となる「Smart Edition」「Black Tone Edition」を用意するとともに、「Field Journey(フィールドジャーニー)」「Sports Appearance(スポーツアピアランス)」「Exclusive Mode(エクスクルーシブモード)」が設定される。価格は267万8500円~407万5500円。