初代トリコロールカラーに感涙!ホンダが新型「CBR1000RR-Rファイヤーブレード」の30周年記念車ほか新型4モデル発表
■イタリア・ミラノショーの出展概要を発表
ホンダは、11月23日、イタリア・ミラノで開催されるEICMA2021(ミラノショー プレスデー:11月23日〜24日、一般公開:11月25日〜28日)に出展するヨーロッパ向け2022年モデルの2輪車ラインアップを発表しました。
その中には、スーパースポーツ「CBR1000RR-Rファイヤーブレード」の2022年新型に、シリーズ30周年を記念した特別仕様も存在。初代モデルで採用されたトリコロールカラーを彷彿とさせるカラーは、当時を知るファンには感涙ものの仕上がりです。
ほかにも、ショーでは、新型スクーターの「ADV350」やツアラーモデルの「NT1100」など、注目モデルが目白押し。早速、その概要を紹介しましょう。
ホンダが誇るスーパースポーツ「CBR1000RR-Rファイヤーブレード/SP」。
2020年のフルモデルチェンジにより登場した現行モデルは、世界最高峰2輪レースMotoGP参戦のノウハウを注入し、218psものパワーを発揮する999cc・直列4気筒エンジンを搭載。
サイドカウルにはMotoGPマシンを彷彿とさせる左右3枚ずつのウイングを採用するなどで、高い動力性能と優れたコーナリング特性が魅力のモデルです。
ラインアップには、ブレーキにニッシン製4ポットキャリーパーなどを採用したスタンダード仕様と、オーリンズ製サスペンションなどを装備した上級グレードのSPがあります。
元々このモデルの初代モデルは「CBR900RRファイヤーブレード」の名称で1992年に登場しました。エンジンの排気量が893ccで、最高出力も124ps。当時の同クラスマシンと比べるとさほどハイパワーではありませんでしたが、乾燥重量185kgというクラス最軽量の車体とのマッチングで、ライバル車にはない俊敏な走りが魅力でした。
ちなみに、当時のファイヤーブレードは欧州や北米など海外専用モデル。国内では逆輸入車しか手に入りませんでした。そのため、モデル初期は日本で見る機会はあまりなかったのですが、1996年に大型二輪免許が教習所でも取得できるようになったこともあり、国内で逆輸入車ブームが起き、一気に注目車種のひとつとなります。
実際に、筆者も排気量を918ccにし最高出力を130psにアップ、車体の軽量化で乾燥重量を180kgにした1998年型を10年間ほど所有していました。その俊敏な走りは快感のひとこと。高速道路などでアクセルをワイドオープンにすると、16インチのフロントタイヤがス〜と浮いていく感じがたまりませんでした。
今回のミラノショーで登場する「CBR1000RR-RファイヤーブレードSP30thアニバーサリー」は、そんなロングセラーのファイヤーブレード・シリーズ初代モデルに採用されたトリコロールカラーをイメージさせるグラフィックを身に纏った特別仕様です。
白×赤×青のトリコロールは、その昔ホンダのレーシングマシンによく採用されていたカラーであることもあり、当時を知るファンには懐かしさだけでなく、高揚感すら覚えるでしょう。
なお、2022年モデルのCBR1000RR-Rファイヤーブレードは、エンジンの中速域の出力特性を変更するなど、より熟成が進んでいます。さらに、上級モデルのSPでは、クラッチレバーを操作しなくてもシフトチェンジができるクイックシフターの制御を最適化するなど、若干のアップデートが行われています。
「ADV350」は、ホンダが新たに欧州などのミッドサイズ・スクーター市場へ投入する新型モデルです。アドベンチャーモデルのスタイルとシティースクーターの洗練さを高次元で融合したフォルムは、750ccスクーターの「X-ADV」と同様。
エンジンには、330cc・DOHC4バルブの低燃費「eSP+」を搭載し、後輪への駆動力レベルを選択できる「Hondaセレクタブル・トルク・コントロール(HSTC)」を標準装備します。
また、シート下トランクは、フルフェイス・ヘルメットを2個収納可能で、グローブボックス内にはUSBソケットも装備。キーをポケットなどに携帯していればイグニッションのオン・オフやハンドルロックも可能な「Hondaスマートキーシステム」などで、高い実用性も誇ります。
さらに、スクリーンの高さは調整可能で、LCDメーターには「Hondaスマートフォン・ボイス・コントロールシステム(HSVCS)」も搭載。スマホとバイクをブルートゥースで連携させれば、ハンドルスイッチやブルートゥース接続されたヘッドセットを通じたライダーの音声などで、スマートフォンのマップや音楽アプリなどの操作も可能となります。
「NT1100」は、軽快なスポーツモデルと快適なツアラーモデルの融合を図った、新しいタイプのオンロードツアラーです。
エンジンには、最高出力74kW(100.6ps)/最大トルク104Nm(10.6kgf-m)を発揮する、水冷4ストロークOHC(ユニカム)4バルブ直列2気筒を採用。スチール製セミダブルクレードルフレームに搭載し、シャープな操縦性を実現します。
サスペンションには、フロントがショーワ製の倒立式フロントフォーク、リヤにはシングルリアショックを採用。後輪スリップ制御とウイリー挙動緩和制御を装備した「Hondaセレクタブル・トルク・コントロール(HSTC)」など先進電子制御システムなどとのマッチングで、心地よくスポーティな走りを実現します。
さらに、快適装備も充実。5段階の高さ調整が可能なウインドスクリーン、ライダー前方の左右上下のウィンドディフレクターなどの採用で、ライダーへの走行風をやわらげてくれるなど、ツーリングなどを考慮した装備も注目です。
ほかにも、表示のカスタマイズが可能な6.5インチのタッチパネル式TFTフルカラー液晶メーターを採用。Appleカープレイ/Androidオートにも対応し、スマートフォンとの連携が可能です。
Hornet(ホーネット)は、元々ホンダ製ネイキッドモデルのシリーズ名。1996年登場の250ccモデルを筆頭に、600ccや900ccのモデルも作られ、海外でも人気を博していましたが、現在はラインアップから消えています。
「The Hornet(ザ・ホーネット)」は、その名称を復活させたコンセプトモデル。詳細はまだ明らかになっていませんが、ホンダによれば「力強く、コンパクトで扱いやすいパフォーマンスに加え、卓越した操作性と最先端のストリートファイタースタイル」だといいます。
今回のミラノショーでは、ホンダブース内で、プロジェクションマッピングを駆使して3次元の映像と音声で、ホーネットの歴史と将来へのプレビューを展開するそうです。
なお、今回紹介したモデルのうち、新型のCBR1000RR-Rファイヤーブレード/SPとCBR1000RR-RファイヤーブレードSP30thアニバーサリー、NT110は国内販売も予定されているとのこと。登場が待ち遠しいですね。
(文:平塚直樹)