ダイハツ・タフトGターボ(FF/CVT)【試乗記】 遅れてきた挑戦者

2020年6月10日の発売から1カ月で、月販目標(4000台)の4.5倍となる約1万8000台を受注し、好調な立ち上がりを見せたダイハツ・タフト。“軽のクロスオーバーSUV”といえばこれまでは「スズキ・ハスラー」の独壇場。今年(2020年)1~6月の販売台数は3万7413台(月平均6166台)と軽乗用車で7位の実績を上げているが、少なくとも初期受注の段階では、タフトも大いに健闘しているわけだ。

ダイハツ・タフトGターボ(FF/CVT)【試乗記】 遅れてきた挑戦者

2014年発売の初代ハスラーへの対抗馬として翌年に発売された「ダイハツ・キャスト アクティバ」は、「トールワゴンである『キャスト』シリーズの中のいちモデル」ということでキャラクターが分かりづらかったのか、あまり人気が出ないまま2020年3月に生産終了。タフトに後を任せることになった。タフトという車名は1974~1984年に存在した本格オフローダー(登録車)でも用いられていたので(後継は「ラガー/ロッキー」)、今回の2代目タフトも「もしかしたら『スズキ・ジムニー』のようなマニアックなクロカンなのか!?」と淡い期待もしていたが、フタをあけてみればはっきりとした“ハスラー対抗”。SUVらしい最低地上高やアプローチアングル/デパーチャーアングル、グリップサポート制御などによって、それなりの悪路走破性は備えているものの、あくまで普段使いを重視したクロスオーバーSUVだ。

全長と全幅が軽自動車の規格上限なのはあたりまえだが、全高は1630mmでハスラーよりも50mmほど低くなっている。これによって、サイドから見たときにショルダーライン下のボディーに対し、上のガラスエリアのボリュームが小さく、“分厚いボディーと薄いキャビン”となってスタイリッシュさが強調されている。スクエアフォルムながら丸目2灯のヘッドランプや各部を丸めた処理などで愛嬌(あいきょう)を感じさせるハスラーに対し、ブロックを積み重ねたようにカクカクとしていてなんだか男前。タフトはSUVらしいタフさや頼もしさを、徹底して貫いているのだ。

スクエアなスタイリングが特徴の軽クロスオーバー「ダイハツ・タフト」。2019年の東京モーターショーでコンセプトモデルがお披露目されてから、わずか7カ月での市販モデル登場となった。
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オレンジのアクセントが目を引くインストゥルメントパネルまわりには、外観と同じく各所にカクカクとした意匠を採用。空調やシートヒーター、充電ソケット類はセンターコンソールにまとめられており、非常に分かりやすい。
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カモフラージュ柄のファブリック表皮が特徴的なシート。前席はセパレート式で、センターアームレストには収納ボックスが備わる。
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後席は分割可倒式。荷室側壁と連続性を持たせたドアインナーパネルの意匠や、「スライド機構はナシ」という思い切った設計などが特徴だ。
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