BMW X1 xDrive25i xライン(4WD/8AT)【試乗記】 セグメントきっての優等生

「2」を名乗るハイトワゴン/ミニバンの「アクティブツアラー/グランツアラー」に続いて、コンパクトSUVの新型X1も、エンジンの横置き化と前輪駆動化が実施された。となると、次の「1シリーズ」もFF!? と考えるのが自然だが、それはまだ分からない。1シリーズだけは次期モデルも後輪駆動を守る……という説も一部にはある。

BMW X1 xDrive25i xライン(4WD/8AT)【試乗記】 セグメントきっての優等生

それはともかく、先代X1はCセグメントベースのクロスオーバー/SUVとしては世界的にも希少な縦置きエンジンの後輪駆動レイアウトであることが、大きな売りだった。同等クラスだと「スズキ・エスクード2.4」も縦置きエンジン車だが、即座に思いつくのはそれくらい。BMWが属する高級ブランド系ではX1だけといってよかった。

先代X1独自の売りはほかにもあった。例えば車体サイズ。正確にいうと際立つ低さだった。先代の全高は1.55m前後と、普通のステーションワゴンに毛が生えた程度の背丈しかなく、日本特有の立体駐車場にも対応していた。乗り味はほとんどワゴンなみの低重心感だったが、ワゴンよりはちょっとだけ見晴らしがよく、着座姿勢もより健康的、そして室内も少し広かった。しかも、先代X1は基本骨格がほぼ「3シリーズ ツーリング」なのに安かった。デビュー当初のスタート価格はなんと353万円! 同じエンジンを積む「3シリーズ」よりも100万円近くも低いプライスタグで登場した。

つまり、先代X1は日本で使うにも、また“手頃な入門BMW”という意味でも、じつに“絶妙”なクルマだった。

BMWのSUVとしては最もコンパクトなボディーサイズの「X1」。2代目は2015年6月に本国で発表され、同年10月に日本に導入された。
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「X1 xDrive25i xライン」のインストゥルメントパネルまわり。内装色は標準モデル、xライン、「Mスポーツ」ともに、ブラックのみの設定となっている。
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オプションで用意されるパーフォレーテッド・ダコタレザーのシート。「xライン」には、写真のオイスターのほか、ブラック、モカの全3色のシートカラーが用意されている。
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リアシートは4:2:4の3分割可倒式。6:4の左右独立スライドおよびリクライニング調整機構が、「xDrive25i」には標準装備、その他のグレードにオプション設定される。
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