Arm、DC向けCPU IPデザイン「Neoverse」の高性能版「Neoverse V1」とArmv9に対応した「Neoverse N2」を発表 新しいインターコネクト「CMN-700」に対応し最大256コアを実現可能に
プレシリコンでのシミュレーションでは第3世代Xeon SPや第3世代EPYCを上回る性能を発揮するとArmは主張
Armはプレシリコン(実際の半導体に落とし込む前のシミュレーション段階)レベルで測定したNeoverse V1、Neoverse N2の想定される性能を公開した。Armにより測定されたシングルスレッド時の整数演算性能(SPEC CPU 2017)と、ソケットあたりのマルチスレッド時の整数演算性能(SPEC CPU 2017)がそれで、比較対象としてはTraditional 2021 (40C/80T)、Traditional 2020 (24C/48T)、Traditional 2021 (64C/128T)、Traditional 2020 (64C/128T)という4つが示されており、プレゼンテーションの注によれば、それぞれ以下の通りだ。
Traditional 2021 (40C/80T):Intel 第3世代Xeon SP(SKU名は書かれていない) Traditional 2020 (24C/48T):Intel 第2世代 Xeon SP(8268) Traditional 2021 (64C/128T):AMD 第3世代EPYC(7763) Traditional 2020 (64C/128T) :AMD 第2世代EPYC(7742)
シングスレッド時の性能では、すでにNeoverse N1でもIntelの第3世代Xeon SPを上回っており、そこからNeoverse V1とNeoverse N2はさらに上回っているとArmは主張している。
また、ソケット全体マルチスレッド時の性能では、64コアのNeoverse N1はx86プロセッサを下回っていたが、96コアになるNeoverse V1や128コアのNeoverse N2はそれらを大きく上回っているとArmでは主張している。
Neoverseとx86の性能比較、縦軸がシングルスレッドの性能で、横軸がソケットあたりのマルチスレッドの性能。64コアのTraditional 2021/2020はAMD EPYC、40コアと24コアのTraditional 2021/2020はIntel Xeon SPシングルスレッドソケットあたりのマルチスレッドむろん、こうしたデータは現時点の競合製品との比較になる。ArmではNeoverse V1やNeoverse N2を搭載した製品サンプルの登場時期を今年中と説明しており、実際に搭載した製品が市場に出回るのは2022年になる可能性が高い。
その意味では、Intelが2022年に投入するSapphire Rapids(サファイアラピッズ)、AMDが2022年に投入するGenoa(ジェノア)との性能差がどうなるのかが注目されるところだ。