Alexa搭載カーナビ「Garmin Speak」ハンズオン:Amazonのエコシステムに身を委ねている人にはいい
車内Alexaの実力はいかに?
GPS機器メーカーGarmin(ガーミン)が発売する、音声アシスタントAlexa搭載ナビデバイス「Garmin Speak」を米GizmodoのAndrew Liszewski記者がレビューしています。その感想は「声で操作できるけど文脈的に面倒」。その真意は…?
音声アシスタントを使えて一番便利な場所というのは、仕事をしているオフィスやキッチン、リビングルームなどではありません。実は一番便利な場所は、両手と両目が運転のためにふさがっている車の中なんです。だからこそ、GarminはのAlexaを、この骨組みがむき出しのナビデバイスに搭載してくれたのでしょう。これで、道に迷うこともなければ、長い運転中一人ぼっちでさみしくなることもなくなるわけです。
先月、BMWが2018年中のどこかでAmazonの音声AIアシスタントを車に搭載する世界で初めての自動車メーカーの一つになるだろうと発表しました。しかし、最も安いBMWの車でも3万ドル(約337万円)はします。一方で、Garminのこの新しいデバイス「Garmin Speak」は150ドル(約1万6800円)で、すでに所有している自動車や、フロントガラスと電源へのアクセスを備えた乗り物であればどんなものにも取り付けることができるんですよ?
まぁやろうと思えば、iOSやAndroidのスマホを使うか、もしくはスマホからテザリングしてAmazon Echoをマウントしちゃえば、誰でも車からAlexaへアクセスすることは可能です。もちろん、これらはいい選択とは言えません。代わりに、まるで手のひらサイズのミニチュアAmaon Echoのような、このコンパクトなGarmin Speakを使えば、もっと簡単に運転中にAlexaを呼び出すことができるはず。もちろん、よく知られているGarminの高性能なナビシステムという特典付きですよ。
Garmin Speakの取り付けはいたって簡単です。粘着性のあるマグネット型マウントをフロントガラスに貼り付けるだけですので、簡単に取り外しや配置換えができるようになっています。ちょっと難しかったのが、運転中の視野を妨げないよう、電源ケーブルをうまくまとめるところでしょうか。周囲の隙間にコードを入れて、フロントガラスの端の方で使うことをGarminは推奨していますが、私の車ではそのように設置することができませんでした。そのため、Speakの電源ケーブルがダッシュボードにぶら下がっているような状態です。よりがっちり取り付けられて、ケーブルをうまく配置するための粘着性クリップがあればもっと助かったんですけどね。
電源ケーブルは車のシガーソケットに接続し、もし車が無線通信に対応していなければ、Speakから流れるオーディオを車載スピーカーに通すためのAUXジャックもアダプタについています。しかし、GPSとインターネットに関してはスマートフォンを頼ることになるため、スマホを充電するための余分なUSBポートが付いていればもう少しドライバーにとって嬉しかったでしょうね。古い車ならなおさらです。
SpeakがBluetoothとGarminのアプリを通してスマホに接続され、GarminのAlexaスキルをインストールすれば、すぐに一般的なスマートスピーカーのようにAlexaを使うことができます。Amazonサービスにあるどんなメディアにもアクセス可能なので、それらを車の音響システムか内蔵の小型スピーカーを通して利用することができるようになるわけです。もちろん、内蔵スピーカーは音響もひどいので、Alexaの返答用のみでしか実質使えませんけどね。
GPSデバイスとしてSpeakを利用する際には、声によるコマンドで操作できます。しかし、そのコマンドがちょっと文脈的に面倒なんです。ナビ関連の機能を使う際にはいつも、「Alexa、Garminに〜と伝えて」と言わなければいけません。そして、私も運転中にこれをよく忘れてしまうことに気がついたんです。スマホでマップをスクロールする代わりに、ナビの声と、方角の矢印と距離を示した黒と白のシンプルなOLEDディスプレイの指示に従うことになります。Alexaが反応していることを示するためにも使われるLEDの輪は、注意を促す際や、特殊な運転を必要とする際に緑色に輝きます。
Alexaの進化し続ける知能をもってしても、声の操作だけで具体的な目的地を特定することは時々難しく感じましたね。イライラするようであれば、Garmin Speakのアプリを開きマニュアルで検索することもできますが、あなたが法を守る善良なドライバーなのであれば、そのときには車をとめる必要もあるでしょう。
私も数年あらゆるGPSデバイスをテストしてきましたが、Speakのシンプルさは、スクリーンに地図が表示されるデバイスほど効率的なナビツールになるとはどうも思えません。しかし、Speakが私に有料道路を走らせ、下ろして、また走らせた1回の不都合を除けば、このデバイスの使い勝手の良さには驚かされました。まだ、Garminのナビを使うためにわざわざコマンドでAlexaにお願いしなければいけない点は納得いきません。これは余分なプロセスですし、ほとんどの人がしばらくSpeakを使った後でも、おそらくこのコマンドを忘れるはずです。どうも自然じゃないんです。(値段の観点も含めて)この点が、ひょとしたらSpeakとAlexa搭載BMW車との大きな違いになるんじゃないかなとも思うわけです。
Garmin Speakは誰のためのデバイスなんでしょうか? AmazonやAlexaに普段の生活を大きく頼っている人のためのものでしょうね。もし、音楽サービスやオンラインショッピングも含めて、完全にAmazonのエコシステムに身を委ねてしまっているような人であれば、通勤中の車の中でも簡単にAlexaを呼び出すことができるのはプラスになるはずです。
もし、Speakが100ドルかそれ以下の値段であれば、車載用ナビデバイスを求めてるスマホユーザーに格安の選択肢としてお勧めできていたと思います。ただ、150ドルだと、Garminのほかの安いタッチスクリーン付きナビデバイスと同等の値段です。Alexaをドライブに連れていくことは確かに楽しいでしょうけど、ガソリンスタンドを探すときや祖父母の家までの近道を探すときにわざわざAlexaが必要だとは思えないんです。
Image: Andrew Liszewski/Gizmodo USSource: GarminAndrew Liszewski - Gizmodo US[原文](Doga)