「家具の遊具化」事故リスク、一番多かったのは? たたんだベビーカーまで……「目を離せる環境作りを」

子どもがソファーに登ったことによる事故も多い=※写真はイメージです Getty Images

 「家具の遊具化」事故リスク、一番多かったのは? たたんだベビーカーまで……「目を離せる環境作りを」

コロナ禍は、在宅時間が増えがちです。子どもたちが退屈して家の中で遊んでいる時、実は危険が潜んでいました。「家具の遊具化」です。事故が起きやすい家具にはどんなものがあるのでしょうか? 意外な「危険家具」と注意するポイントを聞きました。(withnews編集部=橋本佳奈)【イラスト解説】ベビーゲート、正しく取り付けていますか?階段から落下の恐れも

「家具の遊具化」の定義は

そもそも「家具の遊具化」とはどんなことを指すのでしょうか。遊具の安全に詳しい、東京工業大学教授の 西田佳史さんは、コロナ禍になり、子どもたちが室内で過ごす時間が増える中、家具を遊具のようによじ登って遊ぶことによる危険性に着目しました。家具をよじ登るなど、本来と違う使い方をすると、落下による骨折や打撲などの危険があります。そこで、西田さんは、どんな家具が「遊具化」しやすいかを明らかにするため、東京消防庁のデータを基に、起きた事故の家具の種類と年齢別に分けて調査しました。分析したのは2016年からの5年間、住宅内で起きたよじ登りに関連した0~9歳の121件の事故です。分かったのは、年齢が上がるにつれて運動能力が上がり、行動範囲広がるため、よじ登れる家具の種類が増えるということでした。どの年代でも多く発生しているのは、そもそも立ちやすい「椅子」や「ソファー」で、全体の約3分の1を占めていました。一方、大人が想像しにくい家具にも登る例もありました。

0~1歳 ベビーカーの収納場所、大丈夫?

家具ではありませんが、室内に収納しているベビーカによじ登ってしまう恐れがあります。0~1歳の40件のうち、ソファーの9件、椅子の8件の次に事故が多い5件でした。玄関、廊下などでベビーカーによじ登って転落した事例が報告されています。西田さんは「ベビーカーはタイヤがあり、不安定なため、よじ登った場合、滑って倒れる危険性が高いです。転落の高さも1m程度になる場合があります。置いてある場所の床が硬いと、頭を打ったときに危険度が増します」と話します。ベビーカーの収納場所は、子どもが登りにくい場所や、硬くない床などを選ぶようにする必要はあるといいます。【0~1歳が登った家具(40件)】ソファー 椅子 ベビーカー ベッドテーブル マットレス こたつ タンス段ボール テレビ台 ランドセル 柵台 棚 本棚 犬小屋

次ページは:2~3歳 安全柵、正しく付けないと危険

1/3ページ

最終更新:withnews