交通安全・防災 泥水を飲み水に変える。英国軍採用の携帯浄水ボトル「LIFESAVER BOTTLE」が登場!災害時の飲料確保にも。【防災産業展2019】
左:LIFESAVER LIBERTY BOTTLE(ライフセーバーリバティーボトル)、右:LIFESAVER BOTTLE(ライフセーバーボトル)。
TRADEX株式会社は6月5~7日の3日間、「防災産業展2019」において、携帯浄水ボトル「LIFESAVER BOTTLE(ライフセーバーボトル)」を展示した。
携帯浄水器「LIFESAVER BOTTLE(ライフセーバーボトル)」とは
「LIFESAVER BOTTLE」の構造。その内部のほとんどがろ過フィルターでできている。
「LIFESAVER BOTTLE」とは、汚れた水を飲料水に変える「ろ過フィルター」を持った携帯浄水器。
一般的な携帯浄水器では、フィルター穴のサイズが100~200ナノメートルあり、フィルター穴よりも小さいウィルス(最小20ナノメートル)がろ過されずに通り抜けてしまっていた(※)。しかし同ボトルのフィルター穴は15ナノメートルと小さいのでウィルスを通さないという。
その浄水力はすさまじく、細菌・ウィルス・微生物を99.99%除去できるそうだ。また、活性炭フィルターも搭載していて、農薬や鉛、銅なども減少させ、不純物から出る嫌な味や匂いも取り除いてくれるのだという。その性能の高さから英国軍でも採用されているという。
※一般的に地球上で最も小さな細菌は200ナノメートル、最も小さなウィルスは20ナノメートルと言われている。
使い方は簡単!水を入れてポンプするだけ。
同ボトルの使い方はとても簡単で以下の3ステップ。
川の水を簡単に浄水することができる。飲み口側のキャップを開けると、ポンプによる圧力で浄水された水が上写真のように飛び出してくるという。
①ボトル底のフタを外して水を入れる。
②フタを閉じて数回ポンプする。
③飲み口側のキャップを外して飲む。
たったこれだけで飲料水が確保できるのである。
「LIFESAVER LIBERTY BOTTLE」に付属のホースを接続した様子。ポンプを使って吸い上げるので、水源から直接浄水できる。
また、同ボトルの新型「LIFESAVER LIBERTY BOTTLE(ライフセーバーリバティーボトル)」では付属のホースを利用することで、水源から直接水を汲み上げてろ過することも可能だ。
速いろ過スピードと長いフィルター寿命
「LIFESAVER BOTTLE」はろ過スピードが速いのも特徴。
分解した「LIFESAVER BOTTLE」。左からポンプを搭載したフタ、グリル、飲み口側のキャップ、フィルター。
TRADEXによると「一般的な携帯浄水器のろ過流量は毎分0.5~1.5リットルなのにに対し、このボトルのろ過流量は毎分2.0リットルと多い。さらにフィルターの寿命が長く、最大4000リットルもの水をろ過できる」とのこと。これは理想的な利用状況の場合なので、泥水のように濁った水ではろ過できる水量は減少する。
ちなみに災害現場で給水している給水車の水量が2000~4000リットルである。それと同量であることを考えるとまず飲料水が不足することはないだろう。
交換時期が分かるので安心
浄水器で心配なことのひとつにフィルターの交換時期がある。取り付けた日をダイヤルで設定して確認するタイプが一般的だが、同商品ではそんな心配はないという。
同ボトルでは、フィルターの交換時期が来ると自動的に水が通らなくなるんだとか。フィルターの交換時期が過ぎた後、ろ過しきれていない水を飲み続けてしまう恐れがないのだ。
タンク型の「LIFESAVER JERRYCAN(ライフセーバー ジェリーカン)」
防災産業展で展示されていた「LIFESAVER JERRYCAN」。灯油のタンクほどの大きさだった。
会場では、貯水容量が18.5リットルもあるタンク型の浄水器「LIFESAVER JERRYCAN(ライフセーバー ジェリーカン)」も展示されていた。同社によると、今のところタンク型の市販予定はないそうだが、自治体などが導入を検討しているのだという。
ちなみにタンク型では、最大1万リットルもの水をろ過できるそうだ。先程と同じく給水車で考えると4000リットルの給水車で2.5台分とかなりの飲料水を確保できる。
同ボトルを持ち歩いたり、非常用持ち出し袋に入れておけば、いざという時に役立ってくれそうだ。同社によると、ボトル型の「LIFESAVER BOTTLE」はクラウドファンディングサイト「マクアケ」で販売中。価格は25,300円(2019年6月20日現在)。ホースの付属した新型「LIFESAVER LIBERTY BOTTLE」は9月頃販売開始予定で価格は未定だという。