第1シードのチチパスが突然の不調で逆転負け。ティアフォーがベスト8進出[エルステバンク・オープン]【テニス】
第2セット以降、チチパスにミスが増えて形勢逆転
チチパスに2勝目を上げたティアフォー(写真:©e-motion/Bildagentur Zolles KG/Martin Steiger)
現地10月28日、「エルステバンク・オープン」(オーストリア・ウィーン/ATP500)男子シングルス2回戦、第1シードのステファノス・チチパス(ギリシャ/世界ランク3位)はフランシス・ティアフォー(アメリカ/同49位)と対戦。ティアフォーが3-6、6-3、6-4の逆転勝ちで金星を上げた。【写真】チチパス対ティアフォー写真館(写真13点)をチェック第1セット、キープが続く展開の中、第6ゲーム、積極的に前でリターンを返してリズムを作ったチチパスがブレークに成功。サービスも絶好調で、ティアフォーに3ポイントしか与えず。6-3でセットを先取する。絶好調に見えたチチパスだったが、第2セット、ファーストサーブの確率を42%まで落としてしまう(第1セットは75%)。3-4で迎えたサービスゲームでは、ファーストサーブがまったく入らず。なんとか最初の2度のブレークポイントを凌いだチチパスだったが、2度目のデュースから連続ダブルフォールト。労せずブレークに成功したティアフォーが6-3でセットを取り返す。勝負の第3セット、第2ゲームで先にブレークに成功したのはチチパス。だが、ウィナーも生まれる一方、アンフォーストエラーも目立つように。何度となくフラストレーションをあらわにしていたチチパスは、第6ゲームでブレークチャンスを与える。ここでティアフォーは積極的にネットに出て技ありボレーでブレークバックに成功。さらに第8ゲーム、ティアフォーがブレークチャンスを得ると、チチパスは痛恨のダブルフォールト。このブレークが決め手となり、第3セット6-4、ティアフォーが逆転勝利を果たした。セカンドサーブの得点率では、ティアフォー71%に対してチチパスが47%。第1セットでは83%と高いセカンドサーブの得点率を記録していたチチパスは、第2セット以降、いきなり調子が崩れてしまった。「試合序盤からファンが盛り上がってくれた。私はそういう中で全力を尽くしたいんだ。子供たちが“ビッグフォー”と叫んでくれていたが、それこそ試合をやる醍醐味だ」とファンの声援が後押しになったと語ったティアフォー。「満員の観客の中でプレーするのが大好き。ホームのように感じられるからね。結果はほとんど重要ではないんだ。親と一緒に子供たちが来てくれて、お金を払って私のプレーを見に来てくれる。だから私と一緒に、みんなにも楽しんでほしいだけ。そのためにも私は全力を尽くさなければいけない。スタジアムの最上階にいる子供たちにも、楽しかったと思ってもらいたい」と観客に楽しんでもらうために全力を尽くしているんだと語っている。続く準々決勝、ティアフォーは第8シードのディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン/同16位)と対戦する。ともに観客を喜ばせるタイプの2人とあって次戦も熱い戦いとなりそうだ。
Tennis Classic 編集部