知事定例記者会見における発言要旨211118

この資料は,県政記者クラブとの定例記者会見での発言内容を要約したものです。

知事定例記者会見の動画は,こちらから視聴いただくことができます。

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森林湖沼環境税条例の一部改正について

※配布資料(PDF:698KB)

新型コロナウイルス感染症への対応について

偕楽園「左近の桜」の復活を目指す寄附金の募集について

新型コロナウイルス感染症への対応について(2)

ケアラー条例について

新しい県総合計画について

人事委員会勧告に伴う県職員のボーナス引き下げについて

(作成:報道・広聴課)令和3年11月18日(木曜日)14時20分~14時46分 会見室

知事:よろしくお願いします。

NHK(幹事社):よろしくお願いします。11月幹事社のNHKです。よろしくお願いいたします。初めに、県側から発表事項があるということですので、お願いします。

知事:森林湖沼環境税でございますが、課税期間の延長についてご報告したいと思います。森林湖沼環境税は今年度いっぱいで期限になるわけでございますが、来年度以降について、令和4年度から5年間という形で、第4期の森林湖沼関係の税制として、第4回定例会で提出する方向になりました。

中身については、皆さんよくご存じだと思うのですが、個人1,000円、法人税は均等割額の10%ということで、これまで、森林の環境整備、あるいは霞ヶ浦を中心とした湖沼の環境整備に役立ててきたわけですが、引き続き、今度は期間を4年間から5年間という形に直してこの政策を推し進めていきたいと考えております。

今後の予定でございますが、第4回定例会に提出する予定でございます。

中身についてでございますが、まず、森林の保全でございます。前期の第3期で、大きく林業経営体の強化ということで力を入れてまいりました。それによって集約が約1万ヘクタール分まで進んでおります。これをこの第4期では3万ヘクタールまで広げていくということで、ウッドショックなどもございますが、どういう林業産業の環境にあっても、県山林を中心とした林業がしっかりと自立できるような方向で施策の展開を進めていきたいと思っております。

湖沼関係でございます。霞ヶ浦の湖沼の水質改善に第3期は全力を傾けました。条例も制定して、小規模事業所も含めて、罰則も含めた水質保全義務を制定したわけでございますが、さらに、高度処理型浄化槽でありますとか、あるいは、農業集落排水施設の接続補助でありますとか、あるいは、畜産などの農業経営体に対する監視、注意喚起も徹底して行って、結果として、霞ヶ浦のCODは9mg/Lから7mg/Lまで低下しております。

ただし、霞ヶ浦が非常に水深が浅い、4メートル程度ということもあって、あとは周辺の水がかなり年月をかけて地下水などを通って霞ヶ浦に入ってくるということもあって、今後は、対策を同じように進めていてもそんなに急激には変わらない。年月がかかってしまうということもありますので、対策については、より効果の高いものに集約しながら、今後は、霞ヶ浦のみでなく、涸沼など他の湖沼についても、より力を入れる形で湖沼対策を拡大していきたいと考えております。

私の方からは、以上です。

NHK:ありがとうございます。幹事社のNHKから伺わせていただきます。今回、この条例案を出そうと思った理由、それから、これにかける知事の思いを教えてください。

知事:森林湖沼環境税に基づく森林環境の保全、あるいは林業育成、それから、湖沼環境の改善といった政策課題については、第3期の4年間でかなり進んだ部分もあることは確かですが、まだまだ十分とは言えない状況でございます。

したがいまして、森林湖沼環境税を第4期ということで延長させていただきながら、しっかりとその政策を推し進めていくことが、引き続き、政策課題として重要なのかなと考えております。

NHK:ありがとうございます。私からもう1点で、この5年という期間を設けた理由について教えてください。

知事:もともと5年間ということでございました。前回の第3期では、最大会派のいばらき自民党との調整の中で、3年という提案があった中で、4年というところに落ち着いたわけでございます。ちょうど私の任期と一致するということもあって、そういう考え方もあるのかなと感じておりましたが、一回4年間でやってみた結果、外部の声からも、税という仕組みなので、もうちょっと安定的に運用する必要があるのではないかという声もありましたし、あるいは、第3期の森林湖沼環境税の効果を検証する時期がちょうど私の選挙の時期と重なってしまって、非常にやりづらかったということもあるので、元の5年間、通常こういう税制については5年間というのが標準でございますので、戻したほうがベターなのではないかということで、5年間で提案させていただこうと思っています。

NHK:ありがとうございます。幹事社からは、以上です。この発表について、各社さん、どうぞ。

朝日:パブリックコメントの前にアンケートもされたそうで、県民のアンケートを見る限りですと、個人、法人とも認知度がやや低かったりとか、税を取ったことに対する効果が出ているかというところについてもパーセンテージが低かったというところがあって、このあたり、まだまだ課題というか、県民に対してもう少しアピールすべき点があろうかと思うのですが、その点について、改めてお伺いしたい。

知事:アンケート結果の状況から見れば、我々としてももうちょっとPRすべきなのかなと感じます。

ただ、実際、第3期での例えば森林対策においても、非常にメリハリをかけて、林業として成り立ち得るところに集中して、そうでないところについては、採算が無理なところは、逆に自然林に戻すという選択肢も含めて、林業経営体を強くして、補助金頼りではない、本当に独り立ちできるような林業を育てようということで、大分、組合の皆様にも共感をいただいて、1万ヘクタールまでの集約が進んできているということもありますので、この流れは、それ以前に比べると非常に大きな変化ではないかなと思います。

ちょうど木材価格が非常に上がっている状況でございますので、この機を逆に捉えて、しっかりとさらに推し進めることによって、行政からの支援に頼らなくても独り立ちできるような県内の林業をつくっていきたいなと思いますし、また、霞ヶ浦についても、ほかのところもやっていなかったわけではないですが、徹底して霞ヶ浦に集中して、浄化槽の設置の補助でありますとか、下水道の設置であるとか、あるいは、その義務づけです。今まで義務のなかった小規模事業所に対する排水基準の義務づけも含めて徹底して進めた結果、ある程度の環境の整備はできたし、あるいは、いろいろ分析していくと、例えば、畜産業界のところの汚水が結構影響している可能性もあるというようなところで指導をしたりとか、そういうことの成果というのは、CODという数値以上にあったのかなと思っています。

CODは7から6.9ぐらいになっているのですが、その程度だと、地元の皆さんが言っている「泳げる霞ヶ浦」という状況にはなっていない。ただ、お金をつぎ込めばいいというものでもどうもなさそうで、ちょっと時間がかかるということで、メリハリの効いた効果的なものだけ選択と集中でやりながら、他の涸沼、砂沼、牛久沼、様々な湖沼がございますので、そういうところでの対策もしっかりと強化しながら、県内の水質環境の保全、水質資源の保全にさらに努力をしていきたいと思いますし、アンケートの結果はちょっと残念なのですが、しっかりとPRしていきたいなと思います。

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NHK:他、ありますか。ないようですので、その他の項目に移らせていただきます。初めに、幹事社のNHKから伺わせていただきます。

新型コロナについてです。先週、政府の分科会が、医療の逼迫の度合いをより重視して、5段階のレベル分けをして、新たな指標をまとめました。今後は、都道府県がレベルを判断することになると思いますが、茨城版コロナNextの見直しなど、県の対応は何か考えていますか。

知事:内部でも検討してみたのですが、基本的に、茨城版コロナNextの見直しは必要ないのではないかという結論に至っております。

そもそもレベルゼロというのは感染者ゼロということで、ステージ表に入れても入れなくてもあまり関係ないのかなという感じもしますし、新しく入ってきたレベルⅣというのは、病床を割り当てても、もう医療崩壊しますよというような、要するに、そういう状況でもう破綻しますという定義のように見えますので、それは、ある意味、こちらで言うと、Stage4が悪化してきている状況ということなのかなと。それによって、対応策として、自治体として、何か取れるものが変わるのかどうか、それは、例えば、レベルⅣという時に、国がどういう政策を打つつもりなのか、そういうことを見てみないとはっきりしないので、我々自体としては、1、2、3、4でしっかりと状況を分類しながら、それに応じた対応をきちんと考えていけばいいのではないかと思います。

ただ、ステージ分けは大きく変える必要はないと思っているのですが、その対策は多分大きく変わってくる可能性があるのではないかなと。政府の方でも方針が出ていましたが、ワクチン検査パッケージを使って、例えば、かつてだったらすぐ外出自粛、あるいは営業時間短縮ということでお願いしていたのが、検査パッケージを使うことによって、通常の営業活動、あるいは社会活動を維持するという方針になってくると、逆に言うと、ステージごとによってやることというのはあまり変わらなくなる可能性はあるなと思っていまして、その辺について、今、検討を進めているところです。

知事定例記者会見における発言要旨211118

NHK:ありがとうございます。また、新型コロナの第6波に備えた動きについてお伺いします。病床の確保なのですが、国の方からもこの整備について話が来ていると思いますが、茨城県は877床ということで目指していると思いますが、現状の確保状況を教えてください。

知事:物理的な施設自体は問題なく確保できておりますので、問題は、その施設を運用するスタッフということになっております。

前々からも申し上げましたとおり、それは県の医師会のお力添えを得ないと無理な状況でございますので、今、県の医師会の方で全力を上げて取り組んでおりまして、もうすぐその体制がつくれるということになるのではないかなと思っております。もう近いタイミングで正式な発表ができるのではないかなと思っています。

NHK:ありがとうございます。3回目のワクチン接種について伺います。茨城県も、今月下旬にかけて約10万回分の配分ということで、今後の3回目の接種に向けた県としての取組を教えてください。

知事:粛々と対応をしていくつもりでいたのですが、報道で3回目接種が6か月から接種開始という話と、その後、それを打ち消す8か月が原則という話があって、我々としては、現場は若干混乱をする可能性があったとしても、是非6か月でやらせていただきたいと国の方にはお願いをしています。

というのも、ここ最近の感染状況を見ていても、1人とか2人とか、あるいは3人とかという人数ではあるのですが、中に2回目接種を終えた要するにブレイクスルー感染の方が高齢者を中心にいらっしゃるのです。ですので、これは8か月というのを原則にして待っていると、感染がかなり尾が広がる可能性もあるのかなとちょっと恐れております。

ですので、仮に全員の方に6か月で行き渡らないにしても、行き渡る限りの可能な数を、6か月以降、接種を開始するというぐらいでいいのではないかなと私は思っていまして、そういう形で、内々、事務的にも、国の方にもやらせてほしいということをお願いしております。

自治体の中でいろいろ意見があって、8か月でないとちょっと混乱するから嫌だという方もいらっしゃるようなのですが、私は、県民の皆様の健康とか命とかを考えた時は、行政に若干負担があったとしても、6か月で始めたいと思っていまして、そういう方向で国には意見を述べさせていただいております。

どちらになるにしても、もしかしたら万全ということにはならないかもしれませんが、対応できるように、今、準備をしております。

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NHK:ありがとうございます。私から最後の1点ですが、前回の定例会見でもお話がありました偕楽園の「左近の桜」の復活の寄附金の募集の関係なのですが、今の現状を教えてください。

知事:これが結構な評判を呼んでいまして、皆様のおかげですが、目標2,500万円に対して、今、1,392万円ぐらい集まっております。100万円以上の寄附で授与させていただく「左近の桜」の感謝状の該当者も、今、10人ほどいらっしゃいまして、1,000万円を超える額が寄附として集まっておりますので、大変私どもとしてもありがたいと思います。

是非皆様、もう一度報道していただいて、もっともっと寄附の方が増えていただくように、ご協力をよろしくお願いいたします。

NHK:ありがとうございます。幹事社からは、以上です。各社さん、どうぞ。

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朝日:何点かお伺いしたいのですが、まず、ワクチンの3回目接種についてお伺いします。先ほど、知事のご発言でもありましたが、6か月でもいい、その後、原則8か月というような、現場は混乱した自治体もあったのかなと思うのですが、それについてのご所見というか、何かございますでしょうか。

知事:まだ3回目が始まって真っ最中というわけでもないので、いずれにしても準備をする段階なので、6か月、8か月という話は出ていますが、行政がそんなに右往左往しているということではないと思います。

ただ、6か月ということになった時には、かなり前倒しの作業をしなければならないので、そういうところでもしかしたら負荷はかかるかもしれませんが、私は、先ほど申し上げましたように、もし6か月という決断ができるのであれば、是非していただきたい。一番大事なのは、行政の負荷よりも、県民の健康と命だと思いますので、是非6か月でお願いしたいということを、今、国の方にお願いしております。

朝日:現在の感染状況についての受止めというのを改めてお伺いしたいのですが、現在、感染者数としては落ち着いているのかなと思うのですが、先ほどブレイクスルー感染という発言もありましたが、改めて今の状況というのはどのように見ていらっしゃいますか。

知事:ワクチン接種は、現在、県の中でも、12歳以上で80%を超えて、しっかりと行き届いてきているという状況も踏まえて、まだその状況に立ち至って間もない状況なので、県内での感染に対する免疫力が高い状況が維持できている結果、こういう少ない人数での感染状況が続いているのかなと思っています。

ただ、先ほど申し上げましたように、一部で既にブレイクスルー感染が見えてきておりますので、おそらく最初に接種をされた医療関係者、それから、高齢者や障害者の施設で入所されている方、あるいはそこで働いている方、最初の方にワクチン接種をしていただいているので、そこへの対応というのはちょっと早くしたいなと。そこで感染が広がると、クラスターになる可能性の高い場所でございますので、そこは3回目をできるなら急いでやりたいなと思っております。

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朝日:ありがとうございます。あと1点お伺いしたいのですが、県議会のいばらき自民党が、ヤングケアラーやケアラーを支援する条例案を次の県議会に提出する予定かと思うのですが、それについての受止めというのと、あと、県として、ケアラーやヤングケアラー対策として、何か考えていることがあれば教えてください。

知事:ヤングケアラーを含むケアラー対策ということで、県議会の方で条例案が検討されているというのは承知しております。

また今後、その詳細を分析しながら、我々としても、方向性としては、非常にいい話ではないかなと思っていますので、しっかりと条例の裏付けになるような対策も含めて、政策も含めて、準備できればいいのかなと思っています。

朝日:ありがとうございます。

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茨城:県総合計画についてお聞きしたいのですが、現在、新しい県総合計画の策定に向けて総合計画審議会などが進められていると思うのですが、改めてその進捗状況と、どういう方向性で進めているかということをお話しいただければと思います。

知事:基本的には、これまでの総合計画の大きな柱を変えることなく、その成果をしっかりと出していくために、その指標となるKPIも含めて見直していこうという方向で審議会の方でご検討いただいております。

ただ、一つ、私の目標としています「活力があり、県民が日本一幸せな県」という「日本一県民が幸せな県」というところについては非常に概念だけになっていて、政策として実際に何が行われているのか、それが進捗しているのか、進捗していないのか、その辺については県の総合計画の中では位置づけが曖昧だったものですから、そこについては、新しい試みとして、なるべく数値基準で表せるような形で、最終的に幸せというのは主観なので、完璧ではないかもしれませんが、ただ、客観的なある程度の基準で、そういうことを近似値として表現できるような指標をつくる努力を、今、できないかということで、審議会の方にご検討をお願いしているところでございます。

スケジュールとしては、年明けに答申の原案、たたき台をいただいた上で、パブリックコメントに付した後、3月の定例会に間に合うような形で最終答申をいただく予定で、今、作業が進んでいると理解しています。

茨城:ありがとうございます。

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時事:話題は変わりまして、県職員の給与の関係でお伺いします。県の人事委員会は、今年、ボーナスを0.15か月下げるように勧告していると思います。例年は、国が臨時国会で国家公務員の給与改正をしてから、県が議会に条例を出して対応すると思いますが、今年は国の臨時国会の開催が遅れています。12月の支給分に反映するためには、国に先駆けて県職員のボーナスを減らす必要があると思いますが、国の対応を待って判断されるのか、県が国に先行してボーナスを改正するのか、茨城県の対応がもし決まっていれば教えていただけると幸いです。

知事:基本的には、国の対応をきちんとまず見てからということにしたいなと思っています。答申としては、ボーナスの引下げという形で人事委員会から勧告をいただいていますが、国の方でも議論になっていますが、一方で、新しい資本主義に関するものなのか分かりませんが、賃金の引上げということが大きな政府の課題となっていますので、国が国家公務員の給与についてどういう扱いをするのかということをきちんと見定めた上で、県としての対応についても、組合側としっかりと交渉していきたいと思っています。

時事:ありがとうございます。ちょっと確認なのですが、それは11月の議会にはボーナスを下げる条例というのは出さないという理解でいいですか。

知事:国の今の現状だと、難しいと思っています。

時事:分かりました。ありがとうございます。

NHK:他にありませんか。ないようですので、これで終わりにします。ありがとうございました。

知事:ありがとうございました。

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