海難事故注意呼びかけにマーメード起用のワケ
提供:串木野海上保安部
春の訪れが近づくこの季節。しかし、海上では天気の急変で海難事故に注意が求められる時期でもあります。そんな「海難防止強調運動」のポスターに起用されたのは…なんとマーメード!実はスゴ腕の持ち主だったんです! ◇鹿児島県の東シナ海を管轄する海上保安庁串木野海上保安部は、立春の2月4日から春分の3月21日までを「春一番に対する海難防止強調運動」として、海上事故へ注意を呼びかけています。
■マーメードはスゴ腕の持ち主!
鮫島さんとカメ(提供:鮫島さん)
マーメードパフォーマーとは、人魚にみたてた尾ひれを装着し、水中で魚と泳いだり、イベントに登場したりします。海外では、水中モデルや水族館のショーに登場するなど多岐にわたり活動されていますが、国内で、マーメードパフォーマーとして活動しているのは数人で、鮫島さんは第一人者と言われています。鮫島さんは、幼少期をオーストラリアで過ごし、ニューサウスウェールズ州の水泳大会に出場した腕前の持ち主。学生時代は、東海大学海洋学部に通い、卒業後、ダイビングインストラクターとして活動を始め、今年でおよそ10年になります。釣り好きの夫との結婚をきっかけに、静岡県から鹿児島県へ移住し、今では5歳の息子を持つ一児の母。ダイビングインストラクターとして活動を始めたころ、海外で活躍するマーメードパフォーマーの存在を知り、特注の尾ひれをアメリカから取り寄せ、自身もマーメードパフォーマーとしての活動がスタートしました。■マーメードの夢は?尾ひれをつけて泳ぐ際に、高い泳力が求められるマーメードパフォーマー。鮫島さんはさらに後進のパフォーマーを育てるべく、ダイビングの指導団体が認定する養成コースを作成し、自身もマーメードとして安全に水中で泳げるよう指導するインストラクターの資格を取得しました。鮫島さんは、マーメードとして海と陸とをつなぐ役割がしたいと、イベントに出演したり、船の上から海中の魚を観察することができるグラスボートの視界に突然現れ、乗客を驚かせるパフォーマンスなどを行ったりして、地元の人気者になっていました。■春のおとずれ南風(はえんかぜ)に気をつけて串木野海上保安部によりますと、これまでこの運動のポスターは、地元の子どもなどがモデルをつとめてきました。しかし今年は鮫島さんが、マーメードパフォーマーとしての活動だけでなく、地元住民とともに海岸線や海の中の清掃などに取り組んでいることに注目し起用したということで、海上保安部は「目を引くポスターで、一般の人にも興味をもってもらいたい」と話しています。今回ポスターに起用されたことについて鮫島さんは、「マーメードは海の広告塔として活動してきたので、目標を実現させていただける素晴らしい機会となりました」と話しています。「これから暖かくなって、漁業関係者以外でも海に出る頻度が増えると思います。サーフィンや釣り、ダイビングなど目的に応じて場所選びが変わりますが、海に出る前にしっかりと調べて安全に遊ぶことで、海からの恩返しがあると思うので、ひとりひとりが自分に合った海とのつきあい方を考えるきっかけを発信したい」と意気込みを語っています。串木野海上保安部は、この時期、冬の北西の風から、春の南風に変わることなどから、「海へ出かける際には、気象情報をよく確認してほしい」として、事前準備をして事故に遭わないよう注意を呼びかけています。