「背中を押してほしい」に寄り添う 「今週の特集お届け隊」2021年10月25日号
五十君花実/副編集長:1983年生まれの獅子座A型。ファッションの業界紙をへて、2018年に「WWDJAPAN」にジョイン。占いを読むのは好きだが、自分に都合の悪い部分はすぐ忘れるタイプ (右)米山奈津美/ライター:1993年生まれの山羊座A型。「WWDJAPAN」編集部記者を経て、今夏フリーランスライターに転身。「占いは信じない」と言いながら、「しいたけ占い」を毎週楽しみにしている ILLUSTRATION : UCA
毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2021年10月25日号からの抜粋です)【画像】「背中を押してほしい」に寄り添う 「今週の特集お届け隊」2021年10月25日号
五十君:財布の開運プロモーションが話題になったり、ビューティ企業が癒しやヒーリングを打ち出したりと、コロナ禍以降スピリチュアルな流れが強まっているなと思っていました。
米山:でも取材してみたら、5年以上前からやっていたところばかりでした。むしろ消費者の感度が変わってきているようです。
五十君:そうなのよ。博報堂の生活総合研究所の調査で「占いやおみくじを信じますか?」の項目が、2020年は18年に比べて20代女性の「はい」が17ポイント上がっていて。
米山:激増ですね(笑)。
「WWDJAPAN」2021年10月25日号
五十君:博報堂の方いわく、20代の女性は人生の決断をせまられることが多いうえに、コロナでステイホームになり、自分の内面に目が向いているのではないかと。いろいろ自分自身や将来について考えたときに占いに背中を押してほしいというニーズがあるわけで、そこにビジネスチャンスもあるんだなと思いました。
米山:確かに20代はメインターゲットに含まれていますね。私は占いは信じていないのですが、決断の時に“何か”ひと押しあると決断しやすいというのは納得します。化粧品や服を選ぶときに、「運気が上がりそう」とか「パワーをもらえそう」が重視され始めているんじゃないでしょうか。
五十君:私が思ったのは、多くの人にとって実は買い物がストレスなんだろうなと。その人のラッキーカラーを占いつつ、長年販売員だった経験を生かしてスタイリングも提案する占い師兼パーソナルスタイリストの取材をしたのですが、「決める」というストレスに対しての一つの解としては、骨格診断などと占いによる色やスタイリングの提案は一緒だと思いました。