知事臨時記者会見 令和3年8月5日(木曜日)

(知事)昨日、本県における新型コロナウイルスの新規陽性者数が過去最多の752名となるなど、本県の感染が急拡大していることを踏まえ、先ほど県の新型コロナウイルス感染症対策本部会議を書面において開催し、福岡コロナ特別警報を発動しました。また、これと併せ、国に対し、本県への緊急事態措置の適用を検討いただくよう要請を行いましたので、県民の皆さまにご報告します。

まず、本県の感染状況です。新規陽性者数が100人を超えてから過去最多になるまでですが、第4波では4月14日に156人になった後、5月12日に634人となりました。つまり、100人を超えてから過去最多になるまで、前回は1ヶ月かかっています。しかし、今回は7月21日に136人になった後、8月4日に752名となり、過去最多となりました。この間、2週間です。つまり、約2倍のペースであり、前回の第4波を大きく上回るペースで新規陽性者数が増加しています。

次に、直近1週間の人口10万人当たりの陽性者数です。第4波のピーク時である5月12日時点と比較します。この時は前の週と比べ、44.4人が62.3人と約1.4倍でした。今回は、前の週と比べ、26.7人が66.6人となっており、1週間で約2.5倍になっています。

これを地域別に見ると、直近3日間の人口10万人当たりの新規陽性者数は、福岡市が138.4人です。その他の福岡地域、久留米市、北九州市、そして、筑後地域、筑豊地域、北九州地域の状況を見ると、前回の対策本部会議を行った7月30日時点と比較して、北九州地域を除いてすべての地域で増加している傾向です。

次は、入院されている方の状況です。新規陽性者数が増加していることに伴い、この入院者数も増加傾向にあります。8月4日時点において、1週間前の241名から475名と約2倍になっています。

重症者数は、大きく増加する傾向は見られません。しかし、中等症の方は1週間で約2.5倍、70人から173人に急増していますので、この中等症から重症へ悪化するリスクがあり、十分な注意の必要があると考えています。

次に、現在の感染状況を福岡コロナ警報の指標に照らすと、まず新規陽性者数ですが、7日移動平均の増加傾向は続いています。このような中で3日移動平均の数値ですが、8月4日時点で540名です。これは特別警報発動の目安の180人を大きく上回っています。

知事臨時記者会見 令和3年8月5日(木曜日)

次に病床使用率です。8月4日時点で33.6パーセントとなっており、特別警報発動の目安は30パーセントですので、これも上回っている状況です。そして、重症病床使用率です。これは8月3日時点ですが4.9パーセントです。201床確保している中で、10床が使われている状況です。警報発動の目安は10パーセントとしており、重症病床の使用率は目安を下回っている状況です。

次に、国の分科会がお示しになっているステージ判断指標を見ると、7つの指標がありますが、本県はこのうち4つがステージ4相当に該当しています。

陽性者の大幅な増加や重症化が懸念されるわけです。現在の新規陽性者の状況を見ると、30代以下の方の割合が7割近くを占めるという状況で、若い方へのワクチン接種が進んでいないという状況にあり、このような懸念があります。そして感染力の強いデルタ株の陽性割合ですが、7月上旬にはデルタ株の陽性割合が16.4パーセントでした。しかし、直近では56.7パーセントになっており、感染力の強いデルタ株への置き換わりが進んでいると考えられます。

それから、中等症者数が増加しています。このことから、今後重症者数の増加も懸念されるわけです。そして、8月7日から三連休があります。その後お盆期間に入ります。行動について色々と自粛をお願いしていますが、どうしても人の往来が増える時期を迎えるわけです。このようなことを踏まえ、現在の傾向が継続するとこれまでに経験したことのない深刻な状況となる恐れがあります。また、入院者数のピーク、これは新規陽性者数のピークから遅れて到来する傾向にあるので、今後、医療提供体制のひっ迫が懸念されます。このため、専門家の皆さんのご意見、また市町村との協議を踏まえ、総合的に判断し、本日、「福岡コロナ特別警報」を発動します。

併せて、繰り返しにはなりますが、前回緊急事態措置の適用が決定された5月7日の新規陽性者数が、直近1週間の人口10万人当たり46.1人でした。今回は既に前回の緊急事態宣言発出の状況よりも悪化している状況です。そして、県内の各地域を見ると、重点措置区域に限らずほぼすべての地域で拡大する傾向があり、新規陽性者数がほぼすべての地域においてステージ4相当になっている状況です。

病床使用率は33パーセント、今のところはステージ3の段階にとどまっています。しかし、現在の状況が続きますと、我々の推計では8月9日には50パーセント以上となりステージ4の段階に至るということが見込まれます。

今後さらに中等症者が重症化することにより、現在は4.9パーセントという低い使用率である重症病床稼働率を圧迫する懸念もあります。こういったことも踏まえ、本県の今後の見通しも踏まえ、国に対して、緊急事態措置の適用について要請を行ったところです。

今回の特別警報の発動に伴う措置ですが、県有施設については原則閉館とします。その他の措置ですが、事業者の皆さんも先般コロナ警報を発動し、日を置かずにまん延防止等重点措置となったことで、事業者の皆さんの困惑、混乱も生じたと思います。誠に申し訳なく思っています。今回、緊急事態措置が適用されるまでの間、このような困惑、混乱を避ける意味でも、現在の措置内容は基本的に継続したいと考えています。この上で、国の対応を見ながら、必要に応じてまん延防止等重点措置の措置区域の拡大について検討していきます。そして、感染力の強いデルタ株の陽性者が増えています。やはり、今の陽性者数の増加は、今まで経験したことのない感染の爆発的拡大を示しています。これから3連休、お盆がまいりますけれども、県民の皆さんには改めてお願い申し上げます。日中を含め、不要不急の外出を自粛してください。特に20時以降の外出自粛を強くお願いします。都道府県を跨ぐ不要不急の移動の自粛を徹底してください。そして飲食をされる際、お店においてもご家庭においても、少人数短時間、大声を出さず、会話はマスク着用など、感染防止対策の徹底をお願いします。飛沫の拡散を考えると、屋内外を問わない注意が必要です。現在、普段一緒にいない友人知人とのバーベキューなどの屋外の会食場面でのクラスターも発生しています。ぜひ感染防止対策の徹底をお願いします。そして飲食店の皆さんには本当に大変なご苦労をおかけすることになり、心苦しく、申し訳なく思っていますが、昨日でまん延防止等重点措置への移行期間は終了しました。本日から営業時間は20時まで、酒類の提供はしないようお願いします。何卒ご協力のほどよろしくお願いします。

それから、これは事業者の皆さんへの呼びかけです。時差出勤、在宅勤務等の呼びかけを行っていますが、最近の感染状況やクラスターの発生状況をみると、職場や職域でのクラスターが発生しています。休憩室や喫煙室等、居場所の切り替わりに注意する必要があります。更衣室も同様です。従業員の皆さんに職場の内外を問わず感染対策を徹底していただくことを、各企業の皆さんは呼び掛けていただくようお願いします。

県民の皆さんには本当に大変なご不便をおかけします。事業者の皆さんには再度ご苦労をおかけするということで、誠に申し訳なく思っていますが、ご自身だけでなく家族や友人、恋人、職場の同僚、大切な周囲の皆さんを守るためにも慎重かつ責任ある行動をとっていただきますようよろしくお願いします。事業者の皆さんに対しては、協力金、月次支援金、家賃支援等といった様々な支援措置を設けています。県としても分かりやすい広報に努めていますので、ぜひこのような支援制度をご活用いただきますようお願いします。そのうえで、ご理解、ご協力をよろしくお願い申し上げます。まさに正念場です。これ以上の感染拡大は何としても食い止めなければなりません。県民の皆さんのご協力をよろしくお願い申し上げます。