ルンバのアイロボットが出した教育用プログラミングロボットの詳細は? 「Root」で子どもの向上心が燃え上がる!
ロボット掃除機「ルンバ」で有名なアイロボットジャパンが、プログラミング教育市場に参入すると発表しました。既に本国アメリカで導入されているプログラミングロボット「Root」を2月19日から日本でも販売するのです。「Root」の価格は2万9800円(税込)で、アイロボット公式オンラインストアで一般個人向けに販売するとともに、iRobot Education認定販売代理店を通じて小学校など教育現場にも販売していく予定です。
線を引いたり光らせたりと、プログラムで様々なことができる
「Root」は、ロボット本体と無償アプリ「iRobot Coding」によって構成されています。ロボット本体は、中央にホワイトボードマーカーを挿してロボットの動きに合せて線を引くことができ、裏面のイレイサーを下げて書いたラインを消すこともできます。上面のLEDを7色に光らせたり、全8音階と音符の長さを設定して音楽を奏でたり、カラーセンサーで色線をトレースさせたりすることが可能。裏面の磁石でホワイトボードに貼り付けて動かすこともできます。さらに、前面にはバンパーを搭載し、ルンバのように障害物に当たったら左右に曲がって障害物を避ける、といった動きもプログラムできるのです。
専用アプリでレベルに応じたプログラミングを学べる
専用の無償アプリ「iRobot Coding」を使えば、これらの機能を使った複雑な動きを簡単にプログラミングできるのです。同アプリはパソコン(ブラウザベース)またはスマートフォン/タブレット(iOS/Android)で利用でき、習熟度に応じてレベル1からレベル3までの3段階でプログラミングを学ぶことができます。
レベル1は、ロボットの動きがイラストで書かれたブロックをドラッグ&ドロップでつなげていくだけの簡単操作。誰でもすぐにロボットを操作できます。レベル1でコーディングの基礎を学んだら、レベル2にステップアップ。レベル2ではグラフィック・ブロックとテキストで書かれたコーディングスクリプトを組み合わせて、コーディングの流れを習得できます。レベル3は、フルテキストコードを使用してコーディングコマンドや構文を打ち込むことができます。なお、プログラミング言語はアップルのSwiftを使用。
レベル1で作ったプログラムをレベル2やレベル3に変換したり、逆にレベル3のフルテキストコードをレベル1のグラフィック・ブロックに変換できるので、自分が作ったプログラムの確認や、グラフィック・ブロックの構文を学んだりと、ステップアップ・ステップバックしながらプログラミングを学べる点がユニークです。また、プログラムをクラウドに保存することで、世界中のユーザーとシェアできるため、別のユーザーが作った複雑なプログラムから高度な構文を学ぶこともできます。
なお、iRobot Codingアプリで作ったプログラムはスマホ/タブレットからBluetoothを通じてRootに送られます。アプリ自体はシミュレーターとして単体利用が可能なので、実際にロボットを動かす前に確認できます。
シミュレーション画面を見ながらの試行錯誤が楽しい!
実際にRootを試してみたところ、グラフィック・ブロックをつなげるだけで簡単にRootを動かす事ができます。シミュレーション画面を見ながら試行錯誤するのは楽しく、「次はもっと複雑な動きを作ってみよう」という向上心をかき立てられます。
【動画】簡単なプログラムで動かした「Root」
【動画】複雑なプログラムで動かした「Root」
昨年末にRootエデュケーショナルインストラクターに就任し、小学校でRootを使ったデモンストレーション授業を実施している為田裕行氏(フューチャーインスティテュート代表取締役)は、Rootを使ったプログラミング教育の利点について、次のように語りました。
「プログラミングを漠然と学んでも、将来的に自分たちの生活にどのように役立つか分からない。しかし、Rootはみんながよく知るルンバの技術を転用しているので、自分の作ったプログラムがどのように動き、どのように生活に関わっていくか想像しやすい。ルンバがこのような複雑なプログラムで動いていることを知ることも、プログラミング学習には有効でしょう。加えて、このプログラムを作ることで、ロボット掃除機という新しい価値をもたらし、世界を変えたコリン・アングル(※アイロボットの共同創設者・現会長兼CEO)という最良のロールモデルが目の前にいる。プログラミングを学ぶことで社会を変えることができる、と子どもたちに教えることができるのです」
実際に体験した小学生の向上心を刺激
また、このほど行われたRootの発表会では、淑徳小学校(東京都板橋区)児童参加によるデモ授業様子を録画したビデオが公開されました。デジタルネイティブな子どもたちは、先生から簡単な説明を受けただけですぐにプログラミングに取り組み、思い思いにRootを動かす様子が見られました。体験した子どもたちが、「ルンバを操縦しているようで楽しい」「工夫できるのが楽しい」「もっと難しいのにチャレンジしたい」と語ったことから、好奇心や向上心を刺激され、もっと学びたい! と感じたことがわかります。
Rootはプログラミング言語が打ち込める本格的な仕様でありながら、組んだプログラムがすぐにロボットの動きで確認できる手軽さがあり、大人が使っても十分に楽しめるツールです。親子で一緒にプログラミングを学ぶのに最適なのではないでしょうか。
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