除菌・脱臭機 家の空気を臭いまで“丸洗い” 新しい生活様式のためのいいもの150

巣ごもり時間の増加で、自宅の空気環境への意識が高まっている。除菌・脱臭機は、どれも菌や臭いの元となる物質を酸化分解して空気を綺麗にするが、その分解の仕組みは「酸化力のある物質を利用」「イオンを発生させる」の2パターンに分かれる。それぞれを代表する商品を紹介する。

※日経トレンディ2021年1月号の記事を再構成

スイッチを押すだけで脱臭。ジアイーノ F-MV4100 (パナソニック)。[画像のクリックで拡大表示]

コロナ禍によって、自宅の空気環境への意識が劇的に高まる中、除菌・脱臭機の需要が急拡大。もともと、除菌・脱臭に特化した専用機はペットを飼う家庭が増えていることなども相まってニーズが広がっていたが、今や家電市場の一角を担う存在となっている。

除菌・脱臭機のメカニズムは複数あるが、どれも菌や臭いの元となる物質を酸化分解することで、空気の除菌・脱臭を行う。そのアプローチは大きく二つあり、これまで主流だったのは、シャープのプラズマクラスターを筆頭にした、空気中にある酸素と水から酸化力のあるイオンを作り出すタイプ。光触媒で酸化分解する商品もこれに近い。一方、急激に注目度が増しているのが、次亜塩素酸やオゾンなど、そもそも酸力の強い物質を直接空気中に放出できるタイプだ。

除菌・脱臭機 家の空気を臭いまで“丸洗い” 新しい生活様式のためのいいもの150

パナソニックのジアイーノは、塩と水道水を電気分解して生成する独自の次亜塩素酸水溶液で除菌・脱臭を行う。空気中に浮遊する菌やウイルスを吸引して、機器内部でそれらの働きを抑制するうえ、空気中に次亜塩素酸を放出することで、部屋に付着している菌やウイルスにも働きかける。2020年4月には注文が殺到し、一時的に新規受注を停止していた。

サイズ・重さ/幅39.8×高さ71.0×奥行き24.0センチメートル・約11.2キログラム、サイズ展開/3種:適用床面積(目安)約18畳、約12畳、約9畳、消費電力/強55W・中16W・静音10W、実勢価格16万5000円(税込み)[画像のクリックで拡大表示]空気中を漂う菌やウイルス、臭いを吸引し、本体内部で生成する次亜塩素酸水溶液で除菌・脱臭。また、きれいになった空気とともに気体状の次亜塩素酸を放出し、室内に付着した菌やウイルスの働きを抑制する。サイズ展開は3種で、小さいものもある。側面には水を入れるタンクなどがある(写真右)[画像のクリックで拡大表示]

実際に、換気扇を回さず肉を焼くなどして臭いがこもったキッチンで、調理後、運転モード「強」で使用したところ、臭いは30分も経たないうちに、ほとんど気にならなくなった。代わりにプールのような独特の塩素の臭いが少し感じられた。ペットや赤ちゃんのおむつ、介護環境などで発生し続ける臭いも脱臭するとうたっており、日常的に臭いの悩みを抱える人には第一候補となりそうだ。ただ約17万円と値が張り、次亜塩素酸を発生させるためには別売りの塩タブレットや、水のセットが必要になるなどやや手間もかかる。

様々な除菌・脱臭方法の合わせ技で、菌やウイルスの不活性化を図る商品もある。シャープのプラズマクラスター除菌脱臭機DY-S01は、同社でも最上位となる超高濃度のプラズマクラスターNEXTを搭載し、独自開発した光触媒フィルターと合わせて臭いを吸着、脱臭する。サイズは小さく、軽いため持ち運びがしやすいのも特徴だ。

サイズ・重さ/径23.3×高さ57.0センチメートル・約3.9キログラム、サイズ展開/なし:適用床面積(目安)約15畳、消費電力/強11W・中5.0W・おやすみ2.2W、実勢価格4万2700円(税込み)イオン濃度を従来より高めた「プラズマクラスターNEXT」と、光触媒脱臭フィルターを搭載。フィルターに吸着した臭い成分を光触媒が分解し、脱臭する。脱臭フィルターの交換は不要。ボタンは一つしかなく、誰でも簡単に使える[画像のクリックで拡大表示]

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