ルンバを巡ってアレクサと口論っぽくなった:「スマスピ」おしゃべり広場
Amazonのスマートスピーカー「Amazon Echo」がわが家にやってきた。残念ながら購入できたわけではなく、ITmedia NEWS編集部にレビュー用として置いてあるものを週末だけ借りてきたのだ。目的は、iRobotのロボット掃除機「ルンバ 980」との連携を試すこと。音声エージェントを使ってロボットを操る。メカフェチのロマンである。
「Amazon Echo」と「ルンバ980」。隣の「Google Home」もルンバの音声操作に対応する予定だが、順序はAmazon Echoの方が先になったAmazon Echoのセットアップは、まず自宅Wi-Fiへの接続から始まる。上面のアクションボタンを長押しするとライトリングがオレンジ色に光り、セットアップモードに移行。iPhoneで「Alexaアプリ」を開くと、Wi-Fiの接続先を切り替えろと言われる。Amazon EchoにはWi-Fiのアクセスポイント機能があり、これに接続して自宅Wi-Fiの設定を伝える仕組みだ。今回テストするルンバ980シリーズを始め、いくつかのIoT(Internet of Things)機器が同じ方法を採用している。
スキルの導入画面Amazon Echoをセットアップしたら、メニューの「スキル」で「iRobot Home」を選び、iRobotのクラウドサービスに接続するためのID/パスワードを入力、アカウントをひも付ける。この手順はPhilipsのLED照明「Hue」をセットアップする場合も同じ。それぞれのIoT機器が独自のクラウドサービスに接続しているので仕方ない面もあるが、やはりユーザーにとっては煩雑な作業となる。AmazonやGoogleのアカウントで一括管理できるようにならないだろうか。
早速動かしてみる。スキルの説明文にあった正しい言い方は「アレクサ、ルンバを使って〜」だ。
――アレクサ、ルンバを使って掃除して。
反応がない。ただのスピーカーのようだ。
そうだった。編集部のAmazon Echoは、一部のスター・トレックファンによってウェイクワードを「コンピュータ」に変えられていたのだった。
――コンピュータ、ルンバを使って掃除して。
アレクサ:OK、RX78が清掃を開始しました。
ルンバはホワ……ホームベースから離れ、掃除を開始した。なんという未来感。なんという宇宙世紀。
ちなみに「RX-78」というのは「ルンバ980」に付けていた名前だ。随分前に「iRobot Homeアプリ」上で設定し、すっかり忘れていたのだが、アレクサはちゃんと読み上げてくれた。ちょっとうれしい。
RX-78は無事にミッションをクリアし、ソファの下にあるホームベースに帰還した。しかし、ルンバの動作音が大きすぎて音声認識を阻害するのか、あるいは言い回しが悪いのか、実は何度も命令を無視されていた。
――コンピュータ、ルンバを使って掃除を終了して(スキルの説明にあった正しい言い方)。
アレクサ:RX78は清掃中です。充電済みです。
――コンピュータ、ルンバの掃除を中止(言い方を変えてみた)。
アレクサ:すみません。ルンバが見つかりません。
ルンバ:ガーガー――コンピュータ、ルンバを使って掃除を終了して(初心に戻った)。
アレクサ:すみません。なんだかうまくいかないみたいです。
――コンピュータ、ルンバを使ってホームベースに戻して(これもスキルの説明にあった正しい言い方)。
アレクサ:すみません。うまくいきませんでした。
――コンピュータ、ルンバの掃除を終了!
アレクサ:ちょっとよく分からないです。ごめんなさい。
ルンバの名前を呼んで喜ばせたかと思えばこの仕打ち。アレクサにはツンデレの素養もありそうだ。
一方でルンバ側の対応も不十分だと思う。例えば「Google Home」と連携する「Chromecast」は、コンテンツ再生中にウェイクワードを感知すると自動的に音量を下げる。これは音声認識の精度向上のためだが、人間が大声を出さなくて済むメリットの方が大きい。今後はロボット掃除機もウェイクワードで一時停止するか、モーターの回転数を落とすといった配慮が必要になるのではないだろうか。
なお、うまく認識されるとアレクサの声は優しい。
――コンピュータ、ルンバを使って掃除を終了して
アレクサ:ルンバをホームベースに戻しますか?
いつもこのくらい素直だといいのに。
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