江原啓之「“あの世”へ行ってきました」…“あの世”の景色、“あの世”でのやり取りを語る
◆ベッドに入って眠ろうとしたら…
「あの世の歩き方 この世じまいの“地図”を手にすればもう迷わない!」(小学館)という本を執筆しました(11月4日(木)発売)。供養や終活とよく言いますが、よくよく考えてみたら、“あの世”のことを知らないで決めるのはおかしいですよね。死んだら人間はどうなるのか、どんなところに行くのか、こんなこともある、極悪非道な人はどうなるのか……など、いろんなパターンを書いています。
前書きを書いているちょうどそのとき、“あの世”へ行ってきました。前書きを書こうと思っていたときなのですが、夜、寝たんです。ベッドに入って体は寝ているけれど、頭は起きている。そんな状態。そうしたらスーッと幽体離脱をした。パッと出たところに海のような大きな水辺があって、緑のすごい庭園。そこに和風の家がある。「すごく似ているな」って思ったのが(以前、ディナーショーをしたことがある)鹿児島の島津重富荘。(島津重富荘から)海を挟んで向こう側に桜島が見えるんです。
でも、よく見ると、海ではなく川だということがわかった。芝生の向こう側の和風の家。明治記念館のような、重富荘のような建物に赤い提灯がいっぱいついている。その赤い提灯というのが、長崎にある花月という料亭によく似ている。
川が流れている向こう側、要するに現世。自分があの世側に来ているのだと(いうことがわかった)。そこに、まるでモン・サン=ミシェル(フランス西海岸、サン・マロ湾に浮かぶ小島)の引き潮のときに出てくる道のような1本道。その庭園とは似つかわないゴツゴツとした道が、モーゼの十戒みたいに開いたような感じでもあるんです。あの世とこの世がつながっているような感じ。
そのなかには男の人もいましたが、黒い留袖を着たご婦人方が30人くらいいました。近くに寄っていって「これは結婚式なのですか?」とたずねると、「そうなの。生きていたときに添い遂げられなかったカップルが結婚式を挙げるのよ。それが醍醐味なのよね」とみんなで朗らかに言うんです。
言ってる意味がわからなくて、「なんなんだろう?」と思っていると、黒澤明監督の映画「夢」の「狐の嫁入り」のような感じで、新郎新婦が白無垢と紋付羽織袴で来るんです。そして、こちら側の人も「きれいよ」「おめでとう」などとお祝いの言葉を一生懸命にかけている。けれど、どことなく暗い。お嫁さんも微笑んではいるのだけれど、うつむいていて、なんとなく暗い。
そんななか、周りの人が「ほら、新郎のほうを見てごらん。新郎のほうがより暗いでしょ」と教えてくれたんです。確かに暗い影絵のなかにいるように見える。すると「新郎のほうが生きているんだよ」と。「え? 今、これどうなっているんですか?」と聞くと「この人は今、寝ている状況なんだろう。結婚式をしているような夢を見ているはずだよ」と。
「なんとなく暗い」というのは何かというと、この世の結婚式のように「これから始まる」のではなく、これで「気持ちの節目を迎える」ということ。だから、この結婚式によってお嫁さんは気持ちを浄化させて、新しい“あの世”での人生の生き方が始まる。なるほどと思いました。
案内役の人がいて、その人に「次に行く」と言われて連れて行かれたんです。そこは500人くらいのホール。すると「これから講演会をしてもらう」と言うんです。「え? 私は生きているのに、なんでこっちで講演会をするんですか?」と言ったら、「亡くなってこっちに来ても、なかなかこっちの世界を理解できないと言う人がいる。お前のほうが現世で長いこと“あの世”の話をしているから、お前を信じる人たちが結構いる。だから講演をしてくれ」と言うんです。それを聞いて「確かに、こういう仕事を30年もやっていれば、私が言ったほうが説得力があるのかもしれない。そうか……」と思ったんです。
そうこうしていると、どこからともなく人が現れて急に会場が埋まっていき、歓声が上がった。500人くらいのホールだったはずなのに、1,000人、2,000人くらいの、ものすごくたくさんの人がいるような雰囲気。そこで私は、現世でいうところの「90分コースの講演会」をしたんです。話した内容も全部覚えています。
講演会が終わったときに、みんながワァーっとすごく盛り上がってくれた。「あぁ、良かった」と思っていたら、お客さんの上のほうから、また別の人がスゥーっと二重に現れるんです。そして、お互いに顔を見合わせて「ほら、言った通りでしょ」といった感じの顔でにっこりと微笑んで、フワァーっとみんな消えていったんです。
私はせっかく来たからには、いろいろと見学をさせてもらおうと思ったんです(笑)。けれど、御案内役に紳士な男の人がいたのですが、その人にまた川のところまで連れてこられて「おつかれさま」と言われて、帰らされてしまいました(笑)。
私はずっと「この人は……」と思いながら(現世に)戻りました。後になって気が付いたのは、4歳のとき(に父を亡くして)からずいぶん経っているのでよくわからなかったのですが、父でした。その話を本の前書きに書きました。(現世には)瞬時にハッと戻ってきたので、「あらららら、今、すごい旅をしてきてしまった」と思って、それからは枕元にノートや録音する機械を置いておこうと思いました。
◆江原啓之 今宵の格言
「あなたは『あの世の歩き方』を知っていますか?」
「あの世を知らずして、あの世へは行けません」
<番組概要>
番組名:Dr.Recella presents 江原啓之 おと語り
放送日時:TOKYO FM/FM 大阪 毎週日曜 22:00~22:25
エフエム山陰 毎週土曜 12:30~12:55
パーソナリティ:江原啓之
番組Webサイト:http://www.tfm.co.jp/oto/