ハウスクリーニングのプロに聞く家の中の汚れている場所TOP5

コロナ禍でおうち生活が続いているが、その分、家の汚れなどが以前よりも目に付くようになり、きれいにしたいというニーズも生まれているだろう。とはいえ、隅々までキレイにするのは至難の業。どこを重点的に進めたら効率がいいのだろうか。

そこで今回はハウスクリーニングのプロに、一般家庭の汚い場所ランキングトップ5と、共働きや子育て家庭が忙しくても、家をきれいに保つコツや掃除方法を聞いた。

コロナ前と比べて掃除回数が増えた家庭は45%

株式会社リンレイが2020年11月に、全国の20代~80代で自粛期間中に本人または家族が床ワックス掛けを行った500人を対象に「新型コロナウイルスの感染拡大による自粛期間の掃除に関する意識調査」を実施したところ、新型コロナによって自宅の衛生環境の意識は変わったかどうかを尋ねる問いに対し、「強く意識するようになった」、「意識するようになった」を合わせて81%の人が「変わった」と回答した。

また、コロナ前と比べて自宅の掃除に気を使う人が増加し、頻度が多くなった人は45.0%にも上った。

普段はしないところまで掃除するようになった人は32.2%、除菌スプレーなどひと手間加えるようになった人は31.4%など、新しい掃除スタイルも登場していることがわかった。

コロナ禍ではじめて掃除するようになった場所1位は「玄関」で、2位以下は「洗面所」「キッチン」と続いている。

一般家庭の家の中、どこが汚い?TOP5を聞いてみた

コロナ禍で掃除への関心が高まる中、ハウスクリーニングのプロに、ぜひとも家の掃除術を聞いてみたい。一般家庭では、どの箇所が最も汚れているのだろうか?

今回は、「おそうじ革命」にインタビューを行った。おそうじ⾰命の特徴は、「誇りを持って掃除に向き合う、誰よりもカッコイイ仕事」として、清掃員ではなく「キレイクルー」という呼称を使っている点。また他社が1-2週間で済ませる研修を、最低2ヶ⽉かけて行っている点などがある。

先日はサービス名にもある“⾰命”が名前だけになっていないか、お客様の暮らしに“⾰命”を与えられているか、などを問い直し、リブランディングを実施。その一環として「毎⽉やります!⾰命割」という、無茶だけれども⾰命なキャンペーンに毎⽉チャレンジしていくプロジェクトをスタートした。

ちなみに2022年3月の革命割は、⼀⼈で育児を頑張る人を対象にした「ワンオペ育児応援割」。費用は子どもが⽣まれてからの⽇数×1円のみ。先着ひと家族のみなので、惜しくも外れた子育て家庭は、12歳以下の子育て世帯などを対象とした3%引きの「子育て支援割」も提供しているので、そちらを利用するのもいいだろう。

そんなお掃除革命の代表、福井智明氏に、一般的に共働き家庭や子育て家庭の家の中で、汚れが多い「汚場所ランキングTOP5」を挙げてもらった。

「最近のエアコンは、お掃除機能付きが主流で、勝手に内部をキレイにしてくれていると思われていることが多いです。しかしお掃除機能は、あくまでもフィルター(網)の埃を取ってくれる機能です。エアコンの中に小さな掃除機が入っていて、埃を取ってくれます。お掃除機能が付いてない、一般的なエアコンの場合、フィルター(網)を外して掃除機をかけたり、水洗いをしていたと思いますが、その作業をロボットがやってくれます。

ハウスクリーニングのプロに聞く家の中の汚れている場所TOP5

ただし、注意したいのは、カビや雑菌などにはノータッチであるということです。床の掃除機がけと同じで、埃が湿気を吸って塊になると掃除機では吸い取りにくくなり、それがどんどんたまって、結局、お掃除機能の吸引力の限界を超えて、内部が埃とカビだらけになっています。

それでもみなさんは『掃除してくれてる』と思い放置していることが多く、内部がすごく汚れている場合が多いのです。お掃除機能付きエアコンのクリーニング依頼は、年々多くなっています」

「浴室は、アルカリ性、酸性、カビなどの汚れが混在していて、市販の1種類の洗剤ではすべてをキレイにすることはできないため、汚れていることが多いです。

水垢は、単なる汚れではなく、浴槽や壁面などの表面をザラつかせるので、そのザラつきがさらに汚れを蓄積させる原因になります」

「特に寒い時期は、ベランダの掃除はおっくうになりがちで、放置していると砂埃やチリが湿気とともにへばりつき、雑巾で拭くだけでは汚れを伸ばすだけになってしまいます」

「尿と水道水の成分が混じり合い、薄くて硬い水垢になります。便器内の光沢がなくなっているなら、水垢が光沢感を覆っている状態になっていることが多いです。そうなると、洗剤の力だけでは分解できず、ブラシなど研磨力の弱い道具でもどうにもなりません。薄い水垢が付着しだすと表面がザラザラになり、さらに水垢が付きやすくなり、負のループになります」

「洗濯が終わった衣類が少し臭かったり、すごく小さな黒い粒が付いてたりした場合は、間違いなく内部のカビです。洗剤を多めに使ったり、柔軟剤や芳香剤を使ったりすると、成分が残りやすく、その成分がヌメリとなり、内部がカビやすくなります。

市販の洗濯機クリーナーなどは売ってますが、どこまでキレイになっているかは不明です。

私たちも洗濯機のクリーニングを実施する場合は、ドラムを外して、専用の洗剤を何度もつけ置き、お湯を使ったり、高圧洗浄をしたりしてやっとキレイになるほどの汚れです」

普段から汚さないコツと家庭での掃除術

自分では掃除していると思っていても、実は汚れが取れていないケースは多いことがわかる。そこで福井氏に、先に挙がった5つの場所について、普段から汚さないコツと家庭での掃除術を聞いた。

「最低でも、1か月に1回はフィルター(網)を外して掃除機掛け、または水洗いをおすすめします。これはお掃除機能付きのエアコンであっても同じです。

冷房を使うシーズンは、お部屋は室温とともに湿度も下がります。湿気はすべてエアコンが吸って外に出してくれています。ですが、すべて外に出し切っているわけではなく、エアコンの中に一定量たまっているので、エアコンの中は常に湿気だらけの状態です。吸った埃が湿気を吸うので、お掃除機能の掃除機でも吸いきれない場合が多々あります」

「いつもお風呂上がりに、40度以上のシャワーで全体を流して、よく乾かしましょう。カビの繁殖を抑え、皮脂や石鹸残りも流れるのでおすすめです」

「ホースを用意して、最低1か月に1回は水で砂埃を流すことで、砂埃の蓄積を抑えることが大切です」

「市販洗剤をかけてすぐにこするのではなく、トイレットペーパーを便器内に貼り付け、そこに洗剤をたっぷりかけて、1時間以上放置したあとにこする。トイレットペーパーはそのまま流しましょう」

「市販の洗剤で内部のキレイを保つのであれば、最低1か月に1回は市販の洗剤で洗浄する。ただし、それでもキレイになっているかどうかは不明ですので、定期的にクリーニングをプロに依頼するのがおすすめです」

これらのアドバイスをヒントに、おうちをきれいに保ちたい。とはいえ、コロナ禍で、家にいることが多い今、たまにはハウスクリーニングを利用するというのもいいだろう。新たな発見につながるかもしれない。

【参考】リンレイ「自粛期間の掃除に関する掃除の意識調査」おそうじ革命

取材・文/石原亜香利