ヤマハ発動機、新型125ccスクーター『シグナス グリファス』発売…水冷エンジン搭載で出力・燃費向上
ヤマハ発動機は、シリーズ初の水冷エンジンを搭載した新型原付2種スクーター『シグナス グリファス』を12月23日に、ロードレース世界選手権参戦60周年記念の限定モデル『シグナス グリファス WGP 60th アニバーサリー』を2022年2月24日に発売する。
シグナス グリファスは、「Advanced Total Performance Sport」をコンセプトに開発。現行『シグナスX』をフルモデルチェンジした、シグナスシリーズ初の水冷エンジン搭載車となり、パワーと燃費を従来比で約20%向上させた。
価格はシグナス グリファスが35万7500円。ヤマハワークス由来の「白赤ストロボ」をモチーフとしたカラーリングのWGP 60th アニバーサリーは1000台限定で36万8500円。
シリーズ初の水冷エンジン搭載
パワーユニットは、高燃焼効率、ロス低減、冷却性の3点を照準に開発したシリーズ初の水冷ブルーコアエンジンを搭載。走りの楽しさと燃費・環境性能を両立させた。燃焼室は、パワーと燃費の両立を図るためコンパクトに設計。高効率燃焼のポイントとなる圧縮比は、従来の10:1から11.2:1へと高め、混合気のタンブル(縦渦)を効果的に生成させ、FIセッティングとの相乗効果で高出力と優れた燃費性を実現。最高出力12ps、燃費は44.5km/リットル(WMTCモード燃費・クラス1)、ともに約20%向上させている。
エンジンには、始動モーターとジェネレーターを一体化したSMG(Smart Motor Generator)を採用。始動時は始動モーターとして機能し、走行時はジェネレーターとして働く。従来の始動モーターと減速ギアが不要となり、軽量・コンパクト化・静粛始動を実現している。また、低速向けと中高速向けのカム(吸気側)のリフト量が6000rpmで切り替わるVVA(Variable valve actuation=可変バルブ)を採用。相互にトルクカーブを補完し全域で優れたトルク特性を発揮する。
新設計のアンダーボーンフレーム採用
新エンジンの搭載・重心位置最適化と、ボディ剛性をバランスさせた新設計のアンダーボーン型フレームを採用。メインパイプは左右非対称で、またテンションバーによるチューニングにより強度剛性としなやかさをバランスさせた。さらに、スペース効率を配慮した設計により十分なシート下トランクスペースを確保している。
また、新ディメンションにより、良好な直進安定性と、スポーティで機敏な操縦性を両立。ホイールベースは現行モデル比で35mmロングの1340mm、キャスター角は現行27°00′に対し、26°30′とした。新開発のフロント120/70-12、リア130/70-12のワイドタイヤとのバランスにより、直進安定性と機敏な操縦性を兼ね備えている。
ブレーキはフロントにΦ245mm、リアには従来より30mm大径化したΦ230mmのディスクブレーキを採用。リアブレーキ操作でフロントブレーキもバランスよく効力を発生させるUBS(ユニファイドブレーキシステム)により、制動時の車体挙動に穏やかさをもたらす。さらにΦ33.0mmインナーチューブの正立式フロントサスペンションと、走行状況に応じてイニシャルを4段階調整できる2本のリアサスペンションを採用。減衰力特性を最適化しており、落ち着いた乗り心地に寄与している。
野獣の表情をイメージしたフロントマスク
新エンジンと新フレーム採用にあわせ、スタイリングも刷新。シグナスシリーズを継承・進化させた「安定感のある乗り味」と、さらに進化した「スポーティ性能の表現」によるダイナミックな造形が特徴だ。LEDヘッドランプは、従来の1灯式からシャープな2灯式に進化。ロービームでは右側が点灯、ハイビームで左右両方が点灯し、デザインコンセプトの「Glaring Predator」の通り、肉食動物が獲物を捕らえる時の表情をイメージさせる。また上質感ある面発光テールランプは、鋭い肉食動物の目線を想起させる。
スポーティなデジタルメーターは、バータイプのタコメーターとデジタル表示のスピードメーターを中央に配置する。約28リットルのシート下トランクに加え、トランク前方にはヘルメットフックを2個装備。フロントポケット上部にはスマートフォンなどの充電に便利なUSBソケット、フロントパネル側には持ち手の太いバッグも掛けられる折り畳み式の大型フックを装備する。