『ASTRONEER』中身は本格的ながらかわいい見た目でサンドボックス初心者も楽しめる【海外ゲーム名作案内】
海外ゲーム大好きな担当ライターが実際にプレイして気に入ったタイトルを紹介する“海外ゲーム名作案内”コーナー。今回は、PLAYISMより1月13日発売のPS4/Switchソフト『ASTRONEER(アストロニーア)』をとり上げます。
本作は未知の星系へやってきた主人公が、惑星を開拓していくサンドボックスアドベンチャーです。プレイヤーは、資源の採集や生産施設の設置などを通じて活動拠点を構築し、惑星の探索を進めていきます。キャラクターやオブジェクトは、おもちゃのブロックについているフィギュアのようなかわいい見た目をしています。ゲーム自体は複雑ではないものの本格的です。
ちなみに本作は、アーリーアクセス版を2016年にXbox OneやWindowsで発売。以後、改良を重ねて海外では2019年に正式発売を迎えるという結構長めの歴史を持っています。筆者はXbox Oneでアーリーアクセス版をプレイしたことがありますが、プレイヤーにソフトを公開しながら長い間開発を続けただけあって、現在ではかなり洗練されたゲームデザインに仕上がっていると感じました。
遊んでいるうちに時間が溶けていくように過ぎていくサンドボックスゲームの良作を海外PS4版をもとに紹介していきます。
独特の建設&地形変更システムが興味深い
本作ではまず、着陸地点周辺で資源を集めて3Dプリンター施設や道具を作ることになります。作った施設やアイテム、そして主人公のバックパックには赤い縁取りがされたソケットがついていて、ソケット同士をくっつけることでアイテムをバックパックに格納したり、生産施設に素材を投入できたりします。
また、設備の稼働に必要な電力は設備のプラットフォーム(土台)についたケーブルを発電設備につなげることで伝達できます。
『ASTRONEER』独特と言えるこのシステムは、キャラクターのおもちゃのフィギュア的な世界観をプレイヤーに印象付けるとともに、アイテムや施設の管理を分かりやすく表現しているように感じました。
さらに、本作の重要なポイントは主人公が使う“地形ツール”でしょう。巨大な掃除機のようなこの装備は、土砂を吸い込んで地形を掘り下げるためのもの。本作の資源は地上だけではなく、地下の洞窟や山岳地帯に埋もれていて、採集には地面を掘らなくてはならないのです。
この装備に掘った土砂を溜める“小型キャニスター”を装着すると、掘る以外に土を盛ったり地面を平坦にすることが可能です。これらの機能を使えば、谷間の地形に橋をわたして向こう側へ移動したり、地下の空洞へスロープをつけて安全におりることができます。
地形ツールの活用で、地形を利用しやすい形に変化させるシステムは奥が深く、プレイヤーの発想しだいで、縦横無尽の使い方ができる非常に自由度の高いものがと思います。
開発と採集のバランスが取れた探索要素
サンドボックスゲームとしてはテンポよく開発が進むところも『ASTRONEER』の魅力でしょう。本作は、“バイト”と呼ばれるポイントで新たな施設やアイテムをアンロック、各地で採集できる資源で生産、開発を進めていきます。
バイトは探索の途中で見つかる“研究アイテム”や“研究サンプル”から獲得できます。探索することで資源といっしょに研究のリソースが手に入るため、目当ての素材が入手できる限り開発の手が止まることがなく、プレイヤーに無駄な待ち時間が発生しないところはいいですね。
『ASTRONEER』の世界には7つの惑星が存在し、それぞれ独特の資源が埋蔵されています。開発を進めるうえで避けられないのが惑星間の移動でしょう。本作では、割と早いタイミングで惑星間移動が必要となります。
シャトルを建造して打ち上げ、惑星間を移動する間もゲームはシームレスで進行するため、ちょっとした宇宙旅行気分が楽しめるのもいいですね。未知の惑星へ降り立ち、目当ての資源を探し当てて帰還するひと通りの流れは、なかなかの緊張感と達成感があります。
最初に作れるのは主人公1人だけが乗れる“小型シャトル”ですが、開発が進めば拠点となる施設を詰んで飛べるより大型のシャトルの建造も可能となります。
宇宙のロマンを存分に楽しめるフィールド
オブジェクトもさることながらカラフルな色調のフィールドも見逃せません。大小7つ存在する惑星は、いずれもそれなりの広さがあり資源や研究アイテム以外にも多彩なオブジェクトが散らばっています。
オブジェクトの中には、電圧をかけたり特定の資源を投入したりすることで開く宝箱的な存在の他、主人公がたどり着く前に建造されたと思われる超文明の遺跡や、プレイヤーと同じくこの星系に入植するも、失敗したものの残骸などプレイヤーの想像力をかき立てるものばかり。
これらはただの背景だけではなく、例えば残骸ならスクラップにして交易に使えるなど、ちゃんとした使い道があるところもしっかりしています。
なお登場する惑星は、いずれも主人公が呼吸に必要な酸素が存在しません。主人公は、酸素を供給する拠点から離れるなどして、スーツの酸素が尽きると窒息死する危険があります。
プレイヤーは“テザー”と呼ばれる中継ロッドを設置して酸素と電力の供給網を伸ばしたり、酸素の供給装置を持つ乗り物を作ったりして行動範囲を広げていくことになります。この範囲を広げていく感覚も、本作の楽しさでしょう。
初心者向けのチュートリアルも充実!
サンドボックスゲームといえば、自由度が高いために序盤で何をすればいいかの指針に乏しい印象を受ける方がいるかもしれません。
本作は、アーリーアクセスのかいもあってか最初の惑星に降り立ってから何をすればいいかのチュートリアル“ミッションログ”が用意されています。ミッションログに表示された項目を順番にこなしていけば、ゲーム内でプレイヤーがなにをすればいいか分かるはずです。
さらに項目ごとに報酬として新たな施設やアイテムなどがもらえるので、活用すれば惑星の開拓をより早いテンポで進められることでしょう。
また、メニューには“クイックヘルプ”があり、基本的な操作やサバイバル知識、各惑星と採取できる資源がチェックできるので分からないことがあったらチェックしておくといいでしょう。
なお本作のパッケージ版を購入すると、初回特典としてフルカラー32ページの“冒険に役立つガイドブック”がもらえます。
ゲームに用意されたチュートリアルだけでは不安な人だけではなく、ゲームをプレイする際に手元に置いておくと役立つ知識が満載なので、気になる方は早めに購入しておくといいかもしれませんね。
サンドボックスゲームとしては初心者におススメしやすい内容
ここまで紹介してきた『ASTRONEER』。L2ボタンでカーソルを出してR2ボタンで選択のように独特の操作感に最初は戸惑うかもしれませんが、慣れでどうにかなる程度だと筆者は感じました。
気になる人はすでに触っているかもしれませんが、サンドボックスゲーム好きならストライクの内容ですし、このジャンルが初めてだったりほかのゲームで挫折してしまった人が再チャレンジするのにも最適だと思います。キャラクターや施設のデザインに引かれるものを感じたのであれば、ぜひ挑戦してほしいですね。