【人とくるまのテクノロジー展 2018】マツダ「SKYACTIV-X」、スバル新型「フォレスター」など国内自動車メーカーブースレポート
スマートスピーカーによるデモ、AR技術によるエンジン紹介、3Dプリンターによる砂型造形技術の紹介も
マツダのSKYACTIV-X神奈川県横浜市のパシフィコ横浜・展示ホールで5月23日、自動車技術展「人とくるまのテクノロジー展 2018 横浜」が開幕した。会期は5月23日~25日の3日間。入場料は無料で登録制。ブースはメーカーやサプライヤーなど597社が出展。この記事では国内自動車メーカーのブースを紹介する。
トヨタのブースではFCV「MIRAI」を中央に配置し、FCVの説明のほか、トヨタが示す電動化のロードマップ、電動車の棲み分けなどをパネル展示した。新型エンジンのほかMaaS専用次世代EV「eパレット コンセプト」の説明もパネル展示した。
「MIRAI」のカットモデル車両電動化のマイルストーン電動車のすみわけ水素を取り巻く現状新型エンジンは2機種で、1つはトヨタ初のV6過給エンジンでレクサス「LS」に搭載されているV型6気筒3.5リッター直噴ガソリンターボエンジン。Direct Shift-10ATと組み合わせることで競合のV8過給エンジンと肩を並べる動力性能があり、圧倒的な燃費性能を実現するとしている。
レクサス「LS」に搭載されるV型6気筒3.5リッター直噴ガソリンターボエンジンもう1つの直列4気筒2.0リッター直噴ガソリンエンジンはトヨタの中核エンジンとして展開するもの。2.5リッターDynamic Force エンジンの熟成を進め、Direct Shift-CVTと組み合わせて競合過給エンジンと互角以上の動力性能と、これらを凌駕する燃費を実現するとしている。
直列4気筒2.0リッター直噴ガソリンエンジンそのほか、MaaS専用次世代EV「eパレット コンセプト」の説明もパネルや動画で行なわれた。
MaaS専用次世代EV「eパレット コンセプト」の説明日産は新型リーフを中央に配置、リーフのバッテリーとモーターのメカニズムを展示したほか、「プロパイロット パーキング」をVRで体験できるコーナーを設置した。プロパイロット パーキングはVRで体験ができるほか、これとは別に1階ピロティの駐車枠において実物のリーフに乗って体験する試乗体験も実施している。
新型リーフ新型リーフは車内乗り込みも可能新型リーフのモーターとバッテリープロパイロット パーキングの360度VR体験コーナーホンダはN-BOXのボディ骨格を展示、衝突対応の技術などをパネル展示した。
N-BOXのボディ骨格N-BOXのボディ骨格の説明2輪車では大型プレミアムツアラー「ゴールドウイング ツアー」を展示。カウルを外したボディを展示したほか、第3世代DCT(Dual Clutch Transmission)などの展示を行なった。
大型プレミアムツアラー「ゴールドウイング ツアー」ゴールドウィングのフレームを露出させたところ水平対向6気筒エンジンと第3世代DCTを展示したマツダのブースでは独自燃焼方式「SPCCI(火花点火制御圧縮着火)」採用の次世代エンジン「SKYACTIV-X」を展示した。このエンジンはディーゼルエンジンのような圧縮着火をガソリンエンジンで実現させる技術を採用している。SPCCIの名前のとおりプラグで点火する領域も持っており、プラグコイルもあるエンジンを間近で見ることができる。
次世代エンジン「SKYACTIV-X」次世代エンジン「SKYACTIV-X」SKYACTIV-XとSPCCIの説明そのほか、ブース中央にはアクセラがベースのホワイトボディを配置。マツダの車両構造技術の「SKYACTIV ビークル・アーキテクチャー」をパネル展示するとともに「G-Vectoring」の特徴もパネル展示した。
アクセラがベースのホワイトボディアクセラがベースのホワイトボディ「SKYACTIV ビークル・アーキテクチャー」の説明スバルブースでは発売間近の新型フォレスターを展示した。車両は北米仕様の左ハンドル。車内に乗り込みはできないが、車内の様子も覗き込むことができ、注目を集めていた。
新型フォレスター(北米仕様)新型フォレスター(北米仕様)と搭載安全技術三菱自動車のブースではエクリプス クロスを中央に展示し、エンジン技術を展示したほか、北米仕様のエクリプス クロスで実現しているスマートスピーカーによる車両操作のデモンストレーションを行なった。
エクリプス クロスエクリプス クロスと搭載する1.5リッターエンジン「Amazon Echo」「Google Home」の参考出品では、スマートスピーカーと自動車の連携機能として、ヘッドライトの点灯、車内の温度調節、ドアをロックする機能などのデモンストレーションを行ない、来場者が実際に体験できる。
Google Homeで指示すると、クルマが応答する北米仕様の実車がないので、画面上でエンジンがかかり、エアコンが動き出す様子を表示Amazon Echoにも対応しているスズキのブースでは、新型「スイフトスポーツ」に搭載する直列4気筒DOHC 1.4リッター直噴ターボ「K14C」型“ブースタージェットエンジン”を展示。エンジン内部についてはAR(拡張現実)技術を活用した360度のコンピューターグラフィックスで確認できるようにした。
直列4気筒DOHC 1.4リッター直噴ターボ「K14C」型“ブースタージェットエンジン”市販車に搭載の技術を展示する目的で2017年12月に発売した新型軽自動車「スペーシア」を車両展示。安全技術などをパネル展示した
そのほか、2輪車として125ccクラスの原付二種スポーツバイクとして1月に発売した新型「GSX-R125 ABS」、マリン製品では二重反転プロペラ「スズキデュアルプロップシステム」を採用したフラグシップ船外機「DF350A」を展示した。
ダイハツは市販車としてコンパクトなトールワゴン「トール」と、軽自動車「ミラ イース」を展示したほか、3Dプリンターによる砂型造形技術を紹介した。
ミラ イーストール砂型造形技術とはエンジンのパーツを鋳造する際の砂型を3Dプリンターで作る技術。従来、砂型を作るためには木型を作るために何日もかかっていたが、3Dプリンターで人工砂造型を作ることにより数時間に抑えるという。これにより、エンジン開発期間の短縮が見込めるとしている。
3Dプリンターで造形された砂型とそれによって作られたエンジンのパーツ3Dプリンターによる砂型造形技術の説明パネル3Dプリンターで造形された砂型