工具専門ショップの個性光るオリジナルツール×6選〈かっこよくて/とんがった/間違いのない工具〉

ツールの特性を十分に把握しているからこそ、「かっこよくて/とんがった/間違いのない工具」というスローガンを掲げる横浜市の工具専門ショップ「ワールドインポートツールズ」。そんな同社が販売する個性適で使いやすい工具を6種紹介しよう。

●取材協力: ワールドインポートツールズ横浜

ワールドインポートツールズが掲げるスローガンは「かっこよくて/とんがった/間違いのない工具」。新奇性を追求すれば前の2つは達成できるかもしれないが、最後の”間違いのない”をクリアするには単にモノを並べるだけでなく、各々の特長や特性を知っておくことが必要。

その点で、同店スタッフの経験や知識は趣味のサンデーメカニックもちろん、日々現場で働くプロメカニックからも大いに信頼されており、彼らのアドバイスは間違いのない工具選びに役立っている。通販サイトが充実しているにも関わらず、店舗に来るユーザーがとにかく多いのはそのためだ。今回選定した中には有名ブランドツール以外の工具もあるが、実力はどれも間違いのないものばかりだ。

ボルトリムーバブルコンビネーションレンチ:90%まで角が丸まったボルトも緩む!?

ボルトの頭と工具のサイズが合っていればナメないと思うのは間違い。シグネット[SIGNET]のレンチは、独自のデザインによりボルトの角部から大きく離れた場所に掛かるのが特長。メガネ側は90%丸くなったボルトでも回すことができ、旧車レストアでは頼りになる存在だ。

[写真タップで拡大]

このレンチはボルトの角や角近くに接触させるのではなく、左回りにした時に6箇所のエッジがボルトの一辺の中央部あたりに接触する。二面幅の寸法は決まっているが、ボルトの損傷次第で入るレンチを入れても良い。 [写真タップで拡大]

角部が傷んでいないボルトナットに対しては極端な面接触作用となるが、化粧ボルトやナットは傷がつくこともあるので要注意。 [写真タップで拡大]

ワールドインポートツールズでは8/10/12/13/14/17mmの6本をオリジナルバッグに入れた限定セットを販売中。 [写真タップで拡大]

ハンマーレスセンターポンチ:パチンコの要領でガツン!!

穴開け作業で位置決めする際、ハンマーでセンターポンチを打つ瞬間や、オートマチックポンチを押しつける時にずれてしまう場合がある。スプリングツール[SPRING TOOLS]のポンチは、2分割のボディをスプリングでつなぎ、バネの張力でポンチングを行う。単純な仕組みだが、狙い通りに打てるのが驚き。

センターポンチは両端に尖りがあるが軸部の長さが異なり衝撃力を変えられる。長い方を重りにすれば深く凹みをつけられる。 [写真タップで拡大]

工具専門ショップの個性光るオリジナルツール×6選〈かっこよくて/とんがった/間違いのない工具〉

ポンチの先端をケガキに合わせて反対側を引き、手を放せばパチンコの要領でポンチングできる。余計な反動がないのでズレにくい。チゼルはハンマーを振りかざす余裕のない場所でスマートに作業できる。 [写真タップで拡大]

ワイヤーブラシセット:素材で使い分けられる3種のブラシ。汚れやサビ落としに便利なセット

ディスクブレーキのマスターシリンダーやキャリパーのスライドピンの受け側の汚れや錆落としに便利なブラシセット。3種類の素材のブラシは直径8~19mmまで1mm刻みで12本揃った合計36本で、付属のドライバーグリップや電動ドリルドライバーにセットできる。

ブラシ素材はナイロン/スチール/真鍮で、1/4インチの六角軸はビットと同サイズ。ドライバーグリップはエクステンションバー付き。 [写真タップで拡大]

傷を付けたくないマスターシリンダーは柔らかいナイロンが、錆で接触不良気味のライトソケットにはスチールが適している。 [写真タップで拡大]

ボルトエキストラクター:ボルト折れに必須。下穴用の左回転ドリルだけで抜ける可能性あり

ボルトエキストラクターは固着や錆で頭が折れたボルトやビスを抜く定番ツール。このセットは5サイズのエキストラクターそれぞれに下穴用のドリル付きなのが珍しい。さらにこのドリルは左回りで進む逆回転タイプで、ドリルの刃が食い込むことでボルトに緩む力が加わるメリットがある。

逆回転ドリルにはAC100Vではなく充電式DCバッテリーのドリルドライバーが必要。専用ドリルでもボルトの中心に穴を開けることが重要だ。 [写真タップで拡大]

首振りベリーショートラチェット:全長わずか63mmに72ギアを内蔵。ソケットもビットも指先で使える

大きなトルクは掛けられないが指で回すより力が入る、1/4ビット用の六角穴と1/4ソケット用の凸部が一体化された全長63mmのラチェット。回転切り替えのレバーも廃して、72ギアの回転方向を変える際はヘッドの表裏を変えるという徹底した割り切りがユニーク。

首振りラチェットのヘッドを繋いだような独特のデザインで、ビットとソケットの差し込み部はヘッドの両側に突き出しているが厚みは約23mmなので邪魔な印象はない。 [写真タップで拡大]

ミニバルブプライヤー:ウレタンスポンジを貼ったソフトな先端部分で、極細のT5ウェッジベース球も優しくホールド

自動車やバイクの電球には口金付きと口金のないウェッジベース球がある。小サイズのウェッジ球は着脱しづらく、自動車のインパネなどに使われるT5サイズは指先でつまむのも苦労するほど。このプライヤーを使えば、ガラス部分を傷めることなく着脱できる。

本体が樹脂製で、先端部分は溝が掘られてウレタンスポンジが貼ってある。バイクのメーター照明のT10球(直径10mm)では球の方が大きいが、T5ならジャストフィットする。 [写真タップで拡大]

※本記事の内容はオリジナルサイト公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。

※この記事はバイクいじりの専門誌『モトメカニック』に掲載したものを加筆修正したものです。最新の雑誌は書店もしくは下記サイトにてお買い求めください。

バイクいじりの専門誌『モトメカニック』のお買い求めはこちら↓

NAIGAI SHOPAmazon

関連する記事

関連記事コーケン72歯Z-EALラチェットハンドル解剖【多ギアでも引きずらない空転トルクの軽さが魅力】

ラチェットハンドルはバイクや自動車のメンテナンス用工具として不可欠な存在だ。昨今は多ギヤ化がトレンドとなっているが、ギヤ数が多いだけで作業性が向上するというわけでもない。ソケット工具専門メーカーの山下[…]

関連記事ヤマルーブシリーズを使って白化した樹脂パーツなどを艶々リフレッシュ〈外装お手入れケミカル×5選〉

ヤマハ車の純正液体パーツ(エンジンオイルや冷却水等)として名高い「ヤマルーブ」は、メンテナンス系のケミカル類も豊富にラインナップ。もちろんヤマハ以外の車両でもまったく問題なく使えるケミカルとして、外国[…]

関連記事カワサキ エストレヤのカスタムマシンはスポークホイールを半艶黒の丸塗りに〈美的バイク進化論〉

’17年のファイナルエディションにて歴史に幕を下ろしたカワサキのロングセラーモデル・エストレヤ。’21年にメグロK3が登場したことに続けと、その復活が大いに期待される1台だが、[…]

関連記事重曹クリーニングはクロームメッキのサビやエンジン部品のカーボン除去に効果絶大〈EZブラスト〉

旧車や絶版車の外装に欠かせないクロームメッキパーツを輝かせるアイテムとして威力を発揮するのが、重曹を研磨剤として吹き付け汚れや錆を除去する「EZブラスト」だ。サンドブラストとウェットブラストの2パター[…]

関連記事外装塗装失敗による”ゆず肌”状態を「花咲かGワックス」で磨いて艶々リカバー

ペイント仕上がりにおいて、ぷつぷつと目視でわかるほどの凹凸が出るさま=ゆず肌。色仕上げでもクリア仕上げでも、ゆず肌になってしまった場合には、完全乾燥後に耐水ペーパーで磨き、「花咲かGワックス」を使って[…]

最新の記事

次のページ:写真をまとめて見る