写真で見る 日産「キャラバン」(2021年マイチェン・ガソリンモデル)
小型キャブオーバーバンにスポーティなD形状ステアリングを採用
インテリアも質感を高めたものになっている。従来は黒とグレーの2色を使っていたインパネまわりを黒一色に変更。ステアリングはスポーツカーに使用するようなD型形状ステアリングを採用している。従来よりキャラバンのメーターフードは2眼メーターに合わせたスポーティな形状だったが、D形状ステアリングが合わさることでステアリングまわりは小型キャブオーバーバンとは思えないスポーティな印象になっている。なお、メーターは5インチTFTディスプレイ付きの新型ファインビジョンメーターとなった。
黒を基調としたインテリアに変更されたD型形状ステアリングを採用シフトレバーまわりのパネルも質感と高級感を向上させているステアリング左側に情報表示用のスイッチ類が並ぶ2眼メーターに合わせたメーターフードの形状は従来からのものだが、こうした形状はスポーツモデルのメーターまわりを連想させる先進安全装備も拡充してサポカーS・ワイドに対応する装備となった。内容は以下のとおり。インテリジェント エマージェンシーブレーキは対車両だけでなく対歩行者にも対応。さらに車線逸脱警報(LDW)、踏み間違い衝突防止アシスト、ハイビームアシスト、標識検知機能、インテリジェントDA(ふらつき警報)、インテリジェントアラウンドビューモニター、インテリジェントスマートルームミラー(EXグレード以上に装備)、そして5インチのカラーTFTメーターというものだ。
バン・DXのメーター。5インチTFTディスプレイ付き新型ファインビジョンメーターとなった5インチTFTディスプレイ表示パターンEX以上のグレードではルームミラーをインテリジェントスマートルームミラーとしているシートは抗菌化表皮を使用したものを全車に標準装備。また、シート構造は人の自然な姿勢である中立姿勢が保てる機能を持ち、長時間座っていても疲れにくい「スパイナルサポート機能付きシート」となった。
なお、シートクッションには振動吸収用のスラブウレタンを追加した「振動吸収構造」を採用している。キャラバンはもともと小型キャブオーバーバンでは乗り心地がいいクルマだったが、このシートの採用によりさらに乗用車的な乗り味になっている。
さらに寒冷地オプションとして運転席、助手席にシートヒーター(座面、背面)が設定されたところもライバル車にはないキャラバンの特徴だ。
リアシートの座面もしっかりしていて座り心地がいい。リクライング機能があるほか、足下スペースも広く取っている前席シートは振動衝撃吸収性がよく自然な姿勢で座ることができる作り。商用車だからこそ座り心地にこだわったという運転席と助手席に間にあるマルチセンターコンソールラゲッジスペースに変更はない。リアシートは50:50分割可倒式。長い荷物などを積みつつ、人が乗るスペースも確保できる従来型で好評だった「マルチベッド」も継続して用意される。キャンピング仕様とは違い、ベッドを跳ね上げることで積載性能が犠牲にならないのが利点。ベッドは広々と使うだけでなく、分割して展開することで片側にオートバイやロードバイクを積んだ状態での車中泊が可能ベッドを展開すると下にこのような区切られたスペースが生まれる。ベッドの長さは1760mm、横幅は1510mm。ベッドを展開しても2列目シートは出したままでOKルーフサイドには荷物がかけられるパイプが付くスライドドアに付くスライドサイドウィンドウは一部車種ではメーカーオプション扱い。また左側ワンタッチスライドドア装備車では運転席側のみの装備となるパワートレーンにも変更がある。エンジン(2.0リッターモデル)では燃費性能の向上が図られた。また、排気規制は平成30年排出ガス規制、燃費表示はWLTC対応となった。
トランスミッションは従来型ではフルレンジ電子制御5速ATだったところ、マニュアルモード付きフルレンジ電子制御7速ATへと変更。5速から7速への多段化はギヤ比を広く取りつつ1つのギヤがカバーする回転域を広げられるメリットがある。これによりスムーズな加速感が得られるだけでなく、ハイギヤ化されたことで高速道路の巡航時にエンジン回転の上昇が抑えられるので、走行時の静粛性も向上。なお、このATは新しいロックアップ機構を採用することでロックアップが入る領域を大幅に拡大。それにより流体クラッチ的な滑りによる伝達ロスが軽減され、燃費の向上につながっている。