新生パイオニアを象徴する新コネクテッドデバイス「NP1」発表会 2輪用も開発して2030年には1000億円のビジネスに

パイオニアは2月10日、「音声」と「通信」による新しいドライブ体験を実現するドライビングパートナー「NP1」の発表会を都内で開催した。会場ではパイオニア 代表取締役 兼 社長執行役員の矢原史朗氏から新事業に関するプレゼンテーション、常務執行役員 坂本雅人氏から新商品に関するプレゼンテーションが実施された。

今回発表されたNP1は、ドライビングパーソナル音声AIを搭載した新しいコネクテッドデバイス。従来のナビでは画面の表示と音によるルート案内が基本になっていたが、NP1では音声だけで案内する。開発のきっかけは、車載機器の著しい進化に伴ってドライバーが車内で接する情報量が増えており、「目」や「手」で行なう機器の操作や情報の確認がドライバーにとって大きな負荷やストレスになっていたこと。これを解消しつつ、ドライバーや車両の状況を把握しながら今後の行動を予測し、音声により必要な情報をドライバーにとって最適なタイミングで伝えるモビリティAIプラットフォームの開発を進めてきた。

新生パイオニアを象徴する新コネクテッドデバイス「NP1」発表会 2輪用も開発して2030年には1000億円のビジネスに

NP1は、新開発のモビリティAIプラットフォーム「Piomatix(パイオマティクス)」を初採用しており、音声だけで操作や検索が行なえる。通信の常時接続により、常に最新の地図や機能で音声によるルート案内や情報提供を可能にした。Cerenceの自然対話型音声認識エンジンを採用し、ドライビングパーソナル音声AIと組み合わせることでクルマに最適化した音声コミュニケーションを実現している。また、録り逃しのないクラウドドライブレコーダー機能、車室内をオンライン化するWi-Fiスポット機能など多彩な機能をコンパクトなボディに搭載しているのが大きな特徴になっている。

本体サイズは118×36×93mm(幅×高さ×奥行き)で、前後一体型2カメラとマイク・スピーカーシステムを搭載。CPUにクアルコム製を採用したほか、カメラはSTARVIS技術を搭載するソニー製CMOSセンサーを採用し、前方カメラおよび車内/後方カメラはフルHD画質(1920×1080ピクセル)、有効画素数はともに約200万画素とした。位置センサーにはGPSや6軸モーションセンサーなどを用いる。

NP1の本体サイズは118×36×93mm(幅×高さ×奥行き)。記録画角は前方カメラが水平130°/垂直68°/対角159°、車内/後方カメラが水平124°/垂直65°/対角151°。レンズF値はいずれもF2.0

なお、NP1は2月10日から予約を開始し、3月2日に発売となる。通信とサービス利用料1年分が付く「ベーシックプラン」、通信とサービス利用料3年分が付く「バリュープラン」の2つの購入プランが用意される。価格はベーシックプランが6万5780円、バリュープランが9万3500円となっており、バリュープランはベーシックプランで毎年更新するよりも3年間で3960円お得な設定となっている。

さらに必要に応じて移動中の車内でドコモのデータ通信(LTE)を、Wi-Fiを用いて利用できる車載向けインターネット接続サービス「docomo in Car Connect」(550円/日、1650円/月、1万3200円/年)を用意するとともに、専門の取付け事業者が希望する場所に出張して1~2時間程度でNP1の取り付けを行なう「NP1出張取付け」(1万3750円~)を設定している。