マツダ初のEV「MX-30 EV MODEL」、“まったくEVらしくないEV”と感じたそのワケ

マツダ初の量産EVがデビュー

「MX-30 EV MODEL」はマツダ初の量産EV(電気自動車)として誕生した。先行発売となった欧州地域ではすこぶる評判がよく、2020年秋に発売を開始して以降、12月末までに累計1万台を販売。とりわけドイツでは政府などからの補助金が後押しとなり好調に推移する。

マツダ初のEV「MX-30 EV MODEL」、“まったくEVらしくないEV”と感じたそのワケ

 一方、日本市場ではマイルドハイブリッドシステムである「M HYBRID」を搭載した「MX-30」を2020年9月に導入、そして2021年2月にEVモデル(今回の取材対象車)の販売を開始した(現時点、欧州市場にはMX-30 のM HYBRIDモデルは設定がない)。

 さらにMX-30の電動化プラン続編として、2022年にはEVモデルをベースにロータリーエンジンを搭載したレンジ・エクステンダーモデルが追加される。加えて、2020年11月に公表された「電動化マルチソリューション」では、次世代パワートレーンとしてプラグインハイブリッドモデルの存在も明らかになった。つい先ごろまで、電動化では大きく遅れをとっていると評されていたマツダだが、2021年の幕が開けた途端、堰を切ったように販売攻勢に転じた。

 そうした中、あらゆる意味で注目のMX-30 EV MODELにいち早く公道で試乗した。せっかちにMX-30 EV MODELの特徴をワンフレーズで表せば、「まったくEVらしくないEV」。誤解を抱かせてしまう表現だが、MX-30 EV MODELに対する筆者の評価はとても高い。

今回試乗したのは1月28日に発売されたばかりのマツダ初の量産EV「MX-30 EV MODEL」(2WD)。グレードは「EV」「EV Basic Set」「EV Highest Set」を用意し、試乗車は495万円のEV Highest Set。ボディサイズは4395×1795×1565mm(全長×全幅×全高)、ホイールベースは2655mm。車両重量はM HYBRID仕様の1460kg(2WD)に対し、1650kgとなるM HYBRID仕様と外観上の違いはほとんどなく、リアのサイドウィンドウに貼られた「ELECTRIC」のステッカー、テールゲートの「e-SKYACTIV」バッヂ(M HYBRID仕様のバッヂは「e-SKYACTIV G」)、車体右側の充電リッド程度。足下は高輝度ダーク塗装の18インチアルミホイールにブリヂストン「TURANZA T005 A」(215/55R18)をセットモーター、インバーター、DC-DCコンバーター、ジャンクションボックスを高電圧ユニットとして一体化し、車両前部に搭載。モーターの最高出力は107kW(145PS)/4500-1万1000rpm、最大トルクは270Nm(27.5kgfm)/0-3243rpmを発生。WLTCモードでの一充電走行距離は256kmとしているメーターなどの違いはあるものの、基本レイアウトはM HYBRID仕様と共通。なお、MX-30 EV MODELではコネクティッドサービスとスマートフォン専用アプリ「MyMazda」が連携し、バッテリー残量やエアコン作動状況などクルマの状態をMyMazdaアプリで確認できる「リモートモニター」機能などを利用できる