レクサスRX450hLを清水和夫が頑固チェック! どういう3列シートがいいか、大型SUVの課題とは?
■高級大型SUVの日本代表「レクサスRX450hL」に、頑固オヤジ・清水和夫が一言申す!
新型ではなくても今、気になるクルマを国際モータージャーナリスト・清水和夫さんが厳しく試乗チェックする【頑固一徹・和】試乗。
今回は2019年8月にマイナーチェンジされた「レクサスRX450hL」を頑固チェックです(※この動画は2020年3月に試乗したものです)。
ヘッドライトの小型化やL字型モチーフのスピンドルグリルなどの外観の変更に加え、ナビゲーションのタッチディスプレイ化や充電用USBソケット増設などの装備を充実させ、サスペンションセッティングも見直されての登場となったRX450hL。
上質な乗り心地はそのままに、高い操縦安定性とリニアなステアリングフィールを実現させたという、そのリニューアル版RXの実力を、雪上でのドライビングをメインにロングドライブを決行! まずは動画で見てみましょう。
さぁ、レクサスRX450hLです。約700km走破してきました。
このクルマはハイブリッドですが、V6エンジンのハイブリッドなのでエンジン自体のパワー&トルクがありますね。
最近、新しいKプラットフォームと呼ばれるTNGAが出て、その最初のクルマが2019年に登場したRAV4。見事に2019-2020日本カーオブザイヤーを取得したわけです。
しかし、レクサスRXが登場した数年前は、従来のSUVと違い、特にエンジンのグラグラするところがなくて、ハンドリングが非常に引き締まった感じが印象的でした。それまでトヨタはNVH (Noise・Vibration・Harshnes/騒音・振動・ハーシュネス[不快感])のためにエンジンをどう置くか? エンジンのマウントシステムがちょうどお椀の上に乗せる形になっていました。が、実際はエンジンが回転し、エンジンの振動中心点のところにマウント軸を置くというのが、NVHを減らす、またあるいはダイナミックなハンドリング性能との両立においては、そういうマウント技術が必要だったんです。
その施策を施したモデルが、このクルマというわけです。TNGAのベースとなった非常に先進的なプラットフォームの改良版が、このRXなんですね。
そういう意味ではレクサスもコルティに見合った走行性能を持っている。その辺は高速道路をずっと走ってきて感じましたね。
ただ、燃費的にはRXのV6エンジンに対し、RAV4は2.5Lの高速燃焼と呼ばれるガソリンエンジン4気筒ですから、燃費では12km/Lくらいと15~16km/Lくらいの違いはあります。
バネ下のブルブルっていうちょっと荒れた路面に入ったときの真の固いドンッという乗り心地の粗さとかが目立つので、あとステアリングも少~しひ弱なところがまだ感じられるんですね。次のRXはこういったところが完璧に直ってくるとは思うんですけどね。
それにしても高級ブランドのレクサスの中では最も実用性に富んだRX。
今回、3列シートのクルマを持ってきたんですけど、3列シートも真ん中の2列目がオプションで2座と3座(ベンチシート)がありますから、2タイプの3列シートがある…分かりやすく言えば6人乗りと7人乗りという意味ですね。通常の2列シートの5人乗りも含めると、5人と6人と7人乗りのシートアレンジメントが選べるのです。
マツダも3列シートを出してきていますから、5人乗り以上の家族にはどうしても3列シートは魅力的かも。ただ、どうしてもクルマが大きくなりますから、それに3列シートのクルマをひとりで乗っていると、ただ空気を運んでいるだけになってしまいます。
全長を大きくしないでいかにキャビンをルーミーに3列に作るか?ということも、これからの大型SUVのあるべきひとつの姿かなという感じがします。
とはいえ、インテリアの質感、そこはレクサスクオリティでしっかり作られています。
このレクサスはミシュランのスタッドレスタイヤを履いています。私も大きいSUV(ディフェンダー)を持っていますが、車両重量の大きいクルマはやっぱりミシュランのスタッドレスのほうがタイヤのブロック剛性が高くて高速道路が安心なんですね。
日本のスタッドレスタイヤは北海道のアイスバーン専用に作られているところがありますから、舗装路の高速走行が物足りないし、摩耗も早い。
という意味で、レクサス級のプレミアムな大型SUVにはホントにミシュランをおススメしたいと思います。国産でこういうスタッドレスは無いんです。どうしてもアイスバーンの性能ばかりを追いかけていく傾向にありますから、オールラウンドに見るとミシュランのスタッドレスは使いやすいです。
清水和夫さんによる全ての頑固試乗インプレッションは動画で!(試乗:清水 和夫/動画:StartYourEnginesX/アシスト:永光 やすの)
●SPECIFICATIONS車名:レクサスRX450hLボディサイズ:全長5000mm×全幅1895mm×全高1725mmホイールベース:2790mmトレッド:F1640mm/R1630mm車両重量:2230kg(6名)/2240kg(7名)エンジン:V型6気筒DOHCエンジン排気量:3456ccボア×ストローク:94.0×83.0mm最高出力:193kW(262ps)/6000rpm最大トルク:335Nm(34.2kgm)/4600rpmフロントモーター:最高出力 123kw(167ps)/最大トルク 335Nm(34.2kgm)リヤモーター:最高出力 50kw(68ps)/最大トルク 139Nm(14.2kgm)トランスミッション:電気式無段変速機駆動方式:四輪駆動(E-Four 電気式4輪駆動方式)乗車定員:6/7名サスペンション F/R:マクファーソンストラット/ダブルウイッシュボーンブレーキ F/R共:ベンチレーテッドディスクタイヤサイズ F/R共:235/55R20 102V燃料消費率 WLTCモード:14.7km/L車両本体価格(税込):7,960,000円
【頑固一徹試乗とは?】国際モータージャーナリスト、清水和夫が斬る試乗インプレッション『頑固一徹テスト』。頑固一徹・清水和夫が独自の目線でチョイスしたモデルを、パワートレイン、シャシー性能、ヒューマンマシンインターフェイス(HMI)の3分野で評価、採点し、その合計点によって10段階で評定します。
●頑固一徹 総合評価指数3〜6点→★7〜12 点→★★13〜18点→★★★19〜24点→★★★★25〜30点→★★★★★
●評価軸(3項目)&評価ポイントパワートレイン 10段階評価(1〜10点)シャシー性能 10段階評価(1〜10点)ヒューマンマシンインターフェイス 10段階評価(1〜10点)
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