Dell、新Xeon SP搭載タワー型ワークステーション

Dellが発表したPrecision 7920 Towerは、IntelのXeonプロセッサを搭載するワークステーションPCになる。採用されているXeonプロセッサは、先日(米国時間7月11日、記事:Intel、PurleyことXeonスケーラブル・プラットフォームを発表参照)Intelから発表されている開発コードネームSkylake-SPこと、Xeonスケーラブル・プロセッサになる。

ただし、現時点で発表されているのはデータセンター向けのSKUだけで、ワークステーション向けのSKUは発表されていない。このため、Dellからの発表も“Xeonプロセッサ”とだけ述べられ、詳細(例えばどのSKUが搭載されているのかなど)は語られなかった。Intelの正式発表を待って出荷ということになるのだろう。なお、Dellによれば、デュアルソケットとシングルソケットの2つの製品がラインナップされる予定で、CTO時に顧客が選べられるようになるということだった。

背面パネル前面パネル

Dell、新Xeon SP搭載タワー型ワークステーション

Precision 7920 Towerの最大の特徴は、ストレージの拡張性にある。前面からアクセス可能で、SATAないしはPCI Express接続できる3.5インチベイが4つ用意されており、5インチベイが1つとDellがスリムベイと呼んでいるスリム光学ドライブ入るベイが1つ用意されている。3.5インチベイには、M.2のNVMeストレージが入るドッキング型のモジュールも用意され、その場合はPCI Expressでシステム側と接続することが可能になる。

5インチベイに入るオーディオオプションPCI Expressスロットに入るM.2ストレージを装着する拡張カード、2枚バージョンPCI Expressスロットに入るM.2ストレージを装着する拡張カード、4枚バージョン3.5インチベイに入るベイオプションM.2ストレージのエンクロージャー3.5インチベイのケースに入れて使用できる

また、PCI Expressスロットに、M.2のNVMeストレージを装着する拡張カードが用意されており、2モジュール版ないしは4モジュール版が用意される。それぞれのNVMeストレージはx4で接続されるため、4モジュール版ではx16のPCI Expressの拡張カードとなっている。また、Intelが提供するソフトウェアによるNVMe RAID機能にも対応可能なので、RAID構成で利用することが可能だ。Dellによれば、前面のストレージモジュール、内蔵のカードなどを利用すると、合計で48TBというストレージ構成が可能になるとのことだ。

スマートカードのオプション

なお、セキュリティに関しても配慮されており、ストレージベイをロックする鍵をオプションで選ぶことができたり、スリムベイには光学ドライブの代わりにスマートカードリーダーを装着して、スマートカードを持っているユーザーのみがログインできるようにすることが可能になる。

最も重要なグラフィックスカードだが、PCI Express x16のカードが最大で3枚まで搭載可能で、NVIDIAのQuadroシリーズないしはAMDのRadeon Proを搭載可能。Quadroの場合は最大で現時点で最上位SKUとなるQuadro GP100に対応可能で、AMDの場合にはRadeon Pro WX9100ないしはRadeon Pro SSGに対応可能だ。

このほか、DellはPrecision 5820 Tower、Precision 7820 Tower、Precision 7920 Rackという3製品をリリースしたが、今回のSIGGRAPH 2017では展示されていなかった(Precision 7820 Towerに関しては後述)。現時点では価格などは公開されていないが、いずれの製品も米国ではdell.comにおいて10月3日から販売が開始される予定だ。