旬の水菜 水分90%でも抜群の栄養価を逃さない調理法

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まだまだ寒く、鍋物が美味しい季節です。今が旬の水菜を鍋に入れる方も少なくないかもしれません。水菜は一見か細い感じがしますが、実は栄養面ではすぐれた野菜だそうです。詳しい話を管理栄養士の柴田聡美さんに伺ってみました。

 旬の水菜 水分90%でも抜群の栄養価を逃さない調理法

今や全国区、京都が発祥の水菜

水菜は、『京菜』とも呼ばれ、江戸時代前期から京都で栽培されていた日本伝統の京野菜の一つだそうです。「水菜の名の由来は、無肥料で水と土だけで栽培されていたからとも、水分がたっぷりだからとも言われています。今ではハウス栽培も普及して1年中販売されていますが、今の時期は味のよい露地栽培物が出回ります。京都では『水菜が並び始めると冬本番』と言われ、水菜を入れた鍋を楽しみにするそうです。水菜は鍋物に入れると魚や肉の臭みを消してくれるので、今の時期の鍋物にはぴったりです」(柴田さん)

見た目とは異なって栄養価は抜群

水菜は歯応えがシャキシャキとしてよいものの、茎や葉が細くて、小松菜やホウレン草などに比べると少し頼りない感じがしますが、栄養面ではどうなのでしょうか。「確かに水分が90%以上ですが、意外にも栄養価が高い野菜です。たとえば抗酸化作用があり、美肌効果や免疫力を高める効果があるビタミンCは100gあたり55mg含まれ、これはレモン2分の1個分以上にあたります。また骨の生成を促したり、体内の余分なナトリウムを排出して血圧の上昇を抑える効果があるカリウムは、野菜でも含有量がトップクラスのニラにひけを取らないほど含まれています。さらに、カルシウムも100gあたり210mgと、牛乳の約2倍も含まれていて、野菜では抜群に多いのです。食物繊維やβカロテンも豊富なので、栄養価のバランスがとれたすぐれた緑黄色野菜といえます」(柴田さん)

鍋ならスープまで、油とも相性抜群

こうしたすぐれた栄養を逃さないためにはどのように調理すれば良いのでしょうか?「水菜のビタミンCは水溶性なので、ゆでると流出してしまいます。そこで、鍋物にする場合は、最後にごはんやうどんを入れて、ビタミンCが溶け出したスープと一緒に食べるとよいですね。また生食ならビタミンCを逃すことがありませんので、生ならサラダがおすすめです。βカロテンは油と合わせると効率よく摂ることができるので、さっと油炒めにしたり、生食ならオリーブオイルやゴマ油などをかけて食べましょう。豊富なカルシウムを効率よく摂るには、カルシウムを吸収しやすくする効果を持つビタミンDを含むしらすや鮭などの魚類やキノコ類を合わせるようにしてください」(柴田さん)水菜は、今の時期は味が濃く、風味が強い露地栽培物が店頭に並びます。茎がしっかりしていて全体に量感があり、緑色が濃いものを見つけたらそれは露地栽培物かもしれません。美味しい水菜をたっぷり食べて、寒い時期を乗り切りましょう。

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