微粒子量を測定!《ウイルス・菌の抑制》キーワードに選ぶ高価格「空気清浄機」4選
空気清浄機は、超微粒子であるウイルス・菌の抑制・不活化まで期待して選ぶ時代!! 今回は、10万円台前後の高価格モデルにおけるウイルス・菌へのアプローチの違いを押さえつつ、プロ仕様の微粒子計測器を使って、送風口から放出される微粒子量を測定した(※)。
※: クリーンルーム等の清浄度管理用微粒子計測器「RION KC-51」を使用。6秒間の測定を連続5回行い、その平均値が測定結果として算出される。事前に室内の空気を測定した結果は、0.3μmレベルで7万9441.2個、0.5μmレベルで6366.2個、5.0μmレベルで9.0個
※こちらは「GetNavi」2021年9月号に掲載された記事を再編集したものです。
私がチェックしました!
GetNavi編集部 家電担当 青木宏彰
家電コーディネーター資格保持。菌・ウイルスまで対応する空気清浄機の信頼性を説く。
微粒子放出量のテストではメディエアーが圧勝だった
現在、市場の多くの空気清浄機はHEPAフィルターを採用。粒径0.3μmの粒子を99.97%捕集すると謳う(ウイルスの粒径は0.1μm、細菌は0.5〜1μm)。だがそれはあくまで〝実験室〟での結果。今回は実際の生活空間でどれくらい空気清浄できるか、高価格帯の空気清浄機4台で検証してみた。
結果、最も優秀な数値だったのはメディエアー。事前の測定で0.3μmレベルの粒子数が約8万個だったのが平均0.4個まで減少した。
だが空気清浄機選びは集じん性能以外の要素も検討を。イオン放出による室内の付着菌抑制を求めるならプラズマクラスター搭載のシャープ。ブルーエアは空気清浄速度や菌の抑制、室内の空気状況の“見える化”など性能・機能のバランスに優れる。メディエアーは前述の集じん性能に加え、捕集したウイルス・菌の不活化性能も優秀。モレキュルは光触媒技術でフィルター捕集したウイルスや花粉などを除去。シンプルな操作性やデザインにも注目だ。
【その1】3層フィルターで集じんし、浮遊する菌や付着したニオイは高濃度イオンの放出で除菌・消臭
シャープ
プラズマクラスター加湿空気清浄機 KI-NP100
実売価格10万90円
3層のフィルターで集じん。さらに浮遊する菌や付着したニオイを、イオン濃度5万個/立方センチメートルの「プラズマクラスターNEXT」の放出で消臭・除菌する。人の不在を検知してパワフルに空気清浄する自動モードも搭載。
SPEC●空気清浄技術:「プラズマクラスターNEXT」空中&フィルター浄化●消費電力:5.3〜95W(※)●風量:2.0〜10m3/分●搭載フィルター:静電HEPAフィルターほか●サイズ/質量:W427×H738×D371mm/約17kg
※: 無線モジュールを起動していないときの消費電力
適用床面積:46畳(空気清浄運転時) イオン放出機能:プラズマクラスターNEXT 運転音:21〜54dB スマホ連携:「COCORO AIR」アプリ
【Impression】
操作性やメンテ性は文句なし!! 加湿含め多機能を1台でこなすのは魅力
ハウスダストや花粉の除去用途には最適。プラズマクラスターNEXTによる浮遊ウイルス・菌抑制が期待できる。タッチパネルで直感的に操作できるほか、アプリで季節に合わせた自動運転なども可能。大型で場所は取るが、加湿など様々な機能を1台でこなしたい人には便利だ。自動掃除機能付きだが、給水タンクのメンテは必須。
[5点満点で評価]
集じん性能:3.5 操作性:5.0 お手入れのしやすさ:4.0 デザイン性:4.0 設置性:4.0
【その2】ウイルスレベルの超微粒子をスピーディに捕らえてイオンチャージで抑制
ブルーエア
Blueair Protect 7770i
実売価格15万7080円
空気清浄技術がアップデートされた同社の最上位機。0.03μmまでの超微粒子を99%以上除去し(※)、フィルターに吸着させた菌にイオンチャージして抑制する。8畳を約4分でスピード清浄可能だ。
※:【試験機関】暮らしの科学研究所(株)【試験方法】30m3試験空間にてBlueair Protect 7770iを運転させ、SMPSにより粒子濃度の測定実施【試験粒子】塩化カリウム(5w%水溶液)【試験機運転条件】Blueair Protect 7770iを「スピード3」で運転 【試験結果】約15分で30〜100nmの超微粒子を99%以上除去
SPEC●空気清浄技術:HEPASilent Ultraテクノロジー●消費電力:9〜72W●風量:3.2〜13.1m3/分●搭載フィルター:スマートフィルター●サイズ/質量:W340×H855×D340mm/約19kg
適用床面積:70畳 イオン放出機能:非搭載 運転音:27〜55dB(A) スマホ連携:「Blueair」アプリ
【Impression】
空気清浄性能・操作性・メンテ性デザイン性など全方位的にハイレベル
強力送風による空気循環で超微粒子を短時間に何度もフィルターに通し除去。ゆえに実際の使用では測定結果以上の浄化能力が期待できる。タッチパネルの操作もスマホでの操作もスムーズ。手入れはフィルター交換だけで、汚れがついた面に触れずに交換できるのも助かる。未来的なデザインも秀逸だ。質量19㎏だがキャスター付きで移動はラク。
[5点満点で評価]
集じん性能:4.0 操作性:5.0 お手入れのしやすさ:5.0 デザイン性:5.0 設置性:4.0
【その3】0.007μmの超微粒子を捕捉し、さらにウイルスや菌を不活化する独自のDFSテクノロジーを搭載
ピエラス
空間除菌清浄機メディエアー スマート
実売価格17万3800円
独自のフィルター技術により、HEPAフィルターでは捕捉しきれない0.007μmの微粒子も帯電・統合させ除去。ウイルスや菌、アレル物質などを捕捉し不活化する。シックハウス症候群の原因となるVOCも逃さない。
SPEC●空気清浄技術:DFSテクノロジー●消費電力:9〜65W●風量:2.83m3/分●搭載フィルター:メインフィルター、高性能6層プレフィルター●サイズ/質量:W330×H508×D222mm/7.3kg
適用床面積:18畳 イオン放出機能:非搭載 運転音:40〜60dB スマホ連携:非対応
【Impression】
高価でデザインの好みも分かれるが空気清浄をストイックに追求している!!
高性能フィルターが通過する空気中の微粒子をほぼ完璧にキャッチした。操作は4段階の風量調節のみとシンプル。お手入れは2年に一度のフィルター交換のほか、定期的なハイエナジーグリッドの掃除が必要だ。天面パネルなどデザインはやや素朴だが、ムダな機能を削ぎ落とし、空気をキレイにすることに特化した姿勢は好印象だ。
[5点満点で評価]
集じん性能:5.0 操作性:5.0 お手入れのしやすさ:4.5 デザイン性:4.0 設置性:5.0
【その4】独自の光触媒技術によりウイルスなどの超微粒子も本体内部で除去する
モレキュル
Molekule Air Pro SQ1P-JP
実売価格17万9850円
光活性ナノフィルターと特殊な触媒を使い、0.0002μmの超微粒子も捕らえて除去。フィルターを1回通過させるだけでウイルスを99.9%除去する(※)。室内の空気質を検知しPM10、PM2.5、PM1.0ごとに4色で表示。
※:すべてのウイルスを除去するものではない
SPEC●空気清浄技術:PECOテクノロジー●消費電力:26.7〜124W●搭載フィルター:PECOフィルター●サイズ/質量:φ約280×H590mm/10.4kg
適用床面積:約33畳 イオン放出機能:非搭載 運転音:33〜64dBa(自社試験結果) スマホ連携:「Molekule」アプリ
【Impression】
空気清浄機能に加えメンテ性やデザインを重視する人にマッチ
「1回通過での捕捉率の高さ」というウリが十分反映されたとは言えないが、測定結果はまずまずの印象。タッチパネルの操作性も悪くないが、スマホアプリに+αの付加機能がないのは惜しいかも。デザインはレザーのストラップがオシャレ。直径約28cmの円柱型で設置性も優秀だ。空気清浄性能に加えメンテ性やデザインにこだわる人に好適!
[5点満点で評価]
集じん性能:3.5 操作性:4.0 お手入れのしやすさ:5.0 デザイン性:5.0 設置性 :4.5