「いちご鼻」を治すには? 米皮膚科医が解説する、毛穴の黒ずみの原因と除去の仕方
肌トラブルのなかで特に気になるのが毛穴の黒ずみ。皮脂汚れや古い角質などがつまった角栓が原因で黒ずんでしまった肌は、メイクで隠すのが難しく、間違ったケアをしてしまうとより悪化させてしまうことも。
「肌の表面で黒い斑点のように見えるのは、医学的には黒ニキビ(開放面皰)と呼ばれるものです。頑固な毛穴のつまりの原因として考えられるのは油分や皮脂、汚れ、角質です 」とPark View Laser Dermatologyの皮膚科医であるロビン・グミレク医師は言う。
オイリーな混合物が空気に触れて酸化すると、色が黒やグレーになるのだ。
「黒ニキビや白ニキビは典型的なニキビ初期の兆候です」と皮膚科医でEternal Dermatologyの創業ディレクターを務めるアイフ・ロドニー医師は説明する。
「黒ニキビは開いた毛穴にできるので色が濃いです。一方、白ニキビの場合は閉じた毛穴にできるので、つまった濾胞(ろほう)が皮膚の薄い層に覆われているため色が薄いのです。これが2つの主な違いです」
そこで今回は、毛穴の黒ずみについて理解を深めるために、引き起こす原因や除去の仕方についてアメリカの皮膚科医たちに解説してもらった。
毛穴の黒ずみの原因は?
artornGetty Imagesグミレク医師によると、毛穴の黒ずみには多くの根本的な原因があるという。
「一般的には、ホルモンによって過剰分泌された皮脂や油分が毛穴につまりやすい思春期に見られます」
「また、月経や妊娠、多嚢胞性卵巣症候群によってホルモンバランスが崩れてくると肌にも影響を及ぼします」
他にはステロイド剤の服用や、締めつけがきつい服や帽子を着用して汗をかくこと、毛穴を密閉するクリームや油性の製品を塗ることでも毛穴がつまるのだそう。
The Center for Dermatology, Cosmetics & Laser Surgeryの開業者でディレクターのデヴィッド・バンク医師によると、毛穴のつまりは遺伝子も関係するとのこと。
「毛穴の大きさは遺伝的に決まっていて、毛穴が大きいと黒ずみやすいですね」
毛穴の黒ずみの対処法は?
毛穴の黒ずみの対処方法はたくさんあるが、一般的には「薬用クレンザーや毛穴の汚れを分解するのを助けるトリートメント製品を使うことが大事」とロドニー医師は言う。
加えて、毛穴の黒ずみに対処する成分や処方は以下の通り。
1. サリチル酸配合のクレンザーを使う
まず、毛穴の黒ずみを取り除くのに理想的なサリチル酸やベータヒドロキシ酸などの活性成分を探そう。
「油溶性なので毛穴や油胞に深く浸透して汚れや皮脂を分解することができます」とロドニー医師は言う。
彼女がすすめるのは、そうした成分が含まれているラ ロッシュ ポゼの「エファクラ メディケイド ジェル クレンザー」などのデイリークレンザーだ。
2. 過酸化ベンゾイル配合のフェイスウォッシュを使う
より効果的で強力に対処できるのが過酸化ベンゾイル。この成分はセラヴィの「アクネ クレンジング クリーム クレンザー」などに含まれている。吹き出物の表面上にある角質を分解し、毛穴のつまりを改善するのに役立つという。
グミレク医師は「製品のパッケージに指示されている適量以上を使わないように」と注意している。使い過ぎると皮膚を乾燥させたり炎症を起こす可能性があるからだ。
3. 強力なレチノイドで毛穴深部のクレンジング
どれを試してもなかなか効果が得られなかったという場合は、ビタミンA誘導体であるレチノイドやレチノールが毛穴の黒ずみに有効だ。
グミレク医師とバンク医師は「レチノイドは市販でも、処方薬としても入手できます」と言う。
4. スチーマーを使い、気をつけて絞り出す
まずは蒸気を顔に当てて毛穴を開かせることから始めるよう、バンク医師はすすめる。
「それから、綿棒2本を使って毛穴の黒ずみがある部分を優しく押します。細菌がつき、感染を起こす可能性があるため、手を使わないようしましょう」
5. 2ステップで毛穴の黒ずみを除去
朝までに毛穴の黒ずみを除去するには、まず毛穴シート(テープ)を使ってから、寝る前にサリチル酸を塗るという、2ステップ踏むことをバンク医師はすすめる。
もし、頬の毛穴に黒ずみがある場合は優しく行うこと。「頬の皮膚は他の部分に比べて少し乾燥しているため、サリチル酸やレチノイド、過酸化ベンゾイルなどが含まれている薬を塗ると刺激を感じることがあります」とグミレク医師。
こうした成分を使うことはできるが、肌が乾燥したり炎症を起こしたりしないように、他の部分より少量使うことを忘れずに。
6. 「いちご鼻」を治すには毛穴テープで除去
fizkesGetty Images毛穴の黒ずみがあるいちご鼻を改善する場合は毛穴テープを試そう。グミレク医師は「まず、鼻の皮膚にテープを貼ります。乾燥するにつれて油分や皮脂、角質が粘着剤にくっつき、テープを剥がすと毛穴の黒ずみが除去されます」と説明する。
だが、ヒリヒリする場合があるため、敏感肌や酒さの人は気をつけながらやること。また、鼻の毛穴に黒ずみができやすい人はサリチル酸配合のクレンザーやセラムを日常的に使ったり、プロによるフェイシャルを受けるのもいい方法だとバンク医師は言う。
身体の毛穴の黒ずみを取り除く方法
「背中の毛穴の黒ずみには、毎日シャワーを浴びる時に過酸化ベンゾイル配合のフェイスウォッシュあるいはボディウォッシュを使うのがおすすめです。1〜2分間放置してから洗い流しましょう」とグミレク医師は解説する。
この方法を試す場合、まずは5%の過酸化ベンゾイル配合のものから使い始めること。肌が炎症を起こさなかったら、より高いパーセンテージのものに替えていくのがいいという。
もし、過酸化ベンゾイルで肌が乾燥し過ぎる場合は、代わりにサリチル酸配合の洗浄料を使うよう、グミレク医師は提案する。
他の選択肢としては、寝る前に毛穴の黒ずみが気になる部分にレチノイドゲルかクリームを薄く塗布する。炎症を防ぐために、最初は1晩おきに塗ることを心がけて。
さらに頑固な毛穴の黒ずみがある場合は、皮膚科医を訪ねよう。バンク医師は、角質ケアとニキビにも対処するアルファとベータヒドロキシ酸を混合させたジェスナーピールをすすめる。
NGな行動
Moyo StudioGetty Images毛穴の黒ずみがなかなか除去できない場合は、自分で無理やり取り除こうとしないこと。
「根深い毛穴の黒ずみがある人は、皮膚科医やエステティシャンにやってもらいましょう。彼らは毛穴につまった汚れを安全に抽出する特別なツールを持っているからです。トラウマになったり傷が残ったりする可能性があるので、プロに任せましょう」とロドニー医師。
毛穴の黒ずみの予防法
毛穴の黒ずみを永久に無くすことはできないけれど、上記のアドバイスを取り入れたスキンケアルーティンを常に実践すれば予防することは可能だ。
さらに、以下のことを日々心がけて。
※この記事は、海外のサイトで掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。
Translation: Mitsuko Kanno From Good Housekeeping US