コロプラの新オフィスは先端の感染症対策、その一翼を担うパナソニックのエアリーソリューション
withコロナ時代に対応するため、オフィス環境をアップデートする企業が増えています。オンラインゲームの開発・運営を手がけるコロプラもその一社。今回、パナソニックの「エアリーソリューション」を導入した次世代型オフィスをメディアに公開しました。
エアリーソリューションとは
エアリーソリューションは、パナソニックが2021年10月から受注を開始した新技術。パナソニック エレクトリックワークス社の谷口和宏氏は「空間ソリューション事業を手がける弊社では、ウェルビーイングを取り入れたワークプレイスをお客さまに提案しています」と述べます。
今回、コロプラの本社オフィス(東京ミッドタウン)には「エアリーソリューション(ブースタイプ)」が導入されました。その特徴は3つ。まず、天井に設置したルーバーから風を下向きに送ることで周囲の空気を巻き込み(誘引気流)、下方向の均一な面気流(ダウンフロー)を発生させて、空間に浮遊するエアロゾルを床に落とします。
金沢大学とパナソニックの共同試験によると、ダウンフローが効果的に働いてエアロゾルが拡散せず、すみやかに床へと落ちる様子が可視化されました。
次に、空気清浄機によく使われる高性能HEPAフィルター×5枚を使って空気をキレイにします。この段階で0.3µm以上の粒子は99.97%以上を捕集し、毎分12,000リットルの空気を浄化できるそうです。その集塵力に驚きます。なお、ここで浄化された空気はルーバーに送られ、このサイクルでオフィス内の空気が循環していく仕組みです。
3つめの特徴として、ブース内だけでなくブース外の空気も吸引して浄化します。つまり、ブースがひとつの大きな空気清浄機のように機能するというわけ。働く人も安心ではないでしょうか。ちなみに、花粉やPM2.5なども浄化できるとのことでした。
このあとメディアには、実際に設置されたエアリーソリューション(ブースタイプ)を含め、コロプラ社内の様子が公開されました。
「エアリーソリューションでは清潔・快適な空気で円滑なコミュニケーションを実現します。導入いただいたオフィスでは温度、湿度、CO2などのデータも収集・分析し、より良いオフィス環境づくりを目指して、継続的にアップデートしていく考えです」(パナソニック 谷口氏)
今回のエアリーソリューション(ブースタイプ)は、コロプラが初めての導入事例。パナソニックでは2022年度に200台の導入を目標にしているとします。
2022年3月の時点では、このエアリーソリューションはブースタイプのみ。幅2.2×奥行き3.5×高さ2.2mというサイズで、下方気流によるエアロゾルの落下効果が得られるのはブース内に限られますが、全体ではだいたい120平方メートルの空気清浄能力を持つそうです。フィルター清掃の目安は2週間ごと、フィルター交換の目安は1年ごと。
将来的には、オフィスの天井にルーバーを設置するシーリングタイプ、少ないルーバー設置で対面カウンターなどに効果的なスクリーンタイプの投入が予定されています。
次世代型オフィスは他社の参考にも
コロプラは1年3カ月の期間をかけて、オフィスを東京ミッドタウンに移転しました。「弊社はコミュニケーションを重視する企業です。これまでも、社員のコミュニケーションを重要視したオフィスづくりをしてきました」と語ったのは、コロプラ 取締役の原井義昭氏。コロナ禍でも社員が安心して働ける環境、クリエイティブに活動できる環境を目指し、次世代型オフィスづくりに取り組んだと振り返ります。原井氏がパートナー企業に選んだのは、科学的根拠(エビデンス)を持っているパナソニックでした。
社員の7~8割が出社することを想定してオフィス環境を構築しているコロプラですが、コロナ禍ということで、現在の出社状況は3割ほど。それでも、しっかりとした感染対策がなされていることから、出社した社員の評判は上々とのことです。
「コロナ禍では多くの企業がオフィスの悩みを抱えています。あくまで当社の事例ではありますが、皆さんに知っていただくことで何かの参考になるのでは――と思って内覧会を実施しました」(コロプラ 原井氏)