加湿器には水道水の使用を! 「ミネラルウォーター」「浄水器の水」を使ってはいけない理由
空気が乾燥する冬は、暖房器具と一緒に加湿器が活躍する季節。実は、その加湿器には「ミネラルウォーター」や「浄水器の水」を使ってはいけないことはご存じだろうか?
家電大手のパナソニックが公開している加湿器の解説ページでも「浄水器の水」「アルカリイオン水」「ミネラルウォーター」「井戸水」は使用しないようにと書かれている。また他社製品の一部にはアロマオイルが使える加湿器もあるが、パナソニックでは芳香剤・化学薬品・アロマオイルなどを混入しないようにと注意を促している。また、加湿器の変形や故障の原因になるため「40℃以上の温水」や「洗剤を入れた水」もNGだという。
この記事の画像(3枚)加湿器にミネラルウォーターがNGなことはTwitterでも話題になっており、意外な事実に驚く人などの意見が飛び交っていた。・入れちゃダメなのか…知らなかった・家族がミネラルウォーター入れようとしてめっちゃ焦った・ミネラルウォーターの方が体にいいと思ってた・やばいかも?実家でやってなかったか確認する!
では「ミネラルウォーター」をはじめ「浄水器の水」「アルカリイオン水」「井戸水」はなぜダメなのか?また、コロナ禍での使い方で注意すべきことは?パナソニックの担当者に聞いてみた。
加湿器にミネラルウォーターを入れるとカビの原因に
――加湿器にミネラルウォーターなどを使うのはなぜダメなのか?水道水(飲用)は、一般的に塩素処理されており、雑菌が繁殖しにくいものとなっています。ミネラルウォーター、浄水器の水、アルカリイオン水、井戸水などを使うと、カビや雑菌が繁殖する原因となるため、必ず水道水(飲用)を使ってください。
雑菌が繁殖する原因になるためとのことだが、繁殖した雑菌が吹き出し口からの風に乗って飛び出すことはなく、ニオイの元になる可能性があるのだという。――なぜ菌が飛んでいかないのか?パナソニックの加湿器で使われている気化式は水の粒径が菌より小さくなるため、吹き出し口から出る加湿の水蒸気に、菌がのって出られないものとなります。
――ではアロマオイルなどを入れるのはなぜダメ?薬品によって、本体内部や樹脂を傷めるおそれがある為。品質保持の観点からになります。
パナソニックによると、加湿機には「ハイブリッド式(加熱気化式)」「気化式」「超音波式」「スチーム式(加熱式)」の4つの方式があるそうだ。ハイブリッド式は濡れたTシャツを温風で乾かすイメージ、気化式は濡れたTシャツに速い風をあてて乾かすイメージ、超音波式はミスト状の水滴を吹き出すイメージ、そしてスチーム式はお湯を沸かして蒸気を出すイメージだという。このうちハイブリッド式と気化式は、細菌より小さな水の粒子を吹き出すため、細菌が飛び散ることはないそうだ。
ちなみに、「井戸水」についてはパナソニックの解説を隅まで読むと、こう書かれている。「やむを得ず井戸水(飲用)を使う場合は、トレーや加湿フィルターなど日頃のお手入れ回数を増やしてください。」担当者に聞くとやむを得ない場合とは「水道水が通っていない、井戸水しか使えない地域があり、その場合になります。」とのことだった。最後にコロナ禍での加湿器の使い方の注意点を聞いた。
――コロナ禍の中で加湿器を使うときは、どんなことに気をつければいい?換気をすると、部屋の空気が外に出ていくことで、湿度は下がり、加湿は重要となります。換気扇の近くや出入口の近くに加湿器を設置すると、加湿された空気がお部屋に広がる前に、換気扇に引っ張られてしまい、お部屋の湿度が上がりにくくなりますのでご注意ください。
コロナ禍では部屋の換気が必要だが、湿度が下がらないよう加湿にも気を付けたい。厚生労働省が発表した「寒冷な場面における新型コロナ感染防止等のポイント」には、加湿器や洗濯物の室内干しなどで湿度40%以上の保湿が勧められている。
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