【医師実践】乾燥知らずな冬の肌を保つために今からやるべき10の基本

皆さま、こんにちは。医師で予防スペシャリストの桐村里紗です。

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風が冷たくなり、乾燥が気になる季節になってきましたね。

普段から、クラブハウスなどでお話を聞いてくださっている皆様はご存知の通り、私自身は「ズボラ」を自覚しています。スキンケアに関する情熱は、一般女性の平均点以下ではないかと思います。

それでも、「お肌が綺麗ですね」などと言われることがあります。(もちろん、お世辞かも知れません!)

「何使ってるんですか?」と聞かれますが、私が使っているのは、WELLMETHODのオールインワンゲル1本。それ以外は、インナーケアが中心で、何かをプラスすることはありません。ただ、皮膚科的な基本として、乾燥を防ぐ生活は身についています。実は、その基本が大事なのだと思う今日この頃。

今日は、冬の間、くすみ肌に悩まされることなく、しっとりと潤った肌を保つために、効果的な冬のスキンケアや生活の工夫のヒントをご紹介します。

目次

  • 2.まとめ
  • 1.乾燥知らずな冬の肌のための10の基本

    冬は肌の状態が一気に悪化するリスクをはらんでいます。

    まず、乾燥から始まり、防御力を失った皮膚に刺激が加わることで、かゆみや赤みを伴い、炎症を起こします。外気温が下がると、空気の湿度も下がり、皮膚から水分が蒸発しやすくなります。

    四季がある日本において、これは避けようがないですが、工夫次第で防ぐことができます。

    1-1.加湿器は必須

    加湿器は、冬の必須アイテムです。自宅やオフィスで加湿器を使用すると、乾燥した冬の空気に水分が加わり、皮膚の水分を保つのに役立ちます。

    リビング、仕事部屋、寝室と、長く時間を過ごす部屋には基本的に全て、加湿器を置きましょう。

    最近では、ペットボトルに挿して使うタイプの簡単なモノもありますので、パソコン作業のお供に置いておきましょう。

    1-2.暖房の設定温度を上げたら水分にも注意する

    寒いなと感じたら、つい、暖房の設定温度を上げてしまいます。温度が高くなれば、空気中に水分を多く含むことができます。空気が含むことができる水分量は最大量が決まっていて、温度が高くなれば水分をより多く含むことができます。

    暖房を使って温度だけを上げ、水分が増えなければ、空気中の水分量は減ってしまい、空気は乾燥した状態になります。乾燥した空気は、皮膚から水分を奪い、乾燥させてしまいます。

    暖房の設定温度を上げたら、同時に加湿をすることを意識しましょう。

    1-3.熱い風呂やシャワーを避ける

    冬は、長時間熱いお風呂に入り、熱めのシャワーを浴びたいと思うかも知れません。皮脂は、32度を超えると溶け出します。温度を上げると、より皮脂が溶けやすくなります。

    冬は、熱いお湯よりも40度以下のぬるめのお湯にゆっくり浸かる方が良いでしょう。また、洗顔をする際には、32度より低い温度のぬるま湯で洗顔しましょう。皮脂を取りすぎることを防ぐことができます。

    冬に手が荒れる人も同様に、手を洗うときは過度に熱湯を使用しないでください。

    また、濡れた皮膚は、十分にタオルなどで水分を拭き取りましょう。水分が皮膚から蒸発する際に、同時に皮膚から水分を奪います。ゴシゴシせずに、優しく押さえるように拭き取りましょう。

    1-4.石鹸・合成界面活性剤入りの洗浄剤を避ける

    クレンジングや洗顔料、ボディソープなどの選択を間違えると、皮脂をとりすぎて、かゆみを伴う乾燥肌を悪化させる可能性があります。

    多くのクレンジング、洗顔料、ボディソープなどには、合成界面活性剤が含まれています。高級アルコール系と呼ばれる洗浄剤は、ラウリル酸などの合成界面活性剤が含まれますが、これは皮脂を強力に落とします。洗浄力が高い代わりに乾燥を増長します。

    いわゆる固形石鹸も、比較的皮脂を落とす力が強いので、洗浄後にゴワゴワになってしまうかも知れません。

    【医師実践】乾燥知らずな冬の肌を保つために今からやるべき10の基本

    化粧をしている場合、クレンジングや洗顔料を使うことは必要ですが、皮膚に優しいものを選択し、負担をかけないようにしましょう。

    特に化粧を使わない体は、お風呂に入るだけで皮脂が落ちます。ですから、洗浄剤をあえて使う必要はありません。乾燥しているのであれば、尚更です。

    1-5.冬用の基礎化粧品に切り替える

    夏と冬で、同じ基礎化粧品を使っていると、乾燥を悪化させるかも知れません。

    冬の間は、刺激の少ないクリームベースやオイルベースのクレンジングに切り替えましょう。

    洗い流した後は、迅速に保湿して健康な肌を保ちましょう。

    皮脂を奪ってしまうアルコールの成分が多い、化粧水やローション、収斂剤の使用を控えましょう。乾燥してかゆみを感じる場合、これらの使用を中止して、クリームやオイルを中心にしましょう。

    ▼美肌を叶える「シンプルケア」とは? 摩擦を軽減させるための5つのコツまとめ

    https://wellmethod.jp/beautiful-skin-simple-care/

    1-6.セラミド入りのものを選ぶ

    化粧品の成分について、何か1つ選ぶのであれば、セラミドをおすすめします。皮膚にはバリア機能があるので、コラーゲン、ヒアルロン酸などの成分は皮膚に浸透しません。

    セラミドは、皮膚の細胞間にある脂質です。角層にラメラ構造という層を作り、水分を保持します。

    セラミドは、皮膚の最も外側の角質で作用するモノなので、皮膚の上からつけても、効果を発揮してくれます。

    特に、元々アトピー性皮膚炎がある人は、遺伝的にセラミドが機能しづらい肌質です。皮膚科時代も、アトピー性皮膚炎の患者さんのスキンケアには、セラミド入りのスキンケアをお勧めしていました。

    WELLMETHODのオールインワンゲルやフェイスマスクにもセラミドが含まれています。

    WELLMETHODオールインワンゲルについて詳しくはこちら

    https://www.daicel-shop.jp/products/detail/67?utm_source=wellmethod&utm_medium=winterskin&utm_campaign=wellmethod

    1-7.顔には日焼け止めを

    日本で紫外線が最も強いのは、5月、最も少ないのは、2月です。

    ただし、冬の暗い日にも、紫外線は雲を通りぬけて地表に降り注ぎます。あまり防ぎすぎると、皮膚でのビタミンDの合成を低下させてしまい、免疫機能の低下につながってしまいますが、せめて顔には日焼け止めを塗る方がベターでしょう。

    日常生活では、SPF:10~15程度、PA+〜++程度の日焼け止めを塗ってから出かけましょう。さらに、雪は、太陽光線を反射して、曝露のリスクが高まります。夏以上に焼けてしまうのはご経験の通りですから、効果の高い日焼け止めを選びましょう。

    ▼紫外線百害あっても「メリットあり!」日焼け止めの思わぬトラブルとは?

    https://wellmethod.jp/sunscreen-trouble/

    1-8.刺激のない素材の服を選ぶ

    セーターなどが「チカチカ」した経験があると思います。乾燥した肌に、刺激のある素材の服はリスクになります。

    ウールのセーターなど、粗めの素材の服が肌に直接触れないようにしましょう。チカチカすると、皮膚が炎症を起こして、湿疹に発展してしまうかも知れません。

    その代わり、空気を含み通気性の良い柔らかい綿や絹の素材の肌着を着てから、ウールのセーターを重ねるようにしましょう。首元が直接当たらないように、タートルネックのインナーを着るのも良いですね。

    綿などの空気を含みやすい衣類を重ねることで、服の間に空気の層ができます。空気の層によって保温効果が生まれます。

    1-9.質の良い脂の補給

    皮膚の細胞を含め、全身の細胞を包む膜には、油が含まれます。オメガ6系脂肪酸が多いと、炎症を起こしやすく、オメガ3系脂肪酸は、炎症を抑制します。

    植物性油脂、加工油脂、サラダ油、ひまわり油、コーン油などはオメガ6系脂肪酸を多く含みます。

    その代わり、魚油や亜麻仁油、えごま油、麻の実油などのオメガ3系脂肪酸を多く含む食品をしっかり食べましょう。油を減らすことは、皮膚だけでなく全身の細胞の膜を乾燥させ機能低下させることになります。

    細胞の膜は、細胞の周りの情報を遺伝子に伝えるとても大切な役割があります。質の良い油は、カロリーに関わらず、十分にとるべきです。

    脂質の中には、セラミドも含みます。セラミドは、経口摂取することで全身に届きます。皮膚に届くと、細胞間脂質として角層の保湿力を高めます。

    1-10.水分補給を十分に

    冬は、あまり喉が乾かず、水分補給を怠りがちになる人もいます。でも、外気の水分量が少ない冬は、気づかずに皮膚から水分が蒸発しています。

    冬であっても、夏と同じように水分補給が必要です。内臓を冷やさないように、温かい飲み物、スープ、汁物などを食卓に取り入れてください。

    2.まとめ

    冬の乾燥を防ぐための10のベーシックな方法をお伝えしました。これを「わざわざやる」という感覚ではなく、日常の当たり前にすることで、乾燥を防ぐことができます。

    気温が下がってきた今からすぐにルーティーンに組み込んでください。

    この記事の執筆は 医師 桐村里紗先生

    医師

    桐村 里紗

    総合監修医

    内科医・認定産業医tenrai株式会社代表取締役医師日本内科学会・日本糖尿病学会・日本抗加齢医学会所属

    愛媛大学医学部医学科卒。皮膚科、糖尿病代謝内分泌科を経て、生活習慣病から在宅医療、分子整合栄養療法やバイオロジカル医療、常在細菌学などを用いた予防医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。監修した企業での健康プロジェクトは、第1回健康科学ビジネスベストセレクションズ受賞(健康科学ビジネス推進機構)。現在は、執筆、メディア、講演活動などでヘルスケア情報発信やプロダクト監修を行っている。フジテレビ「ホンマでっか!?TV」には腸内環境評論家として出演。その他「とくダネ!」などメディア出演多数。

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