心肺停止は実は家のなかでこそ頻繁に起きている! だからこそ一家に一台AEDを設置するのが正解

意外と多い家庭内での心肺停止……、そのときどうする?

もし家族が倒れたときAEDは絶大な効力を発揮する

 心肺停止は実は家のなかでこそ頻繁に起きている! だからこそ一家に一台AEDを設置するのが正解

 街中や公共施設で何気なく見かける「AED」。いざ心肺停止をした人が周囲にいたら、心臓に対して電気ショックを与え、正常なリズムを取り戻すためのきっかけを作る医療機器だ。でも、実は心肺停止がもっとも発生する場所は、残念ながら街中ではない。消防庁によると、その66%がなんと住宅内。つまり皆さんの自宅で起きている。ということは、AEDは家にこそあるべきなのである。【画像】もしも、のときのために家庭用AEDという選択肢も(6枚) 2019年、日本では年間7万8884人、1日平均216人が心肺停止で亡くなったという。これは交通事故死者数の24倍、火災事故死者数の53倍という大きな数字だ。にも関わらず、一般市民がAEDを手に取り使用したのは約5.1%にとどまっており、その使用率の低さ自体が社会課題となっている。 そんな課題を解決するためにフィリップスが2021年9月1日発売したのが、ホームAED「ハートスタートHS1 Home」だ。その特徴はなんといっても“家庭用”ということで、街頭に設置されているAEDと比較して、大幅にコンパクト化しているところ。 でも、AEDなんて使ったことないし、いきなり心肺停止した人が目の前に表れるトラブルに対して、多くの人は家だろうと街中だろうと当然パニックに陥って、その人を蘇生させられるほど平常心ではいられないだろう。それは当然の感覚だ。だからこそ、本機はそのように慌ててしまう状況においてもAEDの使用を躊躇することのないように、「自動音声ガイダンス機能」を兼ね備えている。 救うべき人を目の前に、その音声の指示に粛々と従うだけなら、深呼吸して落ち着くことによって、きっと誰にでも操作ができるはずだ。さらに、なんといっても他社のAEDになく、フィリップスのホームAEDだからこその機能にも注目したいところ。 フィリップス・ジャパン コネクティドケア エマージェンシーケア、救命士として実際アメリカ国内でも従事していた経歴を持つ成川憲司氏はいう。「150J(ジュール)というAEDのなかでは比較的低エネルギーで、除細動に必要な電流を流す独自技術を搭載しております。心臓に電気を流す行為は少なからず心臓に負担をかける行為ですから、なるべく少ない電流で心臓を再度正常に動かせるような工夫を施しております。 また、成人の方にとってもそんな負担のかかる状況なのに、万が一、体の小さな子どもが心肺停止してしまった場合、いくら低エネルギーとはいえ、そのまま同じ強さで電流を流すのは、小さな心臓にとっては大きな負担になってしまいます。だからこそ、オプションの小児用パッドに付け替えるだけで、小児モードに自動で切り替わるようになっております」 いざという時のために、あらかじめAEDの使い方を練習できるよう、トレーナー機としても使用できるトレーニングパッドもオプションで用意されている点も注目だ。●少しでも救命率を高めるためにAEDを とはいえ、もちろん心肺停止した人が目の前に現れたら、まずは119番で救急車を呼ぶことはマスト。だが、心肺停止発生から1分経つたびに、救命率は7%から10%ほど下がるといわれている。それについて成川氏は救命士の経験からさらに言及する。「心肺停止の患者が発生する救急の状況においては、日本でもアメリカでも同じで、スピードが何よりも大事です。どれだけ早く患者に対して心肺蘇生法をおこなうか、これが救命率を格段に高めることにつながるのです。これは日本のデータですが、自宅で緊急事態が起きた際に救急車を呼んでからの平均到着時間は約8.7分。病院収容所要時間は39.5分となり、到着までに応急救護が実施されない場合、救命率は格段に下がるといわれているからこそ、それまでにその場にいる方々がAEDを使用することで、救命率を少しでも高めるのが大事なのです」 現在はコロナ禍でテレワークが推奨される状況。より多くの人が家で過ごす時間は必然的に長くなっている。ゆえに、家で心肺停止が発生する確率はますます高まっているはずだ。 実際にはAEDなんて使用する機会に一生恵まれない方がいいだろう。しかし、「もし」家族の誰かが目の前で倒れて心肺停止に陥った時に、何もできずにただ待つか、それとも勇気を持ってAEDを使って蘇生術を試みるか。どちらが後悔しないかは、火を見るより明らかだろう。<製品紹介>フィリップス「ハートスタートHS1 Home」アメリカで唯一、医師の処方箋無しで購入が認められた初のAED。家庭向けに小型化すると同時に過剰な機能を省き、自動セルフテストや自動音声ガイダンス機能により、緊急時に誰でも操作ができる使いやすさを追求した。17万9667円(消費税込/編集部調べ)●サイズ:高さ7.2cm、奥行19cm、幅21cm●重さ:1.5kg(バッテリー・パッド含む)販売名:ハートスタート HS1医療機器承認番号:21700BZY00426000特定保守管理医療機器/高度管理医療機器販売名:SMART パッド・カートリッジ医療機器届出番号:13B1X00221000048一般医療機器販売名:小児用 SMART パッド・カートリッジ医療機器届出番号:13B1X00221000049一般医療機器

滝田勝紀