東武鉄道N100系「スペーシア」後継となる新型車両、2023年に導入へ

新型車両N100系のイメージ

東武鉄道は11日、特急車両100系「スペーシア」の後継モデルとなる新型車両N100系を2023年に導入すると発表した。「スペーシア」の伝統や認知度・イメージを維持・継承しつつ、日光・鬼怒川エリアの観光需要喚起を図る上質なフラッグシップ特急として、カーボンニュートラルな運行を実施し、「国際エコリゾート日光」の実現に寄与するという。【写真】既存の特急車両100系「スペーシア」。デビュー当時のカラーリングに塗装した編成も新型車両N100系のコンセプトは「Connect＆Updatable ～その人、その時と、つながり続けるスペーシア～」。鉄道の物理的なつながりにとどまらず、さまざまな情報やサービスを更新し、提供することで、車両に乗り込んだ瞬間から、利用者それぞれにとって「自分だけの最適な日光・鬼怒川エリア」とつながることができ、幾度も日光・鬼怒川エリアを訪れたくなる特急をめざすとしている。車両デザインは現「スペーシア」のフォルムを現代に進化させて取り入れる。カラーリングは日光東照宮陽明門・唐門・御本社に塗られた「胡粉(ごふん)」の白をほうふつとさせる高貴な白をイメージし、窓枠は鹿沼に伝わる組子や竹編み細工といった江戸の手仕事を思わせるていねいに作られた工芸品のようなたたずまいで、大切なものを包み込んでいるかのような期待を演出する。車内においては、現「スペーシア」にある個室を継承するほか、ラウンジなど新たにさまざまなタイプの座席を用意することで、より上質な空間を提供。幾度も乗車したくなる特急をめざす。カフェカウンターは「自分だけの最適な日光・鬼怒川エリア」と出会える場とするため、新しいものを積極的に取り入れ、ここでしか出会えない五感で楽しむ商品などの提供も予定している。新型車両の導入により、現「スペーシア」と比べてCO2排出量を最大40%削減。運行の使用電力相当分は東京電力エナジーパートナーのFIT非化石証書を活用したメニューなど使用し、すべて再生可能エネルギー由来の電力に実質的に置き換え、CO2排出量を実質「ゼロ」とする。東武鉄道初という高度な除菌消臭機能を有する空気清浄機等も搭載し、引き続き新型コロナウイルス感染症対策を図るとのこと。新型車両N100系は日立製作所が製作し、6両固定編成で24両を導入。座席数は212席。愛称は未定で、2023年に東武スカイツリーライン・日光線・鬼怒川線の浅草～東武日光・鬼怒川温泉間に導入予定とされている。

木下健児