30~140km/hまで設定可能なクルスロ「3-drive・α」
名古屋在住の筆者は、2013年から神奈川県川崎市にオフィスを借り、活動の拠点を関東に移した。サラリーマンの単身赴任に近いイメージとなり、自宅のある愛知県名古屋市と、川崎の間を高速道路で移動する機会が増えた。名古屋~川崎間は、高速区間だけで300km超。少しでも楽に運転したいと思い装着したのがオートクルーズコントローラーだ。
3-drive・α。オートクルーズコントローラー作動中はAccと表示されるオートクルーズコントローラーは、セットした車速をコントローラーが維持してくれる装置で、アクセル操作なしで一定速の走行が可能となる。人間が操作するより安定した速度で走行できるので燃費向上の可能性もある。筆者が期待するところもこの2点で、長距離高速運転の疲労軽減と燃費向上だ。
筆者が選んだ製品はピボットのオートクルーズ&スロットルコントローラー「3-drive・α」。ピボットはレース用のエンジン制御や市販車のエンジンコンピュータ、カーナビ用のECOシステム、メーター、センサーなどエンジンの電子制御に関するソフト、ハードを得意とする会社だ。
3-drive・αはオートクルーズコントローラーの機能と、スロットルコントローラーの機能をあわせ持つ製品で、ピボットはこの製品ジャンルを“クルスロ”と名付けている。オートクルーズコントローラーとして設定できる速度は30km/hから140km/ h。設定した速度で走行中にブレーキを踏むか、解除スイッチを押すとオートクルーズを解除できる。速度の設定は、走行中にセットスイッチを押すことでセットされる。スイッチ操作による微調整も可能でオートクルーズ中にアップスイッチ・ダウンスイッチを押すごとに2km/hずつ速度を上下させることができる。
もう1つの機能であるスロットルコントローラーは、アクセルの開度とスロットルの開度の関係をスポーツモード7段階、エコモード5段階に変更する機能で、アクセルを踏んだときのエンジンのレスポンスを変更することができる。スロットルコントローラーに関してはこちらの記事(http://car.watch.impress.co.jp/docs/series/minigoods/20120420_527086.html)も参考にしていただきたい。
汎用タイプの市販品を購入する際に、自分で取り付けができるのか不安に思う人は多いだろう。筆者もその1人で、ピボットのWebページから対応車種表や取扱説明書をダウンロードし、事前に確認を行った。ザックリとした取り付けの流れは、「専用ケーブルをアクセル部分のコネクターにかませる」「ブレーキから信号を取り出す」「車速パルスを取り出す」。この3つができれば装着は可能だ。
●車種対応表(PDF)http://pivotjp.com/product/tha/img/tha_list.pdf
●取扱説明書http://pivotjp.com/download/img/pdf/3DA.pdf
配線図購入前にデジカメでアクセルペダルとブレーキペダルの上部を撮影してみると、それらしいコネクターを確認することができた。ブレーキから信号を取り出すのは別売のハーネスを用意する方法と、コネクターから自力で信号を取り出す方法がある。筆者は別売のハーネスを用意することにしたので、車速信号線から車速パルスを取り出せれば取り付けできると判断した。
アクセルペダル上部にそれらしきコネクターブレーキペダルの上部にもそれらしきコネクターブレーキ用のハーネスを使用すれば、大半の車種は車速パルスの取り出しが唯一の難関といった感じだ。ピボットの配線一覧表では、筆者のステップワゴン(RG1)はボンネット内から車速パルスを取り出すことになっている。それらしきボックスを見つけたが、微妙に作業しにくい位置にある。
●配線一覧表(車速・ブレーキ関係)http://pivotjp.com/download/img/pdf/THA-signal.pdf
たまたま川崎のオフィスの近所に住む、カーナビ関係のコンサルティング等をしている三宅健氏の自宅を訪ねた際に車速パルスの取り出しについて相談をした。「カーナビメーカーのWebページに情報がある」と、その場でサクッと調べていただき、助手席の足下の左側から取り出せると分かり、取り付けられそうな予感を得ることができた。
●【特別企画】彩速ナビで知るクルマとオーディオの関係(後編) Text by 三宅健http://car.watch.impress.co.jp/docs/special/20120803_550789.html
●アルパインが公開している各車種の配線図http://www.alpine.co.jp/support/fitting/
3-drive・αの製品の構成は、表示と操作を行うコントローラーと、制御ユニットが主となる。ほかにはケーブル類、両面テープ、インシュロックバンド、検電テスターなどで、ここまでが本体として販売されている。車種別専用ハーネス、ブレーキハーネスは車種ごとに異なるので別売となる。筆者は手元での操作を可能とするオプションのセットスイッチも用意した。